2018年4月30日

輝きの春2(ニセコパノラマライン)

道道604の起点まで走ってきた。
ここから海岸線へ下りて、海沿いを少し走ろうと思っていたが、道道66号線を見ると、「新見方面通行止」の表示だけ。つまり、昆布方面へは行けるのか。ニセコパノラマラインはもう開通しているのか。
ここですでに気温が上がり始めているのと、革製のジーンズ、「クシタニカントリージーンズライド」が思いの外防寒性能が高く、身体が冷えてきていないのをいいことに、急遽、パノラマを上がってみることにしたのだ。
2018/4/29  8:53

山はまだまだ雪が残っていた。道路は完全開通。
すごく混んでいるのではないかと、緊張したが、全然混んでなかった。
見通しのいいところで、一度止めて、写真を撮る。
光は眩しく、風はそんなに冷たくなく。
たぶん、南風が吹いているのだ。
車が殆ど通らないのはなぜだろう。
そして、バイクが一台も来ないのは…。
さて、また、走り出そう。
2018/4/29  8:56
ニセコパノラマラインは、眺望が美しく開け、山の景色から遥かに望む海の景色まで、絶景の愉しめる道だ。
また、2車線路だが、その中では道幅が広く、路面状態もよくて、とても走りやすい。
適度なカーブも多くて、全国のツーリングにおすすめの道の特集などでも、何度も入選している道だ。
北海道の絶景道と言えば、
知床横断道路、天塩から稚内までの果てしない直線路の道道106号線、屈斜路湖の眺望がすばらしい美幌峠、「カムイミンタラ(=神々の遊ぶ庭)」という眺望がうなずける三国峠、そしてこのニセコパノラマラインが上がるほどだ。

紅葉の時期、GW(今日のはずだが、今日は例外か?)を外せばそんなに混み合うこともなく、快適に走れる。おすすめの快走路だと言える。

2018/4/29  8:58
だが、以前のブログでも書いたのだが、
『聖地巡礼ーバイクライディングin北海道ー』「ニセコパノラマライン」
この道は、もしも本気で飛ばすことを考えると、スピードが乗り過ぎて、非常に危険だ。

先の道道604も、節操のない走りをすると、ブラインドコーナーにめちゃくちゃに突っ込んで行ったり、直線でとんでもない速度まで出てしまう可能性もあるが、ここ、パノラマラインは、さらに高速だ。

カーブで回り込んだものが多いのも特徴だが、きちんと定常円旋回できるように設計されている。道のどちら側から進入しても、途中でカーブがきつくなることはめったにないようになっているわけだ。しかし、「思ったよりも長い」カーブはいくつかあり、そこに不用意に突っ込んでしまうと、対向車線にはみ出したり、路外転落してしまう危険性もある。

周囲の状況を見ながら、節度を守って楽しむことが求められる道なのだ。

2018/4/29  8:58
ニセコパノラマラインは、北の岩内側からのアプローチと、南のニセコ側からのアプローチがある。

どちらから走っても、気持ちよく走れる。
北側は、比較的急峻な山の斜面と、そこを縫うように登っていく快走路、北には海が広がり、遥かに積丹半島の山々も続いているという、胸のすく爽快な風景。
南側は、比較的傾斜はなだらかだが、いくつかの回り込んだヘヤピンカーブが連なり、高原から白樺の林、そしてやがて森林の中へと、風景の中を徐々に下っていく感じが味わえる。南から登ってくれば、徐々に気分が盛り上がって、屏風のような稜線の向こう側の青空とそこに向かうたおやかにカーブしていく道が見えてくると、走りの爽快感に胸が高まる、そんな表情だ。
2018/4/29  9:02 だいぶ上まで来て。さっき通った道が見える。
また四季折々で表情を変えるのも、魅力だ。
たぶん、二度と同じ風景に出会うことはない。
雪の残った早春、芽吹きの色、新緑の透き通った薄緑。夏の濃い青と緑。
あっという間に訪れる紅葉の季節…。
2018/4/29  9:03 同所。それにしても交通量がない…。
近くに温泉郷。急増したグルメスポット。
絶景、温泉、上手い飯、上質なスイート…。
ほぼ、満点のツーリングスポットなのだ。

じゃあ、どうして、頻繁に僕は訪れないのか…。
あれ、どうしてだろう?

もしかしたら、絶景というのは、たまに見るからいいのかもしれない。
温泉も、グルメも、あまり興味のない僕は、インスタグラムも、ツイッターもやらないし、フェイスブック、ライン…全部経験なしで。
特に話題性のある場所へ行きたいわけでもなく……。
まあ、もう50代も半ばを過ぎたわけだし。
2018/4/29  9:06

ただ、ときに訪れると、ああ、やはりいいなあと思わせるものを、ニセコは持っているのだった。
雪の壁の中を進む。
これも今だけの光景だ。

2018/4/29  9:09
見晴らしのいい、よく写真にあるスポット。
北側を見下ろしている。
夏と、全然違う風景だ。白い雪の輝きに、わくわくする。


2018/4/29  9:09
同じ場所から、進行方向を見る。
駐車場があり、前方に見えるニセコ連邦「チセヌプリ」への登山口になっている。
車が止まり、スキーを抱えた人や、スノーシューの人など、晴天での春山登山を楽しもうという人たちで賑わっていた。

2018/4/29  9:10
さて、下っていく。
雪壁が高い。



2018/4/29  9:10
標識とカーブミラーが掘り出されていた。
こういうのは、なんか楽しい。


2018/4/29  9:12
道が先で左に大きく回り込んで折り返し、下っていく。道の傾斜はきつくなく、こういう感じで下っていくのが北側だ。

飛ばさなくても、充分に楽しい。

このまま下ろうかと思ったが、五色温泉方面の道も開通していた。
実は昆布から五色温泉までは冬も除雪して開通している。
それ以外の道が、冬季通行止めになっていたのだ。

またちょっと寄り道を。

五色温泉にはやはり多くの車が来ていた。
登山客はもう早い時間に来ていて、行動を開始していたのだ。
ちょうど、道に車のない時間帯に、たまたま僕等は通りかかったらしい。

帰り際、写真を撮った。
2018/4/29  9:23
雪の中でも、凛として、かわいく、力強い。
いいね、ゆきかぜ。(オーナーバカですみません。)

2018/4/29  9:23
同じ場所で、ちょっと前から引いて見る。
天空の回廊のように、道が続いている。

青い空、白い台地。
足元の小さな緑は、ふきのとうだ。

駆け抜ける歓び。

それが確かにあることを、再確認させてくれる道だ。

2018/4/29  9:26
少し別の場所からも一枚。
北側の低山地の向こうには尻別川の広い谷があり、その向こうに霞んでいるが、遠く雪を戴いた山々が見えている。

冬にはない、この陽の輝き。
早春だけの、山の上だけのこの風景。
今日でなければ、会えなかったこの風景に会えたのは、
今日、こうしてここまで走って来たから。

そのこと自体が、とてもうれしい。

さあ、見えている下界の方へ、下りていく。
今日はもう少し、走ろう。
(つづく)

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