2013/6/9 新車の頃のゆきかぜ |
ゆきかぜ号と名付けて、一緒に走っているのは、このブログでずっと報告しているとおりだ。
6シーズン目が終わろうとしているが、ツーリングの途中で同じV7に会ったことは一度もない。(間違いなくV7で走っている人が北海道道央地方にいるのだが)どちらかと言えば、マイナーな車種らしいのだが、気に入っている。
何より走りが楽しいのだ。
それは今までも何回も書いてきた。
今日話題にするのは、今まであまり話題にしてこなかった振動についてだ。
僕のV7、750ccの空冷90度Vツインエンジンなのだが、今までの愛車、GPZ1100、SRV250、GPz400F-Ⅱ、DT50などと比べても、振動は多い方だ。
モトグッツィの縦置き90度Vツインエンジンは、元来高回転に回すほどに振動が収束していくことで有名だ。
そして、超高速で矢のように走る、というのが、ルマンなど、モトグッツィの名声を高めてきた性能だ。
その理論的説明は置いといて、このV7の場合は、高回転まで回しても無振動にはならず、硬質の振動が粒を小さくしながら、7,000rpmのレブリミットまではっきり残る。だが、5,000rpmから上は、むしろ粒の揃った振動が連続音となり、直線的に吹け上がっていくのが非常に気持ちいい。
一方で時速60km、5速(2013年のV7は5速ミッション)での巡行は、2,300rpm近辺で、振動が気になるほどでもなく、平和に快適に流すことができ、しかもそこから開ければ、即座に反応するエンジンは、それでもその反応に少し減衰の効いたような暖かさを感じさせながらもしっかりと車体を前へ押し出し、明確に後輪のキックを強めたフットワークの良さを感じさせる。
そう、750ccツインで振動がありながらも、あまりその振動が気にならないという点では、V7は非常に優れた快適性能を持っているとも言える。
しかし、僕はこの6年の付き合いのなかで、2回だけ、ゆきかぜの運転中に手がしびれ、止まってもしばらく手が痛いような感覚に悩まされたことがある。その痛みに似たしびれは数時間で消えてしまったものだが、あまり気持ちのいいものではなかった。
その2回とは、2014年と今年2018年のツーリング2回で起こったことだ。
2014年の時には、高速道路を延々、速い方の車の流れに沿って走った。
いつもは1時間に一回は停まる僕だったが、この時は1時間半走って一回トイレに寄り、
そのあとは2時間弱、延々走り続けた。
ステップにも同様に硬質の振動が出続けていた。しかしこちらは
「振動あるなあ…」と思う程度で、しびれとか、不快感には至らず。
履いていたのが軽登山靴だったというのも効いていたかもしれない。
振動をかなり減衰してくれたのではないだろうか。
たまらず休憩し、しばらく休んだ。数十分では完全に収まることはなかったが、実はここで眼鏡のレンズが片方外れて落ちるというトラブルに見舞われ、出発後、高速を一度戻ってレンズを探して(あっさり見つかり)、それを応急的にはめて走るということもあったりしたのだが、その騒ぎ(?)の中で手のしびれは忘れていた。
そして高速を降りて一般道を走ってからは、振動で手がしびれて困ることはなかった。
2回目は、今年、9月に「ただ走り回る」ツーリングをしたときだ。
これは一般道を走ったのみ。
しかし、ほぼ休憩なしで走り続けることとなった。
距離で200km強であったが、走り続けて最後の頃に、気づいたら手の冷えのような痛みを感じ、自分の手がしびれていることに気づいた。
一般道でこれを感じたのは初めてだ。
たしかに、低いギアで3,000rpmくらいで走ると、硬質な振動がハンドル回りで発生しているのを感じられるのだが、それがしびれとして不快感に感じられることはあまりなかった。
まして痛みとして感じられたのは、少々驚きでもあった。
確かに、振動という点では、4気筒エンジンの方が少ないと言える。
特にGPZ1100での1,700~2,000rpmで流す時のビールの細かい泡が粒々と消えていくような、ほんのあるかないかわからないような微振動とともに緩やかに進むさまは、「ベルベットクルージング」と僕が名づけていたほどで、実に上質に感じられた。
対してV7の美点はむしろ逆で、90度V7から来る不等間隔燃焼の鼓動とタイヤが地面をける感覚、しっかりトラクション感覚が感じられ、フットワークを実感しながら走るこの快感が、豊かな走行実感をもたらしてくれる。
その分、振動が残るわけだ。
僕は深刻な肩凝りで、頭痛にも来るタイプ。
だから通常は1時間に一回は意図して休憩するようにしている。
ブログに写真を載せようという色気というか、邪心があるものだから、これが意外とちゃんと止まっていて、休憩にもなっているので、最近は走れなくなるほどの肩凝りに襲われることはまずなくなった。
その休憩癖が、振動から来る手のしびれや疲労をかなり軽減していたのだと思う。
まあ、これはこれでいいわけだが、
本格的なロングツーリングで、何日にも渡って一日500~700kmを走るとしたら(まだやるつもりでいる…^^;)、この振動対策は、課題になるかもしれない。
考えられるのは
1、振動そのものをソフト化すること。
2、ハンドルに防振対策を講じること。
3、ブーツ、グローブなどで防振対策をすること。
だが、忙しくてそれどころではないからこそ、そういうのを考えるのが楽しみだったりもするのだ。
1に関しては、
1)いいオイルを入れる。
これはもう入れている。なにせ、IPONEなのだ。
2)クランクケース内減圧を試みる。
これは興味ある。V7に適合するものを試してみたい。
2は、防振ウェイトをさらに重いものにしてみるとか、ハンドルバー内に重いジェル状のものを流し込むとか、これもいろいろあるようだ。効果的で実用的なものがあればやってみたい。
バイクのグリップゴム自体を防振タイプ(デイトナから出ている)に換えるという手もあるが、これはちょっと見送り。グリップそのものの操作感は、今のことろ、変えたくないのだ。
3は、厚手のグローブをするだけでなく、防振タイプのグローブもあるようだ。
これももしいいものがあれば、試してみたいところでもある。
いづれにしても、6年間で2回しか感じなかったのだから、振動はそう深刻なものではないのだが、ゆきかぜ号の改善というか、僕とのフィットのために、少しでも前進すると楽しいものだ。
この冬、考えてみたいテーマなのである。
こんばんは。
返信削除樹生さんのブログを読んで気になっていましたので先月BikeJin祭に行った時にV7ミラノに試乗させていただきました^^
初めて見るV7の感想は…
オサレ。
イタリアのオサレなバイク^^
美しかったですね。
全体のシルエットも、メッキのフェンダーも2本出しサイレンサーも。
リアビューが特に美しくて、2本出しサイレンサーは大型らしいパワー感や迫力を醸し出しているので私は大好きです。
またがってサイドスタンドをはらい垂直に起こします。
縦置きVツインエンジンからくる視覚上のボリューム感に反してスリムに感じる車体、驚くほど軽く起こせる感覚。1度だけ乗ったことがあるSRに近いとおもいました。
しかしV7は車重200kgオーバーなんですね。
私のFZ1も200kgオーバーですが体感上の違いが大きすぎました。
この違いはなに?!
軽くスロットルを煽りながらセルを回すとドルン!右に車体が傾き、本当に傾くんだ!
顔がにやけます^^
そしていざHSR九州のサーキットコースへ。
ドルドルドルッ!と心地いい乾いた排気音とともにビッグツインの力強い振動に感動しました。
とにかく気持ちよかったです。
その他の感想は
初のサーキット走行で、超緊張状態。
万が一このピカピカのバイクで転んでしまった場合一体どうなってしまうんだろうというプレッシャーから、加速感がどうとかコーナリングがどうとかは…全然覚えていないです^^
nogさん、こんにちは。
返信削除V7Ⅲミラノ、試乗なさったのですね。いいなあ。
V7は2013モデルは5速、ABSもトラクションコントロールもついていませんが、V7Ⅲは6速で両方ついています。
そして排気量も上がり、車重もゆきかぜよりも16kgほど重くなっていますが、その分、パワーも上がっていますので、かえって走りは快活になっていると思われます。(乗ってないので…)
とにかく軽く感じますが、それは重心が低く、車体、エンジンがスリムなことも関係していると思います。
僕のV7は装備で198kg、車検証には前輪90kg、後輪100kgと書かれていて、ガソリン抜きだと190kgぐらいの重量なんだと思います。
ミラノ、色が渋くていいですね。だいぶ進歩しているんだろうなあ…と、思います。
今回のテーマはグッチの振動ですか?自分が手が痺れたのは高回転連続の場合です。5000回転越え辺りを使用して走ると細かい振動が出て
返信削除ジーンとくる痺れでしたね。他の4気筒バイクと一緒だったのも一因でかなりのスピードでした。5速ホールドで5000を越えるとフライホイールが
ブンブン回っているのを感じます。その先は怖くて回転を上げる事を躊躇させます。
90度Ⅴは振動が無くなる事は無いかもしれませんね(笑)非常に鼓動感が有るのはグッチならではで、それはコンパクトで剛性のあるフレームが
原因だと言われてます。またワンピースのクランクケースが他に見ない設計で、これが独特の味わいを与えている。普通、クランクを納める時
上下分割や縦に3分割などするんですが、どうしてもケース同士の歪が起きやすい。グッチはワンピースにしている事から剛性が高く、驚異の
耐久性を誇ります。既に60年代には初期Ⅴ7が現れてますから、設計の優秀さが60年の長きに渡り生産される元になっていると思います。
クランクが通常のベアリング受けでは無くて、全面メタル受けなんですよ。ひらたく云うと直接ケース受けしてるんですよ!ものすごい精度で
ケースの上にオイルを介して浮いている感じです。熱対策も左右同じになる様にしているのも、あのレイアウトならではです。
車の様なエンジンをバイクに載せたって感じですが、この鼓動から来る振動が味となって世界無二のバイクになったのは不思議ですよね(笑)
いちさん、返信遅れて申し訳ありません。
削除5000rpmから上で来るというのは、結構高回転から来る感じですね。
私のV7は、5000rpmも来ますが、次第に振動が連続してくる(完全に連続にはなりませんが)感じで、振動よりもパワーの方を感じていました。
ただ、ゆきかぜは7000rpmでリミッターが効くのですが、その近辺でずっと回し続けたことがないので、長時間だとかなり振動でやられるかもしれません。
クランクケースやメタルに関しては、様々に、本でも読んでいます。
V7はサービスマニュアルやパーツリストを見ると、なかなか面白いですね。
しかし、私は自分でいじる腕も工具も、ハートも不足しているので、
バイク屋さんにお願いすることが殆どです。
モトグッツィ、やはりエンジン形式そのものがアイデンティティになっているという点では、
ハーレーなどとも似ているかもしれませんね。
樹生さん、こんばんは。
返信削除振動による手の痺れ……解決可能であれば
何とかしたい問題ですね。
私はTrickerでこの問題に悩まされました。
ハンドルバーを交換していたことも、
その一因ではあるかもしれません。
タコメーターがついていないので、
エンジン回転数は不明なのですが、
6速、100km/h近辺で出る激しい振動は
その速度を維持するのが辛いほど、
大げさではなく
手が痛くなり、
すぐに減速を強いられるほど
ヒドイものでした。
またその振動の質は、
これまで過ごして来たバイクライフで
味わったこ経験が無いくらいの激しさでした。
その激しい振動が
内圧コントロールバルブNAGの装着で、
嘘のように消え失せました。
逆に考えるとたかだか250cc
シングルエンジンのTrickerの
有る速度域で出ていた過大な振動は、
ブローバイガスによる
ピストンの首振りが
主な原因であったと
推察できます。
一方、R1200Rの場合、
特定回転域で気なるような
振動は出ていません。
それでもNAGを装着したのは、
アクセルのオフによる
自分の想定以上に発生する
エンジンブレーキの抑制と、
アクセルオン時に発生する
過大なトルクを弱めたいのが、
そのおおきな理由です。
R1200RやV7の場合、
振動発生の原因が
例えば
左右ピストンの重量差であったり、
左右気筒の同調が取れていない、
クランクに歪みが発生している等、
単気筒のTrickerのように
ブローバイガスによる
ピストンの首振りが
主な原因では無い可能性があります。
ですので、様々な原因追及……
エンジンの同調を取ったり、
バルブクリアランス等の狂いが無いか等の
基本定期メンテナンスを行って
(もちろん行ってらっしゃると思いますが……)、
それでも同様の振動に
悩まされてしまった場合に、
解決策のひとつとして
内圧コントロールバルブを
考えてみてはいかがでしょうか。
ただし、エンジンブレーキの効きが弱くなり、
アクセルオンじの反応が
緩やかになってしまうので、
アクセルのオンオフに対して
より明確でダイレクトな反応を
エンジンに望むのであれば、
デメリットも存在することになるので、
その辺りを含めて検討されることを
おススメします。
また、私で回答可能なことであれば、
内圧コントロールバルブNAGについては
いくらでも質問していただいて大丈夫なので、
お気軽に連絡してください。
長文、失礼いたいました。
迷走さん、ありがとうございます。
削除振動による手の痺れ等は、あまりブログなどでも出てこない話題ですが、
思ったよりもそういうことがあるようで、少し驚いています。
V7はクラシック時代からクラシックが取れた時期のモデルチェンジでパワーが上がるとともに、エンジンが元気になり、その分振動が角のある硬質なものになったと、雑誌で読んだことがあります。
たしかに、振動にまろやかさがない(それでもおとなしい振動ですが)のは感じます。
V7Ⅱ、V7Ⅲと、どのように変わっていったか、実際に見ていないのでわからないのですが、パカパカパカという振動の角は、少し気になり、できれば角を丸くしたくなるのです。
NAGなどのクランクケース内減圧バルブは、クランクケース内の抵抗をなくし、エンジンをまろやかにするという点では一定の効果が見込めるのではないかと考えています。
迷走さんのトリッカーでの振動の激減をうかがうと、やはり効果大か…という感じがします。
また、R1200R取り付け時の黒への塗装や、取り回しの配慮など、ブログで拝見すると、いかに上質なエンジンと車体にするかに心を砕いているか、そしてそれをしっかりと実現していることに、感嘆の念を禁じえません。
実際にどういう順番で何から手を付けていくか、予算のこともあり、時間のこともあり、なかなかすぐには決まらないと思うのですが、じっくり考えていきたいと考えています。
迷走さん、ありがとうございます。
相談させていただくこともあるかと思います。
厚かましいお願いですが、その時はどうぞよろしくお願いいたします。