2018年9月1日

クシタニ「アウトドライレイングローブ」使用感(どしゃ降り編)

アウトドライレイングローブ。浸水しない。ややごわつく。真夏以外の雨専用。防寒性能はそこそこ。
クシタニ、「アウトドライレイングローブ」。
購入時のことと、寒い雨が降っていない日の使用感については、以前記事にしましたが、
8月19日はかなりの土砂降りの中を走りました。その使用感を簡単にレポートします。

雨の中を走ったのは、かなりの雨の中を2時間ほど。連続で走行しています。
結果からいうと、グローブの中にはまったく沁みてこないし、雨で気温が下がる北海道の夏だと、「中で蒸れてどうしようもない…」なんてことは起こらず、快適な使用感でした。
そう、これが晴れていて、少し暖かい日になると、透湿素材を使っているとはいえ、中の汗が少し意識されます。
寒い真冬ならいいのですが、春~秋の寒くない日には、完全に雨専用、と考えた方がいいと思います。

つまり、初めから降っていて、一日雨だな…という時には、最初からこのグローブで出かけますが、降っていないが、途中から降るらしい…という日には、できれば通常のグローブをはめて運転し、アウトドライレイングローブは持っていって、雨が降ってきたらはめ直す、というのがいいかなと思います。

操作感は以前の記事の通りで、通常のグローブのように…とはいきません。少しごわつきを感じ、そこが気になる人は、ずっと気になってしまうかもしれません。

しかし、雨の日の長距離、長時間走行では、防水でないグローブではどのぐしょぐしょになり、グローブの中で手が揺れるというか、濡れて少し浮いているような状態になり、また指先がふやけてきて、これも運転しにくくなります。

どちらを取るか…ですが、僕は安全上、レイングローブを選択したいと思います。
ただ、本降りにならないとか、1時間程度であるとか、そういう場合には、レイングローブよりもステアグローブの方が好ましいかもしれません。
ステアグローブ。厚手の革、アウトドアテイスト。守備範囲が広い。
完全にグローブの革が水を吸って、ぐちゃぐちゃになってしまうような時には、ぜひとも雨用のグローブが欲しいところだと思います。


さて、グローブの防水性としては、今のところ、完璧と言っていいアウトドライレイングローブですが、では、1日雨のツーリングで手が濡れず、それが秋深い時でも手は冷えないかと言われれば、通常のグローブと比べ物にならないくらい効果はあるものの、やはり濡れるし冷える、となると思います。

しっかりはめて裾をベルクロで締め、その上からレインウェアのカフスをしっかり被せておけば、走行中に濡れることはありません。これは高性能でした。濡れない。

でも、つーリングでは、何度も何度もグローブを脱着します。
そのとき、手が濡れますが、その手の水気を毎回完全に拭いてからグローブをはめることは、実際上は不可能。
透湿性能は与えられているとはいえ、例えるならグローブをはめるたびに手を洗って拭かないままの状態でグローブの中に手を突っ込んでいるようなもの。
それは、中が濡れるし、脱着の度にその水気はグローブの中で増えていきます。
結果、雨の日のツーリングでは、結果的に後半になるほど、濡れた手のままの状態で運転するということになるのです。

ただし、繰り返しになりますが、それでも、レイン用でないグローブで雨の中を走り続けるのとは全然違い、安全性も格段に違うと思います。

例えば、ほぼ走り専用のツーリングで、止まってグローブを外すのは、屋根のあるところだけ、つまり、休憩ごとに屋根のあるところに止まれるなら、一日グローブの中がドライであるということは考えられます。

そんなことあるかって?

最近の道の駅や、高速のS.A.で、二輪用のスペースに屋根のあるところもありますよね。
そういう場所を休憩時にしていければ、かなり濡れずに済むのではないでしょうか。

僕のように、施設などの何もない田舎を流すのが好きな場合には、屋根の下でグローブを外す…というのは、ハードルが高くなりますね。

もうひとつ雨のツーリングで手なのは、ドライのグローブの上から、最近はコンビニなどでも売っている、使い捨ての薄いビニールの透明手袋をはめて運転すること。
非常に薄手なので、一日も持たないこともありますが、操作感をそれほど邪魔しません。
これはグローブ自体、あまり濡れなくて済むので、自分としては結構いいのではないかと思っています。
ただし、おすすめはできません。破けたビニール手袋が何かに引っかかったり、そのひっかかりのせいでアクセルが戻らない…ブレーキレバーを引けない…などの予期せぬことが絶対に起こらないとは言えないからです。
やるとすれば、危険性を十分考慮して、安全だと判断してから試行し、だめだったら潔くやめることを決めておいてから、ということになります。

さらにあるのが、ピッチピチの手術などで使う透明手袋をはめてからグローブをはめる…という作戦。これなら、手は濡れないわけですが、グローブは完全にびしゃびしゃになります。僕の感覚では、びしゃびしゃになったグローブは、それ自体の操作性がかなり悪化しているように感じるので、この方法は自分としては取りません。

ヘビーレインのツーリング。
ウェア、ブーツなど、モノを選び、着方を工夫すれば、丸一日走っても、ほんのちょっとしか濡れない、ほとんど全然濡れないツーリングは可能です。
しかし、手だけは、そうもいかないようです。

今のところ、僕のヘビーレインのツーリングでは、このクシタニ、アウトドライレイングローブが、旅のお供となっていくでしょう。

4 件のコメント:

  1. 和休です。
    私は学生時代、ヨット(FJという小型の2人乗りヨットです。オリンピックなどで使用される470という艇の小型版といった感じです。)に乗っていたので、手首や足首から先は濡れるもの、でもそこから内は絶対濡らさない、という考えなんです。
    ですから、レイングローブは、濡れても操作性や保温性能に優れるネオプレーン製のグローブを選ぶと思います。
    「思います」というのは、レイングローブを購入する優先順位が低くて、今まで購入したことが無いからなんですが。
    関西は雨でも気温が高いので、びしょびしょになったレザーグローブでもなんとか乗り切れるという事情もあります。
    北海道は夏でも寒い場合がよくあるので、「手が濡れない」のは非常に重要なことだと思います。
    欲を言えば、どちらも試してみたいです。
    手術用の手袋、試してみたことがあります。でも、手のひらの汗ですぐびちゃびちゃになってしまって、ない方が良かったんじゃないか、と思いました。
    レイン専用のものに勝るものは、なさそうですね。

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    1. 和休さん、こんにちは。
      なるほど、ヨットでは、手首足首から先は濡れてもいいという考え方、あるんですね。
      そして、手術用手袋は、中の汗でびちやびちゃですか…。それもなるほどです。
      短時間ならありでも、ツーリングにはなしですね。

      ライディングブーツのぐちゃぐちゃ濡れは、本当に気持ち悪いので、バイクの場合、足元はできる限り濡らさないのがいいと思うのですが、手の方は、なかなか濡らさないのは厳しいみたいです。

      そうだ、記事に書かなかったのですが、もう一つやってたことがありました。
      大きな作業用のゴム手袋をつけるというものです。
      これは、転倒して、ゴムが路面にグリップしてしまうと、めくれこむように手首から先が悲惨な大怪我になる可能性があり、とても推奨できません。
      なかなか、手の防水は、悩ましいもののようです…。
      手のひら側に人工皮革、手の甲側にネオプレーンというのがいいのかもしれませんね。

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  2. 今年の北海道は雨が多かったですね。
    同じ雨を体験しているので、その雨の中を2時間も走り水がしみてこないというのは素晴らしいと思います。
    手の防水は恐らくライダーが一番最後に回してしまう箇所で、そして一番難しい箇所だと思います。
    結局は自分のスタイルに合った方法で防水する事になるのだと思いますが、クシタニのアウトドライレイングローブのインプレッションは大変参考になりました。

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    1. 緒崎さん、こんにちは。
      ああ、なるほど…。おっしゃる通り、
      ライダーが最後に回してしまうのが手の防水かもしれません。
      晴天用のグローブでも、濡れはするものの運転はできますし、
      手首よりも先、手だけなら、真冬(北海道では秋深き頃)以外の季節では
      かじかんで危険ということもないかもしれません。
      元々、手は何か掴んだりるすように進化してきたので、腹などと違って濡れてもある程度
      大丈夫なように、身体の方がなっているのかもしれませんね。
      このグローブ、8500円くらいで、安くもないのですが、そこまで高くもない感じで、
      これで防水がもしも長く持つなら、「あり」かと思います。
      継続して使用することになると思うので、またレポートします。
      緒崎さん、ありがとうございます。

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