2024年9月7日

九月の空(3)



ニセコパノラマラインへ上る。
北海道を代表する山岳ワインディングロードのひとつだ。

時に、轟音を響かせてリッターモンスターの集団が、猛烈に飛ばしてくることがあるが、それは多くの場合、岩内方向から上ってきて神仙沼のパーキングまでだ。
この蘭越側は、比較的平和なことが多い。



風が渡り、空の表情は刻一刻と変わっていく。

雲の抜けた空の高いところがやや黒ずんだ感じにまで見える気がするのは、
相当に高いところまで見えている証拠だ。

空の下にいたい。
道の上にいたい。

そんな思いに、不意に駆られることがある。
それは、いつからだっただろう。
中学生の頃から感じ始めていたような気がする。
高校生になった時には、はっきり感じるようになっていた。
20代、
30代、
40代、
50代、
その思いは、ずっとあった。
そして60代になった今でも、不意に襲ってくる。
しみじみ、じっくり思い、考え、ツーリングの予定を立てるのではない。
ふとした瞬間に、その思いが「襲って」くるのだ。

空の下にいたい。
道の上にいたい。

バイクで走りたい。





空は高く
大地は広く
道はどこまでも続き

思いは、果てしない




帰り際、ゆきかぜの距離計の数字は6万を指していた。
(九月の空 完)

2 件のコメント:

  1. パノラマライン、標高をグングン上げながら走れる快走路。
    景色をゆっくり見たことはないですが、下に広がる緑豊かな大地を見るのも気持ちが良さそうですね。
    大きな故障もなく、無事に6万キロ通過おめでとうございます。
    イタ車は壊れるって、もはや都市伝説?w

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    1. かっちんさん、こんにちは。
      パノラマライン、やっぱり走って見ると走りやすくて景色よくて、気持ちいい道でした。
      イタ車壊れるは、もう過去のものになったと言っていいかもしれません。
      これまで12年間、維持費としては、国産車と変わらないような感覚です。
      もう少し、ゆきかぜと走って行きたいと思います。
      かっちんさん、ありがとうございます。

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