2018年7月1日

霧の中を。4

2018/6/24 9:30
視界が10mを切る、かなりの濃霧。
さすがにこのまま走るのは危険。かといって、車道の真ん中で止まっていると、突っ込まれる可能性もある。
道のへりに寄せて、少し霧が薄くなるのを待つ。
この感覚も、なんだか懐かしい。
少し経ったら視界も回復してきたので、前進を始めた。
そして峠を越えて、稜線の向こう側(南側)へ抜けると…



2018/6/24 9:40
一気に霧が晴れた。
若干かかっているがこれはもう問題のないレベル。
峠にはこういうことがある。
この写真ではもうかなり下っている。
峠近辺では、登山客の車がたくさん止まって、これから山に登る人たちでにぎわっていた。
こんな細い道の、こんな霧の奥に、こんなにたくさん車が列をなして止まり、登山者が楽しそうに準備をしている…というのが、なんだか不思議な感じがした。

新見の下りは面白い。
基本的に3速に入ることのない低速コーナーばかりで、殆どがブラインドコーナーだが、注意して下っていくと、かなり楽しめる。

1車線の道を下っていくと、新見温泉(休業中…というよりも営業をやめてしまったそうだ)、を過ぎたところから2車線になり、走りも快適になる。まだ急カーブもヘヤピンもあるのだが、路面がよくて道幅が広いと、こんなに走りやすいのかと思う。
中速コーナーも現れて、さらに快適だ。

走りを楽しんだら、途中から道道66号線へ入る。ここは数年前に工事が済んだところで、道道66号線は、ニセコパノラマラインとこちら側(まだ途中まで)と二つに分かれている。

この新見温泉下からパノラマラインにつながる区間は、中高速快走区間。
基本的に見通しのいい部分が多く、民家もないので、走りは楽しめる区間だ。

道道66をパノラマと合流して少し下ったら、道道207号へ。
「昆布」駅方向へ下っていく。

昆布で国道5号線、そこからすぐに道道32号線。
このルートは、『此先松倉』の緒崎さんのツーリングメインルートだ。

2018/6/24 10:15
道道32を南下、道道914に曲がって、道道702で豊浦へ。海へ抜ける、
これも快走ルートだ。
道道914は702にぶつかるまでその道を行くのがいいのだが、今回は、途中で豊浦方面へ巣少しショートカットする脇道に入り込んでしまった。ああ、もったいない…。次回は走ろう…。

豊浦で国道に合流。
2018/6/24 10:34
すぐに国道230号に入り、トンネル2本で洞爺湖沿いに出た。

2018/6/24 10:35
洞爺湖は湖畔を一周できる。
道道578で洞爺湖の西岸を北上していく。
この狭い道もお気に入りの道だ。

2018/6/24 10:41
樹々の中をV7の鼓動を楽しみながら、ポロポロと走っていく。


2018/6/24 10:41
樹々が切れて、湖面が直接見える区間も結構ある。

道は狭いが、雰囲気がやさしく、楽しめる道だ。
やさしく走りたい。

2018/6/24 10:47
カヌーの人がいた。


2018/6/24 10:49
ちょっと陽が射した。
湖畔の道は、木漏れ日の道に変わる。

2018/6/24 10:51
すぐに陽は薄雲の中に入ってしまった。
鮮やかな濃淡も絵になるが、曇りの日の若葉の、柔らかな緑色も僕は好きだ。
このデジタルカメラの写真では、緑がどうしても派手にというか、ベタっとした色になってしまうのだが、柔らかい風に吹かれる若い葉は、その風に吹かれるながら眺めると、とても美しい。
毛羽立った心を、少し収めてくれるような、そんな緑だった。
……そう、学生の頃、田舎育ちで、都会に住み、大学に通っていた僕は、緑の中に行きたくて、原付のDT50を走らせていたのだった。


洞爺湖を半周したら、カルデラの崖を登るようにして外へ出る。
再び国道230号線と合流する。

2018/6/24 11:18
ずっと雲の中だった羊蹄山が少しずつ姿を見せ始めていた。
さて、今日は素直に、まっすぐ帰ることにする。

国道230を北上、ちょっとだけ寄り道したが、そのまま中山峠へ。

峠で道の駅の反対側の茶屋に寄って、「あげいも」を食べた。

あとは、軽自動車を先頭とする長くて遅い車の列に入って、中山峠をゆっくり、札幌側へくだった。

2018/6/24 12:27
定山渓を過ぎ、小金湯温泉から裏道へ。
八剣山の麓を走る。
雲は、晴れ空の雲に変わっている。
そして、夏の初めの雲だ。

もう少し走れば、札幌の街だ。
人口195万、日本第5位の人口の大都市。
いつの間にか、札幌暮らしも13年目になっている。

また始める明日からの仕事の日々。
まあ、それもいい。
晴れた空の下、家に向かってゆきかぜを走らせながら、
今日の霧の新見峠を思い出していた。

四国の峠を越えた時にもすごい霧に覆われた時があった…。
学生時代に広島の林道で霧の中を走ったこともあったなあ…。
あ、九州の内大臣林道でも農霧のことがあった。

幸いにも、濃霧と言っても事故に遭うこともなく、無事に通過できて、
時間は食われたけれど、いい思い出になっているのだった。

今日の霧も、いつか、思い出す日があるのだろうか…。
そんなことを、少し考えながら、ゆきかぜを走らせた。

(霧の中を。完)

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