2025年7月13日(日)
脊柱管狭窄症と往年の腰痛、そして急に慌ただしくなってきた仕事回り。
それを押して、MCで走りに行く。
そのことに、何の意味や、効果があるのか、走る前にはわからない。
走りたい気持ちと、体調と、仕事をこなすのに残された時間と、
全部を天秤にかけ、弱い心に少しだけ鞭を入れ、
ゆきかぜのカバーをはぐる。
朝8時ごろに走り出して、10時前に石狩市、濃昼の漁港にさ迷い込んだ。
そう、目指してきたわけじゃない。
そろそろ引き返さないと…と思っていたところに、濃昼の市街地へ入る標識が見え、
国道から外れて、1㎞も走らないうちに、この漁港へたどり着いたのだ。
道はそこで行き止まりになり、そこには漁港があって、生ウニ等の即売会をやっていた。
わりと賑わう漁港の建物から少しだけ離れたところにゆきかぜを停める。
今日は風も穏やか。
日本海の波も、滅多にないほどの穏やかさで、
ただ、バイクや自転車は問題なく、ガンガンやってよし、というお医者さんの診断だが
立っているのがつらい。
1分もしないうちに、右足全体に筋肉が破壊されるような電気的な痛みが走り、同時に右足全部を引っこ抜かれそうな、猛烈に重だるく、腰下をすべて底なし沼に持っていかれそうな不快感を伴う痛みが来る。
風の中に佇んで…などと、気取ってはいられない。
痛みの中で、無理ない範囲でちょと歩き、腰を下ろし、足をさすったり(足は全く悪くないのに)、ストレッチをしたりするくらいだ。
それでも、山里好きな僕でも、この漁港の朝の風景は、とても、居心地がよく、
少し離れた即売会の、元気のいい売り手の声や、試食のおいしさに思わず上がる客の歓声などを聞きながら、ただぼんやり、来てよかったなあ…と考えたりしていたのだった。
帰り際、国道に戻ってトンネルを越えたところでゆきかぜを停める。
帰り際、国道に戻ってトンネルを越えたところでゆきかぜを停める。
トンネルとトンネルの短い間に、かつて旧道(今は閉鎖)への分岐のために少し広くなったところがあるのだ。
巨大な赤い岩の崖。
その崖から剥がれ落ちる落石を防ぐために、広い範囲でワイヤーネットが張られている。
崖もすごいたが、その工事を想像すると、どれだけの危険を回避して行った工事であろうかと、技術と努力と行動に、畏敬の念が生じてしまう。
地べたにへたりこんで写真を撮っていたら、ゆきかぜのシリンダーが入るアングルに、たまたまなっていた。
シート下のエアクリーナーボックスから、インジェクターを経てシリンダーへ。
シリンダー内で燃焼したガスは、一気に容積を増し、速度を増して排気管へ。
排気管を熱しながら、前方から後方へと向きをかえつつ、後方のマフラーへと続く。
シリンダーの下に、ジェネレーター、クランクシャフト、別室にドライの乾式単板クラッチ、その後方にミッションケース。
だから、エンジンオイルとミッションオイルは別々なのだ。
ゆきかぜ……
……強いなあ。
50psを「たった」という時、ぼくらは何を見ているのだろう。
50psを「たった」という時、ぼくらは何を見ているのだろう。
MOTOGUZZI 1100SPORT乗りの、selenさんが、昔からよく写真に撮っていた木だからだ。
この木も、見る日、見る位置、天候、季節、時刻によって、さまざまな表情を見せる。
今日は麦畑の向こうにうずくまって、何をかんがえているのか…。
小さな走り、何でもない走り。
小さな走り、何でもない走り。
そういう走る日々が、僕を支えている。
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