2017年11月4日

クシタニ「アウトドライグローブ」使用感(ただし雨の中はなし)


クシタニの「アウトドライグローブ」。
クシタニのレイングローブです。
雨と防寒を兼ねた用途として購入したわけですが、その使用感をお伝えします。

ただ、このグローブを買ってから本格的な雨の中を長時間走っていません。
したがって、防寒グローブとしての性能のインプレッションとなります。ご了承ください。

このグローブについて、また購入した時のことについては、
『クシタニ「アウトドライグローブ」購入』の記事に書いてあります。
こんな写真も載せていました。写真のみ、再掲します。




さて、ここからが本番、使用感です。
内装は、細かい布地の感覚で、ウィンターグローブをはめた時の肌触りに等しい感じです。
革の直接触れている、あのかんじではありません。
布地の感覚といっても、軍手とか、少し薄手の布製の手袋とか、いろいろありますが、
やはり、少しウィンターグローブに似ている感じですね。
外側のグローブ本体(?)の生地の感じが少しごわつく感じで、それが薄い裏地を通じて感じられる…というところでしょうか。
サイズ的には、同じクシタニのⅬサイズの「ステアグローブ」や「ロングカットグローブ」に比べて余裕があります。若干大き目、というか太めに作っているように思います。
内側に薄いインナーグローブをしてからはめても大丈夫な感じですね。


このレイングローブの特徴は、「アウトドライ」という防水方式をとっていることです。
それについても、『クシタニ「アウトドライグローブ」購入』の記事をご覧ください。
簡単に言うと、防水フィルムを記事の一番外側の生地裏側に貼り付け、そこで雨を遮断して、水蒸気を発散してしまう発想で、表層で水分を食い止めるため、雨の中を長時間走ってもグローブが重くなったりしない、というものですね。


この防水性能はまだ試せていません。
晴れや曇りで走ったのみです。
しかし、雨の防水性能は疑う必要はないと思います。裾からの侵入や着脱の際に濡れた手でグローブをはめた後、どう感じるか、とか、雨の中で走り続けて手がふやけないかとか、冷えすぎてかじかまないか、などが、ヘビーな雨の使用時のインプレッション項目になると思います。


アウトドライグローブをはめて走ってみた感想です。
通常の握り方。
僕はグリップを外目から斜めに握り、人差し指、中指の二本はいつもレバーの上に置いています。これは右手ですが、基本左手でもそうです。
このポジションで、手のひら側に少しごわついた感触を感じます。

すっごく高いストレッチ性のあるレインウェアって、記事も薄いですよね。
でもそこまで高くないが防水・透湿の丈夫なレインウェアって、ちょっと記事が厚くて少し固め、ややごわつく感じがありますよね。
あの感じだと思ってください。
実際に手の皮膚に触れている部分は柔らかい少し毛羽立った布地のものなのですが、表の生地の固さが感じられるのです。
でもそれは、がちがちに硬いわけではありません。
例えば、はめて走り始めて15分くらいは、「少しごわつくなあ…」と思いますが、いつの間にか意識しなくなっている…。その程度のものです。

でも、本当にはめ心地のいい柔軟さとプロテクション性、防水透湿性能を兼ね持つグローブを探すなら、やはりゴアテックスの最上モデルで決まりでしょう。
税込みで9,000円を切るこのグローブは、豪雨の中を何日も走ってもいい防水性能が、1万円以下で手に入る、というところに価値のあるグローブだと、いえるのではないでしょうか。



レバーから指を話して、グリップを握ってみました。
指の付け根のところに布のあまりのごわつきを若干感じます。
手のひら側の人工皮革は、滑りにくく、人差し指と中指の先には、スマホ操作用に通電の人工皮革のパッチが貼られています。(僕は「お年寄り携帯」電話なので、関係ありません)このパッチもレバー操作等に悪さをすることは一切ありません。

ごわつくと言っても、この写真の生地の感じ、こんな感じをイメージしていただければ、だいたいイメージ通りだと思います。
つまり、軽微なものです。
また、同じLでも、サイズが若干大きいので、わずかですが、グローブの中で指が動きます。このわずかな揺れ、それによるほんのわずかの操作性の遅れ、そこまでシビアに気にして、そこまで繊細なライディングをする人には、このグローブは、及第点がとれないと思います。

そこまでの人は、雨でもレーシンググローブを着けるか、妥協してもゴアテックスライディンググローブにするかしか、手はないと思われます。

ここら辺は表現が難しいですね。

中綿入りのウィンターグローブよりもダイレクト感はありますが、夏用のライディング専用グローブの、あの優れた感覚を愛している人にとっては、いまひとつ感動を与えてくれない……でしょう。


かといって、走っている最中になにか困ることとか、嫌な感じとか、そういうのは全くないです。
ごわつきはありますが、慣れられる範囲。スイッチ操作も、大きめのサイズではあるものの、操作性に問題は全くなく、手元を見ることなく、ミスなく確実に操作できます。

今、裾をウェアの祖での中に入れていますが、これは外と中とでどう違うかのテスト中でした。
雨が降っていないのなら、グローブの裾を外に出して、ウェアの袖口の上からマジックテープで締めるのがいいようです。

本当に雨の時は、ウェアの袖の上にグローブ、その上からレインウェアの袖を被せるのがいいようですね。
そうしないと、ウェアの袖の水がグローブの中に伝って入ってきてグローブの中をぬらしてしまいます。それでは、防水グローブの意味がない。
ウェア袖ーグローブーレインウェア袖、の3重の重ねで、水の侵入を防ぐのがいいと思います。これはこのグローブでの実験ではありませんが、過去、どのグローブでも、袖の長さが足りて可能なら、これが一番袖、手首、手先を濡らさない方法でした。


レバーを4本で握ってみます。
この質感です。

手の甲のシャーリング、これがかなり効きます。
開いた状態からぎゅっと握っても、手の甲側の布が突っ張ることなく、操作性を悪くしません。
この入れ方はさすがバイクウェア専門メーカー産ですね。

さて、最後に透湿性能です。
このアウトドライグローブ、防水だけでなく透湿性能も持っています。
手の汗の水分蒸気として排出し、余分な蒸れを防ぐ性能です。
たしかに、完全ゴム手袋をはめた時と比べれば、透湿性能は体感できる範囲です。

しかし、気温が15を超えてくると、その中でライディングを続けると手袋の中で手が汗をかいてきます。サマーグローブでもかきますが、とても緊張して、手に汗をかきやすい僕は若干、指先の内装に「濡れ」を感じました。
…といっても、6時間で300km走った時の話ですので、透湿性能が低いとは言えないと思います。

おまけに防寒性能です。
寒い中、何度かこのグローブで走っています。

15℃~10℃程度の時は、防寒性能は完璧に近いです。
寒さ、冷たさを感じませんでした。
10℃を切ってくると、カウルやハンドガードのないV7の場合は、指の甲のあたりに冷たさを感じ始めました。でも、冷え切るほどではなく、走り続けられます。

5℃以下の場合は、「おい。結構冷たいじゃねえか」といいたくなるような感じです。
何時間も走り続けようとは思えません。時々停まって、手を温めたくなります。
しかし、かじかんで感覚がなくなるとか、レバー操作が遅れるとか、そういうところまでは冷えません。気を付ければ、極寒でも使用可能。ただしヘビーな極寒ツーリングでの使用は推奨できない……というところです。


さて、「レイングローブでウィンターグローブの完全代用は可能か。」
ですが、答えは、
「できないことはないが、自分に合ったウィンターグローブを別に持っている方が絶対に運転は楽しい。」ですね。

やはり、雨の中で使うために特化されたグローブでしょう。
どんなに優れたグローブでも、雨でぐしょぐしょに重くなり、手まで濡らして手の熱を奪い続けると、本当に危険です。とっさの時のブレーキが間に合わなくて事故を起こしかねません。
それよりも、中のムレは少しはあっても、雨を通さない完全防水性能の方が、断然雨中のロングツーリングでは安全・快適となります。
中まで濡れた手で寒い雨の中を長時間走るよりも、レイングローブで雨の中を走る方が、もう生命的な違いで安全・快適といえます。

じゃあじゃあ、ウィンターグローブをさらに買い足すのか?
いえいえ、「そうしたい」のはやまやまですが、もう予算がない。……。
現実とはいつも少し寂しいものですね。

4 件のコメント:

  1. 樹生さん、こんばんは。

    毎回のことですが、
    詳細で丁寧なインプレッションと
    わかりやすい記述に脱帽です。

    ライディング用品に関しては、
    ライダーであれば
    誰しも何がしかのコダワリがあると思います。
    私も特にグローブ、
    それも雨天や防寒を考慮した製品に関しては、
    長年、悩み続けて来ました。
    防寒性能や、防水性能が高いと謳っている製品ほど、
    実際にバイクに乗るには操作が
    しにくくなってしまう
    厚い外皮や内装をまとっているからです。
    この二律背反する要素に関して、
    どこで妥協するかを
    自分に問い続けて来ました。
    個人的にはどうしても操作性を優先してしまうため、
    防寒、防水性能を犠牲にせざるを得ないのです。

    ですが歳を重ねるにつれ、
    自分自身の耐寒性能が著しく劣化し、
    ついに究極の対策をとるに至りました。
    ワンダーリッヒ社のハンドルカバーです。
    もう、見た目はどうしようもないのですが、
    背に腹は代えられぬので、
    こうした解決策に至りました。
    ネックだったのはウインターグローブを
    購入可能なほどの価格ですが、
    そこはドイツ製品ゆえ
    過剰な耐久性を期待しているので
    良しとすることにしました。
    これが私の究極の解決策です。



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    1. 迷走さん、コメントありがとうございます。
      とてもうれしいです。

      かじかんでしまっては、安全に走れないので、
      それよりはウィンターグローブを選ぶのが賢明。

      しかし、ハンドルカバーがあれば、相当にいいですね。
      グローブの操作性と、防寒の両立。

      誰もが悩むところかもしれません。

      最近のウィンターグローブは、グリップウォーマーを前提として、
      手のひら側を薄くして操作性を確保し、手の甲側のみに中綿を入れているのも
      多くなっているとか。

      私の前の愛車、GPZ1100は、カウル形状がよくて、
      走っていると、風が手にあまりあたらないのでした。
      なんとか3シーズン用のグローブでシーズン最後まで走れていたのは、
      GPZ1100の旅性能の高さゆえだったのでした。

      V7はネイキッドなので、手は無防備です。
      今シーズンはこのまま終わると思いますが、
      僕の選択肢にあるのは、オフロードバイクのハンドルガードのようなもの。
      シックデザインから「ガイラガントレッド」が出ていますが、
      V7とのデザインマッチングは、悪くはないものの、
      どうもぴんと来ない側面も感じて…。

      それにしても、ハンドルカバーは、マイナス15℃以下でも走っている
      札幌の郵便カブの人たちが付けていて、その下は、郵便物が持てるように
      薄手のグローブだけですから、おそらくはハンドルカバーが最強かと思います。
      迷走さん、究極へ行きましたね。

      さて、どうしたものか、冬の手の防寒。
      V7にあっていて、実用性も高い対策…。
      まだまだ、悩むことを楽しめそうです。

      迷走さん、ありがとうございます。

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  2. レインとウィンターいいとこ取りの性能なんですね。専用に作られたレイングローブは一度も買った事が無いので
    面白いインプレです。基本、雨中走行はしないのですが薄手のグローブカバーでしのいでます。
    カウルのおかげで手には風が当たりませんが5℃以下は厳しいですよね。そこに雨となると更に最悪です。
    電熱グローブは以前から注目していて欲しいアイテムなんですが、使用してる方の話を聞くと暑くて蒸れる
    ようで、殆ど使って無いそうです。またバッテリー駆動式が安定した機能を確保できますが電気食いすぎです。
    で。グローブの中に小さいカイロを入れることも有効ですよ。

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    1. いちさん、こんにちは。
      実は雨用に、ホームセンターで買った作業用のゴム手袋を使ったこともあります。
      これは、使用感が予想に反して「かなりいい」んです。
      安いものですが、これをはめていろんな作業をすることが考えられていますので、
      いいんですよね。
      ただ、もしも転倒したときに、手袋と路面とのグリップがよすぎると、
      手の骨が悲惨以上のことになることもないとは言い切れず、
      これはあまり推奨できないのです。
      僕の場合、わりと雨でも走るので、レイングローブは欲しいものの上位でした。
      防寒用に中にカイロ、なるほどですね。
      グローブの中のどこにどのように入れるか、今度試してみたいと思います。

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