2024年5月3日

とんぼ返りの帰郷

 
20240427 苫小牧 新日本海フェリー港

コロナ禍で見送られていた叔父の葬儀が、2年越しに故郷の町で行われることになった。
その際に、同じころ亡くなった叔母2人のお別れの会も同時に執り行うと、「本家」後継ぎの従姉から連絡が入った。

期日は4月28日。
僕は27日の午前に仕事があり、29日の午後にも仕事が入っている。
GW前半にかかり、飛行機も混んでいるし、ちょうどいい便もない。
今回は、フェリーを使うことにした。

苫小牧から秋田へ XVと共にフェリーで渡る。
午後の葬儀までは時間があった。

僕の生まれた町、湯沢を訪ねてみようと思った。



湯沢市の市街地の外れ。
ここらへんが、僕が生まれたところ。
尋ねたのは、もう何十年ぶりだろうか。


湯沢市は雄物川の中流、横手盆地の南東の端の方にあり、その盆地の端、山が始まる所に僕の生まれたところがある。
たぶん、XVが停まっている場所が、僕の生まれた家があったところ。
木造平屋の貸し家で、冬は屋根の高さまで雪が積もった。
子どもの頃、川だ!と思っていた小さな流れは、暗渠になっていた。

さあ、葬儀は午後から。
急いでにかほ市へ。

国道13号を南下して、108号へ。




峠を越えたところ、由利本荘市、元鳥海村の西久米。
山里の美しい里で、高校生の頃、自転車をこいで、家から片道70㎞、訪ねたことがあった。



こういう風景を眺めて、僕は育ったんだと、改めて思い出す。
僕の少年時代は田舎町の市街地だったから、風景としては住宅地のそれ。
でも、高校時代から、休みの日は自転車で、こういう風景を求めて走り回っていた。
カメラも持たない。水筒は持っていただろうか。
ただ走り、お昼近くになったら、その里にある食堂へ行って、何か食べ、また自転車で帰ってくる。
僕の故郷は、片道20㎞も走ればすぐにこんな風景に会えるから、自転車でよかった。
いや、里の匂いや、風のちょっとした違い、道の傾斜、集落の一軒一軒の表情、植え込みの植栽などを肌で感じられる自転車が、僕にとっては、もっとも合っていたように思われた。

なつかしい空気を吸い込んで、叔父の葬儀のある、ふるさとの町へ急いだ。

葬儀はつつがなく終わった。

明日の昼には札幌で、会議に出なければならない。
今日は秋田発のフェリーが運航しない日。
青森まで走って、青函フェリーで渡り、そこから陸路を走る。

葬儀が終わった後、父や、葬儀を終えたばかりだが、もう納骨されている叔父たちの墓へ参った。
尼寺に隣接したそのお寺の庵主さんにもお会いできて、ご挨拶。それも4年ぶりだ。



さて、青森へ向かうのだが、晴れた空にふるさとの山、鳥海山がそびえている。
5合目まで登る町会ブルーラインは、開通したばかり。
午後5時には夜間通行止めに入る。
ギリギリ、行ってこれるかもしれない。

結局、XVで走ってしまった。


5合目はまだ、道の両側に雪が残り、そこから上の徒歩の登山道は雪道のまま。
素人が山頂へ向かうのはやや危険。
それでも、たくさんの人が訪れていた。


北の方角、秋田方向を見る。風車の高原の向こうがふるさとの町。
ここは深さ数百メートルもある恐ろしい深さの谷を見下ろす稜線だ。

はじめてここに来たのは、父に連れられて、小学生の時だったか。
ここが標高約1150m
そこから標高1700の御浜小屋まで登り、山頂が見えているのに引き返したことを覚えている。
山頂は2236m。半分は登ってきて、まだ時間も余裕があったのだが、父は僕の体力を見て、ここで引き返すことを決めたのだろう。
僕はこの時、子ども心に悔しい思いもしたが、「撤退」の大事さ、大きな意味を教わったのだった。



山から下りて、象潟の町の高台から、鳥海山を眺めた。
かなり懐に入っているので、姿がまた違って見える。
しかし、大きい。
2236mの独立峰は東北で2番目の高さ。
裾野の広がりも含めて、本当に大きな山だ。

僕は、この山を毎日見上げて小学校・中学校・高校の時代を過ごしたのだった。

山を降りてきて16時40分。間に合った。
さて、後は青森まで走る。
高速料金が厳しいので、下道だ。
秋田市で夕日を見送り、暗闇の中、阿仁町を過ぎて、比内町で銭湯に入った。
大館からは国道7号線。
青森からフェリーで函館に向かい、
函館からはまたもや下道。
国道5号線を走り、230号にスイッチして、中山を避けて国道393へ。
赤井川から朝里を経て札幌に帰ってきた。

深夜の青函フェリー、3時間半だけでも眠ろうと思ったが、マナーの悪い客が数組いて、全く眠れず。
函館から高速に乗らなかったのは、お金もあるが、眠気が来た時にすぐに停まれないから。
小刻みに休憩しつつ、仮眠を取りつつ、帰ってきた。

午後の会議は無事すんだが、この疲れがなかなか抜けない。
昨日5がtう2日も、ツーリングを予定していたが、早朝出発できず、ルートを短縮して半分くらいで帰ってきた。

GW、ホームワークもたくさんある。
後半、もう一回くらい走りに出たいものだが、体力と相談しながら、慎重に行きたいと思う。

4 件のコメント:

  1. さて、ワタシも今から、お墓参りに行って来よう。
    2020年に東京から戻り(元々は、地元の工場勤務でした)、その年の暮れに実父を送りました。実母は、自身で“建てた”墓に一番乗り。現在は“そこに夫婦二人暮らし”。仲良くやってるかしら?(笑)
    何だかんだで、いまは、故郷でほんわかやってます。

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    1. tkjさん、どうぞお気をつけて、いってらっしゃい。

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    2. ありがとうございます。
      実はお墓は、いま住んでいる“実家(元は親の家)”のすぐ傍にあります。本日は午前中に、お散歩がてら行ってきました。

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    3. tkjさん、それはよかったです。お墓参り、するとやはり少しほっとしますね。

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