2021年12月8日

美しい。和歌山俊宏氏のライディング。

(写真引用は『バイカーズステーション』№400 2022年1月号P89)

前回記事で触れた和歌山俊宏氏、その最新のライディングフォームがこちら。
『バイカーズステーション』に寄稿したKTM RC-390のインプレッション記事の写真です。


(写真引用は、『バイカーズステーション』№400 2022年1月号 P88)
こちらはサーキットでの走行写真。
こちらはレーシングスーツにレーシングブーツ、グローブと、フル装備。

もう一度、公道用を見てみよう。


クシタニのライディングシューズ。革パンツ、メッシュジャケット、メッシュグローブ。
右側通行なのはヨーロッパでの試乗会だったためか。当地では暑い時期だったかもしれない。

それにしても、美しい。
深くないバンク角。
カントがついた路面。低~中速の回り込んだコーナーを駆け抜けていく。
ブレーキングを終えて旋回に入っている。アクセルはオン。
写真を見ると、和歌山市の体重がほぼ、右足腿の付け根から膝裏あたりまでからシートに荷重されていることが分かる。
しかも、低く落とされた上半身、頭の位置からも、静止状態でバランスした荷重でなく、イン側に体重を落とし込みながら、旋回加速することで釣り合わせていることがうかがえる。
だらだらとした定常円旋回ではなく、さらに半径を絞り込むようなライダーの荷重と、アクセルを開いてのトラクション加速とがバランスして、深くないバンク角ながら、ぐいぐいとイン側へラインを変えていく……強烈に旋回していく、そういうシーンだ。

この旋回は、ライダーがイン側への落とし込むような荷重を止めれば、マシンはすっと起き上がってくるし、アクセルを緩めれば、旋回加速はやむ。
ここからの変化を起こしやすい……何かあった時の対応が素早くできるマージンを大きく取った走行なのだ。

これが、ただバイクを傾けて旋回力を生んだままバイクにしがみついている状態だと、旋回状態からのライン変更は殆どできない。ブレーキを掛けることもできないまま、なすすべもなく何事も起こらないことを祈りながら旋回を続けるしかなくなる。


和歌山俊宏氏のライディングは、いつ見ても本当に美しい。
公道とサーキットの違い、車種ごとの走らせ方の違い、バイクの性能を素直に引き出すための走りなど、その文章とともに学ぶことが多いプロフェッショナルライダーだ。

今回の写真など、安全性と疾走感の両立をどうしたらいいか、という問いに関する、優れた返答にもなっていると思う。

私も、無理することなく、それでもずっと、上達していきたいものだ。

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