2024年10月7日

G310GSのハンドリングについて考える(0)

BMWのG310GSに試乗させていただいたのが、9月7日だった。
もう一か月たつというのに、そのハンドリングの衝撃がまだ体に残っている。
信じられないような安定感。
「コーナリングに不安感と言うものが存在しない」
どういうことだろう。
その秘密に、迫れる訳もないのだが、
ずっと考えている自分がいる。



おそらくは、
そのバイクシャシーのディメンジョン、エンジン形態、4軸構成の逆回転クランク。
前後のサスストローク、フロントのリーディングアクスル、
長いスイングアーム、スイングアームの縦横剛性バランス、
もちろん、鋼管トレリスフレームの構成と剛性バランス、
着座位置と重心、
ロール軸とクランク軸、フロントのキャスターとトレール、
すべてが、ここしかないというところに位置しているのだ。


そう言ってしまえば身も蓋もない
すべてのバイクが、全体バランスで作られているのだから。

しかし、このBMWの特性は、
僕のMOTOGUZZI V7とは決定的に違う。
いや、走りの喜びをライダーに提供するという点では
ものすごく似ている。その喜びの質までも似ているのだ。


それなのに、決定的に違うと感じてしまう。
ハンドリングは大差だ。
どちらも劣らず魅力的であるのに。

G310GSのハンドリングをもたらすものは何か


実は異例に長いスイングアーム



R80GS(古すぎる!)から比べると、遥かに長い。そして対地角が小さい
いや。それでも結構な対地角を持っている。



そして、フロントアクスルがFフォークの先端にあるにもかかわらず、フォーク軸から前方にずらしたリーディングアクスルを採用して、トレールを縮小している。



長大なリヤアーム。
チェーンラインは長く、スイングアーム上下にチェーンスライダーを付けねばならないほどで、しかも、簡単にチェーンがそのスライダーを叩くほどの、長さを与えている。
一見スリムに見えるスイングアームは上部にトレリス構造の細い部分があり、梯子状に空いているその空間も、断面が斜めに切り取られ、軽量化と、剛性バランスのチューニングを感じさせる。



緑はホイールベースを底辺にの等辺三角形を書いたもの。おそらくは、エンジンの重心位置はこのあたり(たぶん、垂直方向にもう少し上だろう)
黄色い丸は、たぶんクランク軸(もうほんの少し後ろだろう)


そして想定されるロール軸
ホンダの仮想ロール軸は赤。(方法の紹介はバイカーズステーション誌)
ライダースクラブが1980年代に解析していた方法でのロール軸のあり方は緑。


そして前後とも180mmの長いストロークがあるのに、初期からコシがあって、フワフワしない、意外と減衰の手応えを感じさせるサスペンション。

これだけで、大分見えてきただろうか。
しかし、これだけではだめで、これにエンジン特性が加わって
もちろん、ライダーの操作が加わって、
初めてあのハンドリングが生まれる。

しかし、それぞれの細部に意味がある。
……と、勝手に想像して
勝手に解釈してみようという、
完全に独りよがりの正しさの保証のどこにもない記事を
書こうという訳だ。

これは、素人の楽しみだからできることだ。
プロなら間違えられない。
一素人が妄想してみる、G310GSのハンドリングの正体。
次回から、行けるところまで、行ってみたいと思います。

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