2018年9月5日

秋の訪れ(3)

京極町のふきだし公園から、羊蹄山の北山麓を行き、北上していく。
道道478から直角に北上する道を行き、橋を渡って国道276へ。
そこから少し西へ行ってすぐにまた北上し、尻別川の河岸段丘をまた一段登る。
その段丘崖の上にいつも休憩するスポットがある。

羊蹄山の北山麓をどーんと眺めることのできる場所だ。





西の方を見ると、ニセコの山々が見える。
今やニセコ地区は、北海道にあって、非常に数少ない人口増加地帯の一つ。
地価もどんどん上がっている。
分かる気もする。
ここは本当に心地いい。
ただ、冬は非常に寒く、雪も非常に多い。
それでも人を引き付けるのは、僕の考えるにたぶん、農の風景なのだ。
田園とはつまり、農業の風景、農村の風景のことを指している。
人はやがて、農の風景に帰っていくのかもしれない。


イタドリの葉が、すこし枯れ始めている。
秋が訪れている証拠だ。

やがてさむかぜが吹くのも近いだろう。

…と、風景を眺めていると、道の向かいの水路の中で、静かに鳥たちが泳いで…というか、浮かんでいるのが見えた。
きっとカモの親子だ。


子どもたちで遊んでいるところに…



お母さんが迎えに。帰るわよ~。
はーい、子どもたちが集まってきて、和やかに、遠足のおしまい。


あっ、待って待って!
すごい勢いで、バタバタバタバタ―っと追いかける、ひとり遠くで遊んでいた子ども。
水中翼船かと見紛うほどに、必死の泳ぎ。



ああ、追いつきそう。
ほっとして速度を落とす子ども。
お母さんは悠然として、ちらっと振り返っただけ。
でも、ちゃんとゆっくりにして、待ってたよ。



潜ったり、先に行ったり、横にずれたりしながらも、
お母さんを中心に、なごやかに帰っていった。

そこからまた、…3kmくらいだろうか。行くと、平地の畑の水路の脇に、白樺が1本経っているのが見える。

この辺りは大まかに言うと、緑地区。
そこで僕は、勝手にこの白樺に「緑の白樺」(みどりのしらかば)と名前を付けている。
風を遮るもののないところで、白樺の樹がよく折れずにここまで1本で育ったものだ。


元来た方向を見る。
車が一台、通っていった。
ここは大きな農道だ。


ここから見る羊蹄山も好きだ。
こんな広い土地を耕すのは、どんな気持ちなんだろう……。

ここからは、少し西へ進んだら、また北上して、国道393号へ出て、そして赤井川村方面へ走っていく。


その国道へ向かう道。北上しながら、ニセコの山々の見えるところで、もう一回停まった。
陽射しも夏を思わせ、気温も上がってきた。
今日は秋冬用のジャケットだ。
午後から仕事もあるし、暑くならないうちに、帰ることにしよう。


国道393を赤井川村へ。
自分としては珍しく「道の駅あかいがわ」へは寄らずに、そのまま小樽、朝里方面へ、国道を走る。

…でも、のどが渇いたな……。
ちょっと誘惑に負けて、山中牧場に立ち寄り、ソフトクリームを食べた。
ココアミックス。

写真では背が低いように見えてしまうだろうが、先のとんがって上に伸びている部分をだいぶ食べてしまった後なのだ
山中牧場の名誉のために、真実を伝えねばなるまい。
この太さ、この柔らかさ(ソフトとしても柔らかい部類に入ると思う)としては、限界まで盛ってくれている。

山中牧場のソフトは昔から後から喉がべたべたしない、喉が乾かないというので有名だ。
ライダーとしては、最適なソフトの一つと言っていいかもしれないと思う。
これも珍しく? ソフトクリームをいただいて、さあ、本格的に帰路だ。


しばらくワインディングを走ると、道のはるか下に朝里温泉の街が見え、石狩湾が広がっているのが見えた。
帰ってきた。
ここから市街地の渋滞走行が札幌まで始まるのだが、それもまた、いいだろう。


家に着く。
バイクの時計で12時27分。
たしかこの時計、3分から5分くらい、進んでいたか、遅れていたかなのだが、
どっちだったかは覚えていない。
フェリーに乗るわけでもない今回のような場合は、仕事に遅れてはいけないが、分刻みの予定で動いたりはしないもの。
時計がぴったりあっていようが、前後5分以内でどちらかに狂っていようが、特に問題はないのだ。
いつも、分刻みというよりは1/4分刻みで朝から晩まで進めなくてはいけない僕は(それでもこんなもの、まだまだ生ぬるい…という方はたくさんおいでだろう)、ちょっとバイクで走るときくらいは、少しの時刻の進みや遅れは、気にならない……というよりも、気にしない状況に自分を置いていたいのだ。

妻が用意してくれた昼飯を食って、職場に行ったら、また夜まで時間との闘いのような状態になるのだから。

久しぶりの僕の「定番?」コース。
いつの間にか、一番通ることの多いコースになってしまったのは、丸一日のツーリングにひょいっと出かけることが難しくなったからかもしれない。
でも、いつものコースも、新しい発見がたくさんあった。
少し、心もほぐれたようだ。

もう少し秋が進んだ頃、また羊蹄山を見上げに、来ることにしよう。
その時、たぶん羊蹄山はもう、山頂に雪を戴いていることだろうか。
(「秋の訪れ」 完)


(秋の訪れ、完)

6 件のコメント:

  1. 記事の内容とは関係ありませんが、樹生さんには大事ございませんか?
    北の大地の傷が早く癒えますように。。。

    返信削除
    返信
    1. Hiroshi Mutoさん、ありがとうございます。
      我が家は無事です。
      ただ、北海道では、厚真町など、大きな被害で、心が痛みます。
      とりあえず、我が家に関しては、ご安心ください。
      ありがとうございます。

      削除
  2. 今朝ニュースを見てびっくりしました。
    札幌は大規模な停電のようですが、大丈夫でしょうか。
    皆様の無事と一刻も早い復旧をお祈りします。

    返信削除
    返信
    1. 和休さん、ありがとうございます。
      無事に過ごせています。
      停電は全道的にはまだまだですが、
      我が家に関しては、7日朝から復旧しています。
      ありがとうございます。

      削除
  3. あぁ、もう、堪えられない。


    明日はソフト部活動を予定しますw

    返信削除
    返信
    1. tkjさん、それがいいと思います!!
      久しぶりのソフト、旨かったス。

      削除