BMWのG310GSに試乗させていただいたのが、9月7日だった。
もう一か月たつというのに、そのハンドリングの衝撃がまだ体に残っている。
信じられないような安定感。
「コーナリングに不安感と言うものが存在しない」
どういうことだろう。
その秘密に、迫れる訳もないのだが、
ずっと考えている自分がいる。
おそらくは、
そのバイクシャシーのディメンジョン、エンジン形態、4軸構成の逆回転クランク。
前後のサスストローク、フロントのリーディングアクスル、
長いスイングアーム、スイングアームの縦横剛性バランス、
もちろん、鋼管トレリスフレームの構成と剛性バランス、
着座位置と重心、
ロール軸とクランク軸、フロントのキャスターとトレール、
すべてが、ここしかないというところに位置しているのだ。
すべてのバイクが、全体バランスで作られているのだから。
しかし、このBMWの特性は、
僕のMOTOGUZZI V7とは決定的に違う。
いや、走りの喜びをライダーに提供するという点では
ものすごく似ている。その喜びの質までも似ているのだ。
ハンドリングは大差だ。
どちらも劣らず魅力的であるのに。
G310GSのハンドリングをもたらすものは何か
いや。それでも結構な対地角を持っている。
チェーンラインは長く、スイングアーム上下にチェーンスライダーを付けねばならないほどで、しかも、簡単にチェーンがそのスライダーを叩くほどの、長さを与えている。
一見スリムに見えるスイングアームは上部にトレリス構造の細い部分があり、梯子状に空いているその空間も、断面が斜めに切り取られ、軽量化と、剛性バランスのチューニングを感じさせる。
黄色い丸は、たぶんクランク軸(もうほんの少し後ろだろう)
ホンダの仮想ロール軸は赤。(方法の紹介はバイカーズステーション誌)
ライダースクラブが1980年代に解析していた方法でのロール軸のあり方は緑。
そして前後とも180mmの長いストロークがあるのに、初期からコシがあって、フワフワしない、意外と減衰の手応えを感じさせるサスペンション。
これだけで、大分見えてきただろうか。
しかし、これだけではだめで、これにエンジン特性が加わって
もちろん、ライダーの操作が加わって、
初めてあのハンドリングが生まれる。
しかし、それぞれの細部に意味がある。
……と、勝手に想像して
勝手に解釈してみようという、
完全に独りよがりの正しさの保証のどこにもない記事を
書こうという訳だ。
これは、素人の楽しみだからできることだ。
プロなら間違えられない。
一素人が妄想してみる、G310GSのハンドリングの正体。
次回から、行けるところまで、行ってみたいと思います。
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