5月の風（2023）４十勝・石狩

黄金道路を北上し、広尾の街に入った。

広尾町は、「サンタの町」。サンタクロースの出身地、ノルウェーのオスロ市から正式に認定された、日本で唯一の町である。

広尾の街中でコンビニを探し、セイコーマートでカツ丼を買った。

2023/5/3　11:45

このセイコーマートのカツ丼は「ホットシェフ」と言って、セイコーマートの店内で調理し、台が高温のケースの中で熱々のまま売られている食事で、上段のトレイにカツとじが乗り、下段に暖かいご飯があって、買ってから食べる直前に上段のカツとじをかけて食すシステム。

とにかく旨い。

あまり店の前で座って食べると、見た目がよろしくない。店の敷地の脇の方、できるだけ目立たないところで腰かけさせてもらって、掻き込む。

長距離、長時間のライディングでは、あまり一度に大量に食べて胃に負担をかけたくないのと、血糖値の急上昇を避けたい。

しかし、まあ、腹減ったので、今回はよしとしよう。

精神的なものも、ツーリングではデカい要素であるのだから。

2023/5/3　12:36

広尾から大樹町へ。

そこから歴舟川に沿って道道を遡る。

芽吹きの山々の向こうに、日高山脈の白い頂が見えた。

2023/5/3　13:19

見渡す限りの畑と、向こうに白く輝く日高山脈。
数年前のツーリングでも、全く同じところで止まっていた。

今回、止まってみて気づいた。

十勝平野を北上して、帯広市方面へ向かう。

2023/5/3　14:18

帯広市を南から北に抜け、音更町にやってきた。音更町から鹿追、然別湖方面に向かう道の途中、道道がカーブするそのところから、１ｋｍくらいの白樺並木がある。

20年以上昔からある道で、ずっとこういうフラットなダート。

徐々にガイドブックやサイトで紹介されるようになってきて、訪れる人も増えてきた。

今日は久しぶりに僕も立ち寄る。

若々しかった白樺の樹がだいぶ年をとっていた。

僕だって30代後半だったのが、今や60代だ。

変わったのは風景だけじゃない。

むしろ風景よりも僕の方が、変わり、齢をとったのだろう。

2023/5/3　15:05

十勝平野を走って、狩勝峠へ向かう。

新得町へ向かう道の途中で、日高山脈から東に南北に長く続く雲をみつけた。

おお。

オーストラリアの雲「モーニンググローリー」みたいだ。

午後3時を過ぎ、太陽もかなり西に傾いた。

峠を越えていこう。

2023/5/3　16:02

峠を越え、国号38号線を南富良野町へ走り、金山湖へやってきた。

金山湖は人口のダム湖。

ここはラベンダー畑が広がる公園。

小さな駐車場のそばに、ベンチが二つ、並んでいる。

僕はこのベンチ、「selenさんのベンチ」と呼んでいる。

僕のリスペクトするMOTOGUZZI　SPORT乗りのselenさんのブログ「ただ、空を見上げて道の上」に時々登場する、selenさんお気に入りの場所だ。

僕も、以前から気に入って休憩していた場所ではあるのだが、その「ベンチ」の存在に気をつけてフォーカスしてくれたのが、selenさんだった。

今日はベンチにヘルメットとジャケットを置いて（見えないけど）、一枚。

2023/5/3　17:57

金山湖から占冠へ、そこから国道274へ抜けようと思ったら通行止めだった。
日高に寄ってから国道274、樹海ロードを札幌方面へ走る。

途中で午後5時を回った。

すでに走り出して12時間以上経過して、14時間になろうとしている。

帰りはどうしても疲れてきて、まっすぐ帰ろうとし、そのまま単調に走り続けてしまいがちだ。

その結果、かえって疲労や肩凝り、腰痛などを呼び寄せてしまうことになる。

今日も、肩凝りが久しぶりにつらくなり始めている。

気をつけて、帰宅を焦らず、休憩を入れながら、ゆっくり帰ることにする。

由仁町、川端の手前で道道477へ入る。

この道は好きだ。

入口でちょっと休憩して、写真を撮った。

2023/5/3　18:29

さらに30分。
馬追の丘から下りて、国道の１本南の農道にいる。

夕日が沈もうとしている。

今日の走行距離はここで630kmを越えている。

肩凝りから頭も痛くなってきた。

もう、休憩しても治らないレベルである。

しかし、連続走行するとさらに悪化するので、休憩して体操、血流を促し、悪化を遅らせようとする。

夕方の空気がやさしい。

2023/5/3　18:37

帰宅は午後8時になるだろう。

約16時間のツーリングになってしまった。

それでも、久しぶりに「走った」感じがする。

痛む頭、痛む肩、疲れた目。

とにかく安全運転で、自宅まで、あと一走り。…といっても、休憩はあと3回以上はとることになるだろう。

（実際に4回休んだ）

5月3日。

爽やかな春の日

愛車、ゆきかぜと北海道の5月の風を感じた一日だった。

さあ、家まで、しっかり走ろう。

行こうか、ゆきかぜ。　　（五月の風（2023）　おわり）