2021年6月16日

夏の光(2)

道道2号線、オロフレ峠にやってきた。
昭和62年(1987年)、GPz400FーⅡで、この峠を初めて走った。峠道は狭く、路面状況は悪く、深い霧が立ち込め、視界は狭く、気温は低かった。白樺の幹が白く霧の中からぼんやりと浮き立ち、ヘヤピンで下って行く心許ない路肩の下は、霧で見えないが、深い谷のようだった。

2021年6月13日。僕は58歳になり、今日の相棒はイタリア製のMOTOGUZZI V7special。麓は快晴。峠を見上げると、雲がかかって見えたが、登ると同時に雲も霧も、雲散霧消したようだった。

峠の旧道、展望台方面へ舵を切る。
どうして切れない
新道との分岐から2.5㎞、旧道の峠のところに、広い駐車場があり、そこが近隣の山への登山口になっている。

行ってみて驚いた。
駐車場はほぼ満車だ。
登山に来た人たちが主だから車は多いが、着いた人から準備して山へ登っていくから、人は少ない。
おだやかで晴れた日、登山する人も増えるわけだ。

雲はかなり切れていた。
青空が広がる。



展望台の縁から足元を除く。
山崩れのような崖が下へ続いていて、下の方に登別から上ってくる道が見える。
これから僕らが下りていく道だ。深い谷が、登別市の海まで続いている。
右手に見える尾根の変なカットは、旧道の切通し部分だ。
昔はあそこを通っていた。


右手から切通しを通って、すぐに左回りのUターンで、引き返してくる。
もうだいぶ朽ちて、道の跡もはっきりわからないが、かなり急坂で崖沿いで危険な道だったことがわかる。
懐かしい。


振り返ると、駐車場の縁が山崩れの縁とほぼ重なっているのがわかる。
これもなかなか怖い風景ではある。


視線をやや下に向けると、登別へ下る道が見えている。



道は雪や石、土を防ぐための覆道がつけられている。
足元はコンクリで固めて斜面からせり出している。
凄まじい道だ。

さて、展望台を後に、メインルートまでまず引き返そう。


急坂というより、崖で一気に下る登別側と違って、こちら側は比較的なだらかな山容。遠く、洞爺湖も見晴るかすことができる。
(この写真には写っていないが。)

尾根筋の気持ちいい道をしばらく走り、トンネルを越えると、さっき見ていた崖の道に出る。



山肌が見えている三角形の上辺が展望台の場所だ。
写真の左から右へ、斜めに下る旧道の跡が、なんとなく感じられる。
写真左上のぽこんとした岩が、先の切通しの岩だ。


横位置で稜線と切通、右端に覆道からトンネルへ入る道が見える。その少し左に三角形に崖が見えているは、旧道のために山を削った跡だ。
よくこんなところでそんな工事をしたものだ。

2021/6/13 10:17

中山峠と言い、オロフレ峠といい、北海道の高所の峠は難所が多かった。
道路工事が進み、今日では、それほど難所感もなく、快適に、あっという間に通過してしまう。
その方が、生活のためには大事なわけだが。

高所のため、光は真夏でも、風は涼しく、気持ちよい。
もう少し、ここの風に吹かれてから、峠を下ることにしよう。
(つづく)

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