カルデラ盆地の中を一度南から北へ走り抜けて、一度冷水トンネルで反対側へ抜け、余市側から冷水峠の上までやってきた。
2017/8/4 4:30 |
かなり明るくなってきた。遠くに、雲がかかってその雲の上に頭を出している羊蹄山が見える。
気温は15℃。少しひんやりと感じる。
車が一台、峠に来ていた。
僕はカルデラ盆地の中へ、下りていく。
2017/8/4 4:36 |
赤井川のカルデラ盆地は、世界一の阿蘇や、北海道の洞爺湖のカルデラ、支笏湖のカルデラにくらべると、小さい方だ。その小ささもまた、ひとつの村が入るにはいいサイズである。
2017/8/4 4:40 |
今から降りていって、カルデラの中の丘に登ってみよう。
2017/8/4 4:53 |
もう朝日が昇る。刻一刻と表情を変える、空、風景。早起き鳥の声が聞こえ始める。
風はほとんどない。
静かな朝だ。
2017/8/4 4:54 |
左側の高い山の上に雲がかかっている。
余市側から低い雲がかかって稜線まで駆け上っている。その端っこがこちらから見えているのだ。
2017/8/4 4:54 |
日が昇った。
見えているのは中学校の尖塔。
雲が輝いている。
2017/8/4 4:55 |
山間の雲が茜色に染まっている。
2017/8/4 4:55 |
空が朝から日中の色へと、みるみる彩りを替えていく。
上空では風が速いようだ。雲が流れていく。
2017/8/4 4:57 |
しっとりした朝の空気。
このしっとりした空気が赤井川の野菜を美味しくする。
大きな寒暖差は野菜を甘くする。
明日から2日間、赤井川の「カルデラの味覚まつり」だ。
「開拓地」である赤井川には、何百年も続く祭りはない。
でも、今、ここに暮らし、ここで農業を続けている人たちが、毎年農作物の即売会やイベントなどを設ける祭りを開いている。多くの人が札幌や余市、小樽、近隣から訪れる。
今年で36回目。36年続けているのだ。
さあ、僕は出勤時間がある。
朝に間に合うように帰らねばならない。
カルデラを後にして、393号線を帰っていく。
毛無峠を越えて、朝里の方へ降りていったところで、朝里が一面に雲に覆われていた。
国道はその雲の上に出ている。
雲海だ。
2017/8/4 5:29 |
この雲の下方に朝里川温泉街がある。太陽が高く登ろうとしている。
2017/8/4 5:29 |
一度通り過ぎて、Uターンしてきて戻って雲海を見た。
この雲も、少しの間もじっとしていない。絶えず動き、みるみる表情が変わっていく。
朝日に逆光になったゆきかぜ。
シルエットでみると、わりとメカメカしくて、りりしいのだ。
2017/8/4 5:30 |
渡りながら、登りながら、でも消えていく。
もう少しすれば、この雲海も消えるだろう。
2017/8/4 5:31 |
朝日を「ご来光」として拝む習慣が日本人にはあった。
今では新年最初の朝日に特化している感があるが、朝日が昇る瞬間は、いつでもどこか神々しい。
もう登り切った朝日だが、それでも何かのメッセージを送ってきているかのような気さえする。
さあ、雲の中へ降りていこう。濃霧を突っ切ると、下は雲の下で、見通しは悪くないはずだ。
あっという間に、この時間も終わる。
6時ごろには霧も消え、僕は札幌市の市街地を、自宅に向かって走っているだろう。
そして7時過ぎには、もう、職場へと車を走らせている。
そういう生活が、今日も始まるのだ。
そのためにも、安全運転で、無事に帰りつかなければならない。
気を引き締めて、峠を下る。
ゆきかぜ、よろしくお願いします、よ。
(暁に走る 完)
ワタシも冷水峠(辺り)まで。そのままだと村から離れてしまうのでUターン。その後右折。「西の丘」(辺り)へ。
返信削除もう1年前の淡い記憶です。
しばらく村を見下ろして、東進、役場辺り。道道36号に(無事に)戻りました。
東京に帰還してから、冷水トンネルやその上を通る峠道を知りました。次回はどちらも走りますね!
tkjさん、一年前ですね。
削除道の駅で「あかりん党」もお買い上げいただき、ありがとうございました。(^^)
ちいさくて、どうってことない村なんですが、それでも唯一の風景や、(日本中どこだってそこだけの唯一の風景なんですが)、農業で頑張っている人たちがいて、大好きな村です。
いつか、また一緒に走りたいです。