2024年5月11日

「Silver RIDING」



Silver RIDING=シルバーライディング

いぶし銀のような、派手さはないが、確実でスムーズ、上質な走り。
高齢(シルバー)ライダーの、自衛的な走り。

「シルバーライディング」なんて、気障ったらしい名前なんて、どうかとも思うが、自分が60を過ぎ、61を過ぎて62になろうとしている現在、身体の変化は日々、如実に感じている。
今すぐではないにしても、途中、事故や大病がないとしても、走れなくなってバイクライフが終わる日が来る、ということが、実感として感じるようになってきた。

先送りはできない……。
残された時間は、永遠ではない。

あたりまえのことが、実感として感じられるようになってきたのだ。



バイクライディングは、そもそも街中の走りからして「サバイバルライド」だ。
ゲームとは違って、敵を倒すのではなく、危険を回避し、交通の流れを整え、無事に生きながらえなければならない。
衰える視力、反射速度。危険に満ちた公道で、いかに生き残るか。
高齢になってきたら、その意識は忘れてはいけない。

郊外のワインディング。
高齢ライダーとしては、むやみに飛ばすのはもう、論外だ。
しかし、だからといって、ゆっくり走ってさえいれば安全かというとそうでもない。
ゆっくり、だらだらとした走りは、精神の弛緩を生み、咄嗟の時の反応を鈍くする。
路面のバンプ、路上の砂や落下物、センターラインを越えてくる対向車…
それらにも反応しうる集中度を保つためには、ある程度の緊張感と、バイクの運動性の確保が大事で、そのためには、これも適度にリズミカルな、きちんとトラクションがかかっていて、それをライダーがコントロールしている状態を保ちたい。

高速道
一般道市街地と比べれば、歩行者の飛び出しもないし、対向車も基本いない(北海道では例外と対面交通高速道もけっこうある!)ので比較的安全。
しかし、高齢ライダーにとっては、単調な高速運転が長時間続くのがリスク。
眠くなることもあるだろうが、そうならなくても、集中力が低下してくるのに、休むべき場所が少なく、タイミングも自分では決められない。


そしてリターンライダーやベテランライダーにとってのリスクとなるのが、
若い頃の自分の走りのイメージが無意識に残っていて、いざというときにその対応をしてしまうこと。
だが、現実には身体は老化し、昔のようには動かない。
一瞬のタイミングのずれが事故に結びつくのがバイクライディング。

高齢になってくると、バイクライディング自体が次第に厳しくなってくるのだ。
いつかは自分で降りる決断を下さねばならない日が来る。

しかし、安全マージンを大きく取る技術を身につけ、実践し、走り以外の部分でも様々に工夫していくことにより、高齢者でも安全に、楽しくバイクライディングをすることは可能。
そして、長く乗りたいなら、長く走りたいなら、それができる能力をできるだけ維持していくことも大切になってくる。



高齢者の安全なバイクライディング。
その技術を「Silver RIDING」と名付けるなら、シルバーライディングならではの技術のあり方もあるはず。

僕は今61歳、もうすぐ62歳だから、まずは60代の入口付近にいる。
素人だから自分のことしか分からないけれど、
60代の安全なライディング、シルバーライディングについて、
少しずつ、考えていきたい。

6 件のコメント:

  1. 素晴らしいお考えに賛同します 小生、8月で64歳になります
    これからも仲間とのツーリングなど楽しいバイクライフを続けるため、シルバーライディングに努めたいと思っております
    今年は、6月と8月に北海道に伺う予定です

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    1. 匿名さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
      そして、賛同していただき、とてもうれしく思います。
      6月は北海道のベストシーズン、8月は最近雨が多いですが、夏の盛りから秋へと急速に空や木々の色が変わり始める、美しいシーズン。夏野菜もおいしい頃。ぜひ、素晴らしいツーリングを、お楽しみください。

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    2. 5/21 に投稿した者です
      6/20~6/23 函館~知内~岩内~余市~苫小牧 と巡ってまいりました
      中高年4人でシルバーライディングに徹して楽しみました 
      次は8/27から道北・道東方面に行きます 北海道 最高!!

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    3. 匿名さん、北海道ツーリング、無事終了、おめでとうございます!
      北海道を楽しんでいただけたようで、とてもうれしいです。
      秋も(北海道はお盆が過ぎればもう秋です)、どうぞ、お楽しみください。

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  2. 読ませていただきました。同学年です。自分でもなんとなく思っていたことをエッセイのような文章で読むことができました。お互いに永く安全に楽しく続けたいものですね。ありがとうございました。

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    1. 庄司さん、共感いただき、ありがとうございます。
      おっしゃる通り、「永く安全に楽しく」走り続けられたらと思っております。
      そのうちに、シルバーライディングのシリーズを記事にしていきたいと思いますので、よろしければ、またお立ち寄りください。

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