2013年9月28日

走れない秋

この週末も仕事だ。
ツーリングにでかけられないまま、秋は深まっていく。


我が家の小さな苗だったカツラ。
毎年、少しずつ伸びる。
他の木々より一足先に色づくのは毎年のこと。


庭の小さなハシドイ。
ピンボケ。
ちょっとだけ、色づき始めた。
 


カツラの葉っぱはハート形。
秋の深まりを教える。
 
疲れた体と頭。
明日も仕事が待ってる。
来週はさらに厳しい。
 
ああ、走りたい。 

2013年9月23日

近所の秋(3)秋分の日に。

今日、秋分の日は3連休の最終日。
しかし、僕は例によって仕事である。
朝から今日の仕事の会場へ。
今日は午後3時に終了した。
家に取って返す。

今日は多分完徹仕事になる。
明日の朝までに上げなければならない、別の書類があるのだ。
頭も体も、もう飽和状態だ。

起死回生を狙って、少しだけ走ることにした。
いつものコースを、往復するだけ。
それでもバイクに乗り、バイクで走ることが、僕を再生させてくれる。


里ではもう、稲刈りが進んでいた。
日暮れが近づく頃、風はもう冷たく感じる。


道端に咲いている、ヒメジョオンの仲間か。
可憐に、はかなく、でもしっかり、咲いている。


なんてことはない、道端だが、ここは大好きな場所のひとつ。
ゆきかぜも、日本の秋に少し馴染んだか。
初雪が降るまで、たぶんもうひと月だ。
短い秋を、走りたい。


豊平川の河川敷にも、少しずつ黄色い秋が訪れ始めている。
色づく秋の後は、白い冬がやってくる。
大切な一日一日を、かみしめて暮らしたい。

2013年9月22日

近所の秋(続)

昨日の朝、ちょっとだけ、いつもの道をバイクで散歩。


カツラの木は、葉を落とし始めて。


秋の空は高く。


札幌にもある、日本風歴史建造物。
簾舞通行屋」前にて。

毎日、少しずつ、歩みを止めずに、秋は過ぎていきます。

2013年9月21日

近所の秋

この3連休も仕事です。

今日の仕事は午後から。


朝、近所の栗の木を見に行きました。
青い実が大きく育っていました。向こうに見える赤いのはナナカマドの実。

秋が静かに、進んでいきます。



我が家の庭には、取り残したブルーベリー。
今年は妻がジャムにしてくれました。
市販のものよりおいしくて。

向こうの緑はキタコブシの葉。その向こうボケて赤いのはハマナスの実。
我が家の小さなカツラは色を付け始めています。

さて、仕事に行ってきましょう。

2013年9月15日





今日は雨。

ゆっくり家で仕事。ゆっくりやろう。

深いバンク角


V7の深いバンク角での旋回特性について。

何度か言っているように、日常的な使い方においては、V7のバンク角は十分に深く、ツーリング先で出会う曲がりくねった道でコーナリングを楽しむスポーティーな走りをしても、バンク角不足を感じることはあまりない。




上の写真はモトグッチ社のHPにあったものだが、おそらく低速~中速の、かなり回り込んだコーナーを、公道上では十分に倒しこんで旋回している状況ととっていい。
最初に接地するサイドスタンドの足をかける部分と路面の関係を見ても、まだバンク角には余裕があり、これ以上倒しこむような走りでは、フルバンクの旋回力にすべてを任せてそれ以上のコントロールの効かない、スポーツライディングとしてむしろ危険性が増して面白みが減っていく領域に入っていく。
僕のゆきかぜ号に標準装着されているピレリ、スポーツデーモン(オンロード用バイアススポーツタイヤ)では、これくらいのバンクや荷重では、グリップ感を潤沢に伝えつつ、ブリップ力の余力を感じさせてくれるから、タイヤのグリップ力に不足を感じることは、通常ではあまりない。

先日、サイドスタンドを接地させてしまったときは、下りのヘヤピンカーブを走行中で、Rは10m位の本当に小さなカーブだった。
速度も十分に落とし、リーンアウト気味にくるっと旋回させる、ジムカーナの低速ターンのような回り方をしている最中に接地したのだが、グリップ力にはまだまだ余裕があり、バンク角も自覚症状としてはそんなに深くしている感覚はなかった。(下手だからというのもあるだろう)



上の写真は伊丹氏のライディングで、以前UPしたものだ。
中間的なバンク角だが、フロントサスが沈み、コーナリングの荷重が大きいことが分かる。
見えている右手はブレーキレバーから離れ、アクセルは開いている。交換されたリヤショック(オーリンズ)のせいか、あるいはライダーの体重差か、リヤサスは一枚上の写真に比べれは沈まず、トラクションとアンチスクワット効果によって旋回力を増しているように見える。

やはり、公道上、通常域ではこれくらいのバランスが一番気持ちいいようだ。


この和歌山氏の写真では、バンク角はさらに深まり、ほぼ、フルバンクに近い。美しいリーンウィズ旋回だ。上体の角度が車体の角度に対してわずかに起きている。これもまた中速コーナー。スキーでエッジを効かせて旋回しているような、そんな体の使い方だ。
この写真を見ると、フロントタイヤの向きが車体に対してほんのわずかに右に切れているかのように見える。もちろん左カーブである。フルノーマルの試乗だが、フロントサスはやはり沈んでいる。コーナリング速度はかなり速そうである。
バイクや自転車は旋回中は前輪と後輪の軌跡は同心円を描き、前輪が外側、後輪が内側を描くことが多いのだが、モトクロスやダートトラックのシーンを思い出すとわかるように、後輪がスライドし始めると、この内輪差は逆転し、後輪の方が外側を通ることになる。
上の写真では、本当に舵が右に切れているかどうかは微妙だ。もともと速度の出るコーナリングでは、グリップ走行していても舵角は1度~3度程度と言われていて、Uターンや交差点のようなカーブでないかぎり、前輪が大きく舵を切ることはない。微細に首を振りつつ、バランスして走って行くのが、二輪のコーナリングである。(僕は、コーナリング時にこの「舵角」をコントロールすることを意識の前面に出すことはあまり好まない。舵角は結果としてつくものだと思っているからだ。)
しかし、ほぼ前輪と後輪の軌跡が重なるような状態で走っていることに間違いはなさそうだ。
つまり、おだやかに、少しずつリヤがスライドしながら回り込むようにして旋回しているのだ。

これは、V7で走ると、何となくだか実感できる感覚だ。
幅の狭いバイアスタイヤのスポーツデーモンのグリップ感は、以前乗っていたGPZ1100+メツラーZ6の幅広ラジアルタイヤと比べて、軽い感覚だ。
GPZとメツラーがべたっと路面に張り付き、またはがっちり食いつき、その上で旋回していく感じだったのに対し、V7+スポーツデーモンは、バンクして荷重を掛けていくと、微妙に接地面が動きつつ、グリップしている感じなのだ。
むろん、限界はラジアルの方がはるかに高いのだが、なんとなく接地面が動きつつも「ずるっとは来ない」という安心感を与え、しっかり路面を掻いて曲がっていく。スポ―ツデーモンは、18年ラジアルに乗っていた僕には新鮮だった。

僕の勘違いかもしれないのだが、その感覚の延長線上に、写真の和歌山氏のライディングがある感じがするのだ。
この領域で走らせると、それはまた一段高いエネルギーをやり取りするスポーツライディングとして、とても楽しめるような気がする。

さて、和歌山氏のライディングの美しさは別として、
V7では、フルバンクに近い深いバンク角で旋回した場合、そこからの旋回力やラインのコントロールに右手の効果があまり感じられない気がする。
具体的に言えば、フルバンクで旋回に入ってからアクセルを大きく開けてトラクションを加えても、旋回力が増して内向力を高めることが感じにくく、そのままマシンなりに円弧を描くだけになるような感覚があるのだ。
浅いバンク角から中間的バンク角までは右手のコントロールが容易で、しかも効果が分かりやすく、非常に楽しいのに、フルバンクでは、その効果が薄い。
公道でフルバンクのまま長く旋回する機会など滅多にないし、あったとしても危険回避の意味から何回かに分けて「向き変え」する多角形コーナリングの方が望ましいのはわかる。
しかし、公道上だからこそ、どんな状況でもライダーの意思が反映される余地をいつでもできるだけ残しておきたいのだ。

バイカーズステーション誌ではオザワR&Dの小澤氏のセッティングとして、リヤのプリロード(性格にはリヤショックのボディ上のネジ山の締め込み代)を23mmにする(ノーマルは17mm)ことを推奨しているが、これはリヤを上げてアンチスクワット効果を上げ、フルバンクでの反応性を高めることを狙いとした(もちろん、浅いバンクでも同様)と考えられる。

また、上の写真の伊丹氏はV7カフェでレースにも出場しており、その結果はパワー不足からストレートで抜かれまくって低位低迷。それは別に問題ではない。もともとパワーのないバイクであることは前提としているからだ。しかし、伊丹氏は「曲がらない」ことにも悩んでいる。フルバンクで旋回するサーキットの場合、車体が内側へ来てくれず、ずるずると外側へ流れて行ってしまうらしい。
リヤを上げるセッティング変更は、当然レースに向かってはしているはずだから、サスセッティングだけで深いバンク時の旋回力の不足(ただし、レースレベルでだが)は解消しないのかもしれない。

公道を走る一般ライダーとしては、フルバンクからでも右手の開け閉めや荷重の掛け方でコントロールできる幅の広い方が断然楽しめるし安全なのだが。

これは試してみないとわからない。

次に時間が取れ、ワインディングを思い切り走れる機会がきたときには、プリロードの変更をぜひ試してみようと思う。

2013年9月14日

浅いバンク角

MOTO GUZZI V7special (ゆきかぜ号)を走らせて、気持ちがいいのは、やはりコーナリングだ。

前モデル、V7Classicの時には、コーナリングもよいが、流している時がとにかく心地よい、というのが評価だったようだ。
それが新型のV7stone、V7specialになり、エンジンが元気になった分、流す流す心地よさが薄れてしまったと、これはバイカーズステーションの記事でも、web上のオーナーのブログの記事でも見かけた指摘だ。

確かに、新しいV7はレスポンスがよく、軽い車体(装備で190kg)と相まってトップ5速で2000rpmくらいからでも、少し開けると加速しようとし、加速も減速もしない、ただ流すコントロールをするには、右手に少しの神経を配らなければならず、平和なクルージングを延々することは、苦手ではないにしろ、専門領域からは外れている感じがする。

ちょっとの加速も楽しい。右手で車体をコントロールするのが楽しいV7は、そのコントロールを積極的に楽しもうとする気持ちがないと、あまり楽しめないバイクになるかもしれない。そういう意味では、新しいV7の方が、V7Classicよりもいわゆる「イタ車度」を上げているということになるかもしれないが。


何度も登場するV7クラシックと和歌山和俊氏の走り。
たぶん、V7クラシックと新しいV7とで共通しているのは、コーナリングの愉しみ、それも、浅いバンク角での旋回コントロールの愉しみだと思う。

V7は車体構成からして現在のSSのフロント重視のコーナリングと違うリヤ主体の乗り方が向いている。
そして実際に上の写真のように、リヤ主体で乗った方がとても楽しい。

こういう浅いバンク角でのおだやかなコーナリング、無駄な力を入れないようにし、アクセルを当てながら旋回していくと、前後のタイヤがきれいにバランスして、ほとんど路面のストレスを感じることなく、リヤの接地点を軸としてフロント側がやさしく回り込んできてくれるような、そんな感覚を味わえる。
その回り込み方、内向力の強さは、体重の預け方で強弱が調整でき、それとスロットルワークを合わせると、自分できちんとコントロールして曲がっていく、操作実感の強い、安心したコーナリングができる。

これは信頼感にもつながり、神経を変に疲れさせない。
よって長距離、長時間のライディングでも、予想よりも疲労が少ない。
ただし、これは安楽で鼓動に身を預けるクルージングとは違う、ライディング本来の緊張感は持ったままなので、適切な休憩は必要だ。
タンクを満タンにしたら空になるまで走り続け、それを繰り返す…というライディングをしたら、それは夕方までにかなり疲れてしまうと思う。
しかし適度な緊張と弛緩とのリズムを、走りの合間に入れる短い休憩(1時間走ったら5~10分休憩くらいでいい)で保てば、楽しい気分のまま、一日のツーリングを走りきることができる。

そしてそうしたツーリングの中で現れるカーブを、ただ流すのではなく、浅いバンク角で、遅い速度でも、楽しんでコーナリングして走るのに、このV7はとても長けていると思う。

カーブに対して余裕のある速度で入っていくから、目を三角にすることもない。
倒し込みはどこか特定の場所にえいっと力を入れるのではなく、あくまで自然に、バイクと一緒に内側へ寄りかかるように、しなだれかかるように入っていく。ゆっくりのバンク速度でも、それが自然な弧を描いて、V7が直立から傾いた状態へと動いて行き、傾くのと同時に旋回力を生んでいって、遠心力とふわっと釣り合う感じでバンキングが止まり、旋回に落ちつく。その時にはアクセルがもう開いている。リヤタイヤを蹴り出す感じと、体重を内側へ落としていく感じを同調させて、これもおだやかに加速しながら、カーブを抜けていく。

上手く行けばどこにも突っ張らかった感じのないままに、しなやかにカーブを駆け抜け、加速していく自分達を、カーブの出口で見出すことができる。

軽い車体、ロール方向に軽い縦置きクランクのエンジンは、同じ浅いバンクまで倒すのにも、いろんな倒し方ができ、まして速度が遅いから、力でねじ伏せてもバイクは寝るし、旋回もできる。

しかし、V7の穏やかな浅いバンク角の旋回では、いかに軽やかに、しなやかに、小さな飛行機のように、または水の中の小さな魚のように、すいーっと抵抗なく旋回して行けるかがチャレンジだ。

これが楽しい。
操作の違い、体重の預け方の違いが、走りに現れるからだ。何をしても変わらず曲がるバイクではないから、操作に積極的になる。
かといって、最新のスーパースポーツのような鋭さはない。
直線の低速平和クルージングでは少々敏感気味だったレスポンスが、ちょっとしたカーブでも、それはドンピシャになる。ちょうど良い鋭さ、ちょうどよいだるさ。
右へ、左へ。
次々を現れるカーブを、すいすいといなしながら、平和に、しかし、きびきびと、楽しく駆けていく。
そういうバイクがMOTO GUZZI V7specialだ。

2013年9月13日

ハンドル幅と角度。

ゆきかぜ号のハンドルは、セミアップのパイプハンドル。
遠すぎることもなく、適度な感じなのだが、幅が少し広く、絞りが緩い感じだ。
グリップの一番中心寄りのところで、左右幅は52㎝。(バイカースステーション誌の実測による。)




ちなみに名車、CB400SFの同位置の幅は約45㎝。
CB1100で49㎝ほどらしい。
カワサキのZRX1200DAEGも50㎝を切っている。
やはり少し幅広の設定だ。
絞りの浅い形状は、ハンドルを外側から包み込むように握ると、やや肘を外に張った姿勢になる。
気合の入ったストリートファイターのような感じだ。

僕の腕は、身長に対して少し短いみたいだ。
服を胴体に合わせると袖が少し余ることもある。
ゆきかぜのハンドルも、少しだけ広く感じる。
また、絞りがもう少し欲しい気もする。



だから、GPZ1100の時はハンドルバーを変更していた。
カワサキの250cc車、バリオスⅡの純正ハンドルに換えてからは、ポジションがとてもしっくりくるようになった。

このゆきかぜ号の開いて幅の広いハンドルを、やや絞りの角度をつけて少し幅を狭くすると、僕にピッタリくるような気がするのだが。

ステップ位置と、ハンドルと、どちらから合わせて行こうか。

でも、走るにつれてだんだん今のポジションにも適応してきてはいるから、今シーズンはこのまま行ってみようかと思っている。

もう少し、ハードに走ったり、長時間、長距離を走ったりして、操作性や疲労度について体に聞いてから、それから考えることにしよう。

2013年9月9日

夕方


夕方。

ほんのちょっとの、一走り。

 



残照を浴びた八剣山。

日陰に入ったゆきかぜのタンクも、ほんのり紅に染まる。

 

陽が短くなった。

17時34分。

もう日は沈もうとしている。

大地は、静かに冷えていく。

夏の熱を放射して、秋の坂を下っていく。


佇むゆきかぜ。気温19℃。午後17:39分。

秋の夕方。
ホントは海に沈む夕日を見に行きたかった。
けれど、ほんの束の間のエスケープ。

さあ、帰ろう、ゆきかぜ。

2013年9月8日

オコタンペ湖寄り道。

日曜日。

急遽、午前中、ちょっとだけ走ることにした。



支笏湖へ向かう道を行くと、支笏湖の手前でオコタンペ湖方面へ行く分かれ道がある。
昔はダートで支笏湖の西岸を行き、南側まで抜けられたのだが、今、その道は通行止めでゲートが閉まっている。がけ崩れで通行不可能になったまま、もう何年も復旧していないらしい。

ゲートの手前までの約10kmは、やはり昔、ヘヤピンが連なっていたりして走り屋が集まるスポットだった。昔と言っても昭和62、63年頃、今から25年も前の話だ。
その後、暴走阻止のために路面にかなり多きな凸型盛りがたくさんなされ、レプリカブームも去って、峠は静かさを取り戻していた。

路面の凹凸は今も残っているが、手近なハンドリングテスト用の道としては、まだ使えるのではないか、そう思って出かけたのだった。

ここ数年で数回しか通っていないが、その際は常に交通量が皆無に近かったからだ。

しかし、今日はその道を往復するハードなランニングの大会?が開催されているようだった。
ところどころにランナーが現れる。

ランナーの脇をアクセル全開で抜けるわけにはいかない。

ハンドリングテストはあきらめた。



道の途中から見えるオコタンペ湖。
湖畔まで降りる車道はなく、北海道3大秘湖の一つ。
美しい自然環境が特徴の湖だ。
見る角度によって湖面が北海道の形に見えるという。

今日はこのあたりにも車が何台か駐まり、ハイカーの人たちの姿が多く見られた。
自然志向の現在。オコタンペ湖もまた、静かなブームを迎えているのかもしれない。

今日はハンドリングテストを行うつもりだったので、デイバッグもしょっていないし、タンクバッグも付けていない。
いでたちは、革のパンツに古いレーシングブーツ、プロテクターのついたジャケット、フルフェイスのヘルメット。
カメラもnikon1ではなく、8年前のパナソニックのコンパクトデジカメだ。
色味も少し劣化した気がする(よくトブ)し、ピントが甘い。

僕の老眼みたいだな…、と思う。



一番いい場所は、カメラマンの3脚が立ち、その前にゆきかぜを停めることはできなかった。
ちなみにカメラの持ち主は道の反対側にバンを止め、写真展を開いていた。
ふくろうの写真など、森の生きものの写真。美しい四季のオンネトーの写真などがあった。
雲行きも怪しくなってきたので退散した。

ハンドリングテストができなかったので、さっぽり市街に帰る直前に、別の小さなワインディングに寄り道した。
極低速の短いワインディング。民家もない。
飛ばせないので、安全な速度、うるさくない走行。
しかし、もちろん、短いし、路面もよくなく、テストは限定的なものだ。


がんばらずに走っていたら、左のヘヤピンでどこかが路面に擦った。
まあまあ倒してはいたものの、そこまで倒している感覚がなかったので、少し驚く。
擦っていたのは、サイドスタンドの出し入れに足を掛ける部分の先端だった。
一瞬だったので、擦り傷もこんなものだ。


上から見るとこんな感じ。この突起はステップよりも下にあり、ここが最初に擦ったわけだ。
サイドスタンドなので、取り付けのガタがある分、擦った衝撃がそのままフレームには来にくい。
しかし、可倒式のステップの先につけたバンクセンサーが接地するのとは違って、ずっと擦りっぱなしで走るというわけにもいかない。ここを路面に突き上げられるとタイヤの荷重が逃げて危険な場合があるからだ。

タイヤのブリップにはまだまだ余裕があった。
…と、なると、左コーナーの場合、イン側の足の掛け方を工夫して、最初にブーツ外側のスライダーが接地するように乗った方がいいかもしれない。
もしくは大きく体をオフセットして膝を先に擦ってしまうか。

いや、一番スマートなのは、どこも擦らずに、浅いバンク角ですいっ、すいっと駆けていくことなのだが。
それはわかるが、タイヤにまだまだ余裕がある場合、もうひとねかししてしまいたくなるのは
もちろん安全を確認してだが)ライダーの性(さが)というものだろう。

今日も右側はどこも接地しなかった。

航行距離はあと30kmで3000kmに届く。
今月、どれくらい走れるかわからないが、月末に3300kmを越えてオイル交換になるだろう。

それまでに、少しリヤサスペンションのプリロード調整をしておきたいと思う。

今日はタイヤの空気圧を出発前に自宅で計測。
フロントが2,3、リヤが2,4に減っていたので、前後とも2,6にした。(これはマニュアルでは二人乗り時の設定。)暑い夏から、涼しい秋に移行して、空気圧も少し下がっていた。
また、左右のレバー角度をまた再調整した。左右とも少しレバー位置を上げた。
ほんの微調整だが、指のかかりかたが違って、フィーリングが変わる。
また少しよくなった。

午後から夜はデスクワーク。
束の間の休憩でも、走るのは楽しい。

2013年9月6日

ゆきかぜ写真館1

親馬鹿ならぬ、オーナー馬鹿丸出しの、愛車の写真を載せる、「ゆきかぜ写真館」。
6月23日に撮った写真から。


インジェクションカバーのメッキに、樹が映っていた。
まだ初々しい、ゆきかぜ号。
この頃の、少し固い煌めきは、もう失われてしまった。
でも、少しずつ、僕のV7に、僕のゆきかぜ号になっていく。
いいとか、悪いとかでなく、ともに過ごすということは、そういうこと、なんだろう。
今週末も、雨の予想の北海道。最低気温はところによって10℃を切りはじめ、
秋は急ぎ足で駆け始めている。


「ゆきかぜ写真館1」という名前の記事なのに、写真が1枚だけ。それもたいしたことなく…。
騙された!と思った方もきっと多いと思う。
そこでもう1枚、追加しました。
やっぱりたいしたことない写真ですが、メッキのライトケースにまわりの緑が映っていたという、やはり6月23日の写真です。
期待して訪れた方々、本当に申し訳ありません。
(2013、9.11追記)


もう1枚。洞爺湖とV7ゆきかぜ。7月1日の撮影です。


同じく7月1日。羊蹄山と、ゆきかぜ号。


6月9日 京極町の牧場で。

2013年9月5日

V7のブレーキ性能

我がV7スペシャル、ゆきかぜ号のブレーキシステムは、
フロントがφ320mmステンレスシングルディスク ブレンボ製 異径対向4ピストンキャリパー
リヤがφ260mmステンレスディスク フローティング2ピストンキャリパー
(モトグッチのHPによる。)

今日はブレーキについてレポートする。


フロントブレーキから。
まず、扱いやすく、わかりやすい。実用上、よく効くブレーキだと言っていいと思う。
やわらかいブレーキから、きつめのブレーキまで、握力に比例してブレーキ力が強まる感じで、街中ではとても使いやすい。
いきなりガツンと効くこともないし、力を弱めていったときに、張り付く感じもなく、ブレーキ力を素直に弱めていく感じだ。
パッドがディスクに触った状態から、少しずつ効きはじめて、だんだん効力を高めるまで、握り込む感覚で調整できる。
このわかりやすさは、街中でも、雨でも、またダートを走った時も頼りになった。
普段遣いには十分の効き方だと思う。

反面、3ケタの速度からフルブレーキすると、かなり握力を要求してくる。飛ばし始めると、減速時にもう少しブレーキングパワーが欲しくなる。
絶対力が不足しているのではなく、高速からロック寸前まで追い込むと、その時点で相当に握り込んで力を掛けているので、そこから微妙に力を抜いたり、また入れたりが難しいのだ。
もう少し軽い状態で高速からのブレーキングに対処したいと思ってしまう。

しかし、そうすると、街乗りやダート時の初期のわかりやすさ、扱いやすさは失われるだろう。
そちらを譲らなかったわけだ。

これはこのバイクのライダーを、「そんなに飛ばさない人」と想定していることを示しているだろう。




レバー、マスターシリンダーもブレンボ製。レバーに近さの調整機能はない。
レバーとグリップの間は少し広め。僕にはちょうどいいが女性には少し遠いかもしれない。
さっきも書いたが、握り込んで効いてくるタイプ。効きだしてからもレバーがストロークする。

ブレーキシステムの中には、感覚として、効きだしてから殆どストロークしないように感じるものもある。もちろん、レバーにかける力に比例してブレーキ力は強くなり、こちらのカチッとした固いタッチの方が好みというライダーも多い。

V7はストロークするタイプ。おだやかな、しかし、しっかりと効く、信頼できるブレーキシステムだ。



リヤはピンスライド式の2ピストンキャリパー。
これも使いやすい。減速にも姿勢制御にも、両方使える。
おだやかに効くが、効かない感覚はなく、すぐにロックすることもない。
感覚の鈍い足で操作するので、大雑把になるが、それでも扱いやすくてブレーキ入力をコントロールできるのは秀逸だ。

実用として十分なリヤブレーキ。
前の愛車、カワサキGPZ1100(95)では、あまりリヤを使わなかったが、今後はリヤブレーキの使用率が増えそうだ。




ステップのすぐ下を通る排気管を避けて、ブレーキペダルのロッド(?シャフト?レバー?)は上を通る。
このペダルもストロークのある方で、それが足応えもわかりやすく、やわらかい感触なのだが、
掛けやすい。
一定の足応えは、柔らかい粘土かジェルを押しつぶしていくような感覚で、気持ちよい。
かなり有効な効力を発揮するし、乱暴にしなければロックもしにくい。

街中からワインディングまで、有効に使えそうなブレーキだ。




バイクで出していい速度は、そのライダーのブレーキング技術で決まる、と言うのが僕の持論だ。
少なくとも、その速度から躊躇なくフルブレーキできる速度までしか、ライダーは出してはならないと思う。
直線でアクセルを開ければ、速度は上がっていく。へたくそでも、条件が良ければ、速度の数値を上げることはできる。しかし、それはバイクの機械としての性能。ライダーの速さではない。

同じ路面でも、80km/hと100km/hとでは、ブレーキングの時の挙動は変わる。波打ち、うねり、左右に曲がる道路の上で、全力の減速をできる範囲までしか、スピードは出すべきでないと思う。

V7のフロントフォークがふにゃふにゃだという声がネット上であったらしい。
「クラシック」のことが多いようで、この年式では改善されているのかもしれない。実のところはわからないが、ゆきかぜ号に関して言えば、Fフォークが柔らかすぎるとは思わない。

いきなりブレーキをわしづかみにすれは、ズコンッとフォークは沈むものだ。根本的にバネレートが低すぎるとか、ダンピングが効いてないなら別だが、そういう場合はブレーキングでなくても路上のうねりや段差通過などで底付きしてガツッっと突き上げられるはずだ。
ゆきかぜ号に関して言えば、このV7のFフォークは、ギャップをいなしながらも、しっかり踏ん張ってくれる。
柔らかすぎとは感じたことがない。
このおだやかなブレーキ特性で「フォークがブレーキに負ける」と感じるとしたら、それはブレーキングが雑すぎるからだ。

リヤブレーキとの連動、ライダーのブレーキング時の姿勢、体重の掛け方、正しいブレーキレバー入力などをバランスさせれば、V7のブレーキングは安定していてフィードバックも豊かで、とても楽しい。

不満なのは、高速域からのフル制動だけだ。でも、これはシングルディスクだからしょうがないと思う。
パッドの交換や、もっと奮発するならマスターシリンダーの交換で、だいぶ強力にすることはできると思う。
ただ、ブレーキは、強く効けばいいというものではなく、フィーリングが非常に大事だから、カスタムすることきはバランスを考えて行う必要があるだろう。



確かに、ブレーキにも、コストダウンの影響は感じる。効き目の強さでなく、もっと上質なブレーキを僕でさえ他にも知っている。
ただ、まずはこいつできちんとしたブレーキングを練習したほうがいい。
すくなくとも僕の場合はそうだ。
マイナスG曲線を、自分のイメージ通りに、自在に描けるように、街中の信号でも、峠でも、さりげない左折でも、練習してみるといいんだ。

V7は、教材としてもいいバイクだと思う。
僕にとっては、ね。

2013年9月1日

9月1日雨のち曇り

雨。
今日は日曜日。
9月1日。防災の日。関東大震災の日だ。
仕事は山積みで、昨日も就寝は午前2時。
朝から頭が痛く、体もだるい。

でも、走りたくなった。

ちょうど雨だ。

少しだけ、近場で行ってこよう。


イタリア車に乗る人の中には、雨の日は乗らないという人もいると聞いた。
まず、バイクが汚れる。
路面から跳ね上げる水は、雨水と違って路面のゴミやらタイヤかすやら、いろいろ混じってとても汚い。

それから、「梅雨時がある日本と違って晴れの多い彼の地で作られたバイクは、雨天走行を本気で考えていない」と、誰かが言っていた。それだって、昔のことだし、本当にそうか、単なるデマかはさっぱりわからない。

しかし、イタ車はなんとなく日本製よりも雨に弱い…というイメージがあることも、確かではあった。

実際に走ってみると、今回は特に何も問題はなかった。
お盆に土砂降りの高速道を走った時は、短時間だがシャワーを浴びたようになったのだが、その時もなんともなかった。

雨天時の信頼性は、かなり確保されていると考えてよさそうだ。


雨天でのタイヤグリップ、ハンドリングについてだが、万一すべって転んだらどうしよう…という気持ちが先走って、なかなかちゃんとテストできない。

普通に走る分には何の不安も感じない。いきなりつるっと来そうな感じもない。
しかし、僕が臆病になっているようだ。

これも何回か雨天走行を経験して、徐々にテストしていこう。




雨は、降ったりやんだりした。




今回も樹を訪ねたのだが、また見つからなかった。一番近くまで行く道が立ち入り禁止になっていたのだ。簡単に破れそうな「立ち入り禁止」だが、V7と後ろめたいことはしたくない。
次の機会を楽しみにしよう。、




 
上の写真、駐車場の草の上で撮ったものだ。
北海道のツーリン写真で、時折、牧草ロールの側までバイクを乗りいれたり、牧草地や畑に踏み込んでシャッターを切った写真を見かける。
僕のブログの写真でも誤解を招くかもしれないし、雑誌などのツーリング記事や写真でもそういう雰囲気の写真も多く載っているのだが、絶対に踏み込んではいけない。

牧草地はただの草っ原ではなく、生活のかかった畑である。
人が踏み込むだけで、ただ草が踏まれるというだけでなく、菌の持ち込みで作物が枯れたり、病気になったりする被害も出る。ましてバイクで乗り込んだりしてはいけない。

だから僕は、無粋にもこうした写真の後には必ずこんな注意書きのような文章を書いているのだが、そしてそのことで多少なりとも自己嫌悪にも陥っているのだが、これをお読みの方は、絶対にやめていただきたい。



山から里に下りてくると、雨はやんでいた。
田んぼは稲刈りが近く、穂は重くこうべを垂れていた。



もう秋。
実りが秋が、今年もやってくる。


たんぼの傍に、つゆくさが咲いていた。



クローバーも雨に濡れ。
さあ、帰ろう。


また食事はコンビニになってしまった。
計画性がないからこうなるのだが、食堂を探す手間を惜しむという、ずぼらな性格も難だ。
こんど、イタリア料理を食いに行こう。ゆきかぜで。
いや、らしくないか…。


雨を跳ね上げた泥で、もう全身どろどろのゆきかぜ。
またまた受難なのである。


でも、雨でドロドロになった時に、嫌がって見えるか、たくましく見えるかで、旅の相棒としての資質が分かる気がする。
今日のゆきかぜはたくましく見えた。

今日は帰ってエンジンが冷えてから、洗車した。
きれいな水のシャワーをたっぷり浴びせて、汚れを浮かせて流して、ふき取る。
タンクとサイドカバーと前後フェンダーにはワックスを。
どうもワックスは月1回くらいかけた方がいいらしい。(諸説ある。)
だから、月のはじめを一応の目安としておこう。……なんて、ずぼらが僕がいつまで続くかわからないが。

帰ってくると、頭痛は消えている。
肩凝りは相変わらずだが、200km以上走って悪化しなかったのだからよしとしよう。

気分はだいぶ軽くなった。
やっぱり走らないとね。

予定外の走行で仕事の遅れは取り戻せなかったけれど、明日からまたがんばるさ。

雨でもたくましいV7。
ちょっとずつだけど、相性もよくなりつつあるような気がする。

また走ろうな。