2024年8月9日

トライアンフ、ボンネビルT120に試乗した。

 7月22日に、トライアンフ札幌さんで、ボンネビルT120の試乗をさせていただいた。
とても丁寧にご対応くださった。
ボンネビルT120は、V7と同じツインエンジンでも、こんなに違うのか!(と言っても、並列ツインとVツイン、クランク横置きと縦置き、1200㏄と750㏄、チェーンドライブとシャフトドライブと違いだらけではあるのだが)と、驚くことしきりだった。


Youtubeに動画を上げた(33分と長めになってしまったが)ので、興味のある方は、ご覧いただければ幸いである。
しかし今回の試乗は、少しグダグダになってしまって、反省することしきりである。



とても美しい車両で、乗りやすく、おおらかな走行フィーリングだった。

トライアンフのHPから、スペックを引用しておこう。
TRIUMPH Bonneville T120

♦エンジン、トランスミッション
タイプ水冷 SOHC 並列 2 気 筒 8 バ ル ブ 270 ° ク ラ ン ク
排気量1200 cc
ボア97.6 mm
ストローク80 mm
圧縮比10.0:1
最高出力80 PS (59 kW) @ 6,550 rpm
最大トルク105 Nm @ 3500 rpm
システムマルチポイントシーケンシャル電子燃料噴射
エグゾーストシステム
     クロームメッキ2in2エキゾーストシステム、ツインクロームサイレンサー
駆動方式 チェーン
クラッチ 湿式多板式 トルクアシストクラッチ
トランスミッション 6 速

♦シャシー
フレーム チューブラースチール製ツインクレードル
スイングアーム 両持ちタイプ
フロントホイール32ワイヤースポーク、アルミニウムリム18 x 2.75インチ
リアホイール32ワイヤースポーク、アルミニウムリム17 x 4.25 インチ
フロントタイヤ100/90-18
リアタイヤ150/70 R17
フロントサスペンション Ø41mmカートリッジフォーク
リアサスペンション プリロード調整式ツインRSU
フロントブレーキ
Ø310mmツインディスク、Brembo 2ピストンフローティングキャリパー、ABS
リアブレーキ
Ø255mmシングルディスク、Nissin 2ピストンフローティングキャリパー、ABS
インストルメントディスプレイとファンクション
LCDマルチファンクションディスプレイ付き ツインアナログスピードメーター、
   タコメーター

♦寸法、重量
ハンドルを含む横幅 780 mm
全高(ミラーを含まない) 1125 mm
シート高 790 mm
ホイールベース 1450 mm
キャスターアングル 25.5 º
トレール 105.2 mm
車体重量 237 kg
燃料タンク容量 14.5 L
♦サービス
サービス間隔 16,000キロ点検/12ヶ月点検
♦価格
メーカー希望小売価格 メーカー希望小売価格(税込) ¥1,679,000
 

昔、『バイカーズステーション』誌で、川崎のW800とトラのボンネを比較していた記事があり、W800がかなり優秀でよくなっていたという評価だったにも拘わらず、トライアンフのボンネビルに乗ったら、勝負にならないほど、ボンネの方がよかった、というものがあった。

もともと、「ネオクラシック」というジャンルは、1998年にカワサキがW650を作り出して、そこから火がついたものだ。

W650が国内のみならず、ヨーロッパでも大ヒット、それに刺激を受け…というか、元々W650自体、川崎、もっと前のメグロのWシリーズのリバイバルで、そのWシリーズとは、トライアンフの世界最速者ボンネビルを参考に(…というか、半ばコピーして)作られたものだったから、本家本元としては、W650の世界的ヒットは、それは黙っていられない…というものだったのだろう。

トライアンフのすごさというのは、そうしてネオクラシック路線のラインナップをつくったのちは、本家のリバイバルボンネビルも年々改良を重ねてきて、進歩させてきているということだ。

ヨーロッパ車には昔からよくあることだが、特にマイナーチェンジのアナウンスがなくても、いろんな部分の改良を繰り返し、重ねて徐々によくなってくる…というのがある。

気がつけば、バイカーズステーションの言うように、大差といえる差がついてしまった…ということだろう。

ただし、W800は2024年の7月時点で、税込み123万2千円
トライアンフボンネビルT120は、同じく7月時点で税込み167万9千円と、40万円以上の差があるから、それはそうだろう…とも言えるのだろうけれども。

試乗しての感想としては、
疲れない、音がいい、振動が来ない(鼓動は来る)、安定性が高い、ポジションが楽、
というもので、北海道をクルージング主体でツーリングするのであれば、MOTOGUZZI V7よりも向いていると言える。

では、乗り換えたいと思うか…といえば、そういう気にはならない。
すごくいいバイクなのだが。

この例えば、非常に問題があるかもしれないが、
僕が男性として、ある女性と恋人同士で付き合っているとして、
たまたま近くに付き合っている女性よりも、見た目が「美人」で、仕事も優秀、マナーもいい、しかもそれをひけらかさずに控え目な女性が現われたとして、すぐに恋人を別れてその女性と付き合う気になるか?…というと、別にならない…ということと同じ感じだろうか。

人と付き合っているとき、いちいち別の人と恋人を比べたりはしないし、ましてや恋人を選ぶ時に、スペックや人の評価(この場合は、「うらやましがられるか」ということ)で相手を選んだり、決めたりはしない。

では、別れて別のバイクに乗り換えるのはどんな時か…といえば、
その恋人(バイク)との相性が上手く合わなくなって、互いに一緒にいることが、お互いに生き生きとできなくなってしまったこと、そしてそれが今後も改善していかないことが見えてしまった時か、
他の人(バイク)に惚れてしまって、どうしてもその人と付き合いたい(そのバイクに乗りたい)と思った時だろう。

難しい言い方ではあるが、「このバイクになんとなくだけど飽きてきて、乗っても楽しい気持ちになれない…」という場合は、もう別れ時かもしれないし、ある日に一目見たバイクにビビッと来て、そのバイクが欲しくて仕方なくなった…というのが、後者に当たるだろう。

バイクの場合は恋人と違って、これも言い方は悪いが「機械」であって、「道具」である。
つまり、相手の気持ちを考えるあまり、自分の本当の気持ちを押し殺してしまう…ということは、やる必要もないし、それは全然よくないことでもある。

バイクはライダーにとって他者ではあるが、別「人格」を持つものではなく、機会としての存在が在り、その機械との相性とは、つまり自分自身の性分に他ならない。
バイクの好みは自分自身の鏡なのだ。


おっと、また脱線してしまったが、だから、乗り換えたいと思うかどうかは、自分自身の好みや今乗っているバイクとの関係性によるわけだが、
今のところ、「北海道でのツーリングバイクとして、どちらが優れているか」
と訊かれたら、トライアンフボンネビルと答えるが、
「来年もそれに乗って走っていたいバイクは?」と訊かれたら、
やはり僕は「ゆきかぜ」がいいと答える。

それは、今回の試乗でも、揺るがなかった。
(昨秋のNinja1000SXの時も、Z900RSの時もそうだった)

…しかし、試乗できてとてもよかった。

トライアンフ札幌さんに、深く感謝する。

2 件のコメント:

  1. とても共感できました。乗り換えに関する件。本当に書かれている通りなんだよなぁ、、、としみじみ実感した次第です。
    自分もバイクライフ、カーライフもまさにそんな感じでした。
    そして今も、10年付き合ってきたDucati900SSとの別れの時期を迎えております。Ducatiも愛していたのですが、気付けばGUZZIにばかり乗りたい自分がいて・・・。
    でも、樹生さんのように、こうやって新しいバイクに触れるって大事ですね。
    気付きが多そうだな、と感じました。(見習いたいです)
    また、次の投稿を楽しみにしております!

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    1. Spiderさん、共感いただいて、とてもうれしいです。
      バイクの場合、年齢と共に求めるものが変わって来たり、体力や運転技術の変化など、自分にベストマッチなバイクは、時と共に変わっていくものだろうなあ…と思います。
      お褒めいただくと、とても励みになります。ありがとうございます。

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