2015年8月14日

夏・海・走(1)

天気予報は、昼から雨だった。
それで走ろうと思った。
ここのところ、仕事のストレスで心身ともにバランスが崩れていたからだ。

いつもの僕なら、ツーリングは早く出る。
でも、今年はうまく行ってない。
前回早く出た富良野・美瑛では腰が痛くて帰ってきてしまった。
その腰痛は、まだ全快してはいない。

なら、走らなければいい、今日は雨だし。

朝は4時に起きたのに、出掛ける決心がつかないままに時間が過ぎて行って、いつもの朝食を摂り、出発したのは7:30だった。

7:29 自宅でタンクバッグを積んで。
昨日は大雨が道東の方で降っていたようだから、今日は北に行こうと思った。
そういえば、ゆきかぜと海沿いを走ったことは、まだ数えるほどしかない。
明日の仕事を考えると、雨の中、体力をそんなに消耗できないし、もし腰痛が襲ってきたらと思うと、そう遠出もできない。

増毛(ましけ)までいくあたりが、限界かな…。
じゃあ、昼にラーメンでも食って、帰って来るか…。

なんだか、いい加減な、だらだらした気持ちのまま、走り出すことになった。

こんな気持ちで走り出すべきではない。
でも、今日は走らなくても、結局無為に過ごした挙句に、夜には心身ともぐったりしているだろう。
この疲労の澱を断ち切るような、そんな走りが必要なのだ。

うまく行くかはわからないけれど…。

8:43 当別町 コンビニ前 
札幌市を北上して海に向かう国道を走り出してすぐにいつもよりも車が多いことに気が付いた。
でも、国道231号線と337号線の交差するところから、海に向かって渋滞している車列の果てしなく続く列をみて、お盆の帰省時、この道は海に向かう車で毎年大渋滞することをやっと思い出した。
天気予報が雨だというのに。こんな時間から混むのか。

石狩河口大橋を渡るのに、6kmくらいの道に30分もかかってしまった。
たまらず、道道81号線に逸れる。

内陸へルートを変更し、当別町まで来て、トイレ休憩にコンビニに寄り、グリコのカフェオレとカロリーメイトという、ある意味では最悪の軽食を摂った。(もちろん、ある意味では最高の軽食である。)

痛み止めを飲んてきたのだが、頭の芯がまだ重く、鈍く痛む。

さて、どうするか…。
美唄方向へ向かうか…。

考えたが、内陸ほど雨の確率が高かったのを思い出し、道道28号を北上して青山から厚田へ、道道11号で抜けることにした。
厚田まで行けば、この時間帯でそこから北にいつも渋滞はない。

乗車前に体操して、今日は1時間以上連続で運転せず、かならず体操をすることに決め、
道道を走り出した。

途中、いつもの美しい青山の田園風景が左右に広がり、少し僕の心がほぐしてくれた。
秋田の農村地帯で生まれ、人口3万くらいの地方市で育った僕は、田んぼの風景にはなにか懐かしいものを感じるようにできているのかもしれない。

厚田山道の峠は、少し飛ばした。

すぐに海に出る。

 厚田には、札幌圏のバイク乗りがよく集まる駐車公園がある。
あいロード夕日の丘」なんて名前が付けられ、売店もあり、海が展望できて、テラスもあって、休憩にはいい場所だ。
それに、ここからの夕日は、本当にきれいだ。

昔から、ここは地元ライダーの立ちより場所だったのだが、僕はいつもは立ち寄らない。
なんか、苦手なのだ。

今日はバイクの姿も見えないので、立ち寄ることにした。
…と思ったら、3台だけ、バイクが離れ離れに停まっていた。

バイクも、年齢も、装備も、みなまちまちな3人。僕を入れて4人。
ロングの途中で立ち寄った人。今日は日帰りで走る人。
それぞれが、自分の旅の途中だ。

9:34 国道231号 厚田から北を望む。
会釈をするが、声はかけない。
朝の時間帯は、みな先を急いでいる。
僕もトイレによって、体操をして、すぐに出発だ。

国道を北上する。

すぐに北側に風景が開ける。
あの岬の先を回って、もっともっと、北へ行くのだ。

急ぎの車が何台か、北へ飛ばして行った。

バイクも何台か、急いで走って行く。

僕は、ここからは、ゆっくりと流す。


10:01 送毛林道 
国道231を北上し、途中で送毛林道へ入る。

今、国道はこおを長い送毛トンネルで越える、このトンネル、昨年(2014年)3月新送毛トンネルが開通し、道幅も広がって安全性も増している。

が、僕は今日、旧道だった送毛林道をいく。

この林道、ほぼ全区間1車線で、舗装されているのだが、途中ダートが残っていてそこは勾配もきつく、ジャリダートで結構オンロードバイクにはきつい。

エンジンガードをつけていないゆきかぜ号は走行中の転倒はできない。特に慎重に走る。

かなりの高さを上ってダート区間も過ぎてから、道と海を見下ろせるところに来た。
今日は海が青い。

この林道の途中に、「千本ナラ」と呼ばれる、ミズナラの巨木がある。
久しぶりに、訪ねてみることにした。
(つづく)

2 件のコメント:

  1. 送毛林道、送毛峠という存在を初めて知りました。浜益温泉が大好きでよく行く場所だったのですが、自分は道道28号往復が多く国道の方はただ走るだけになってしまいまったく気が付きませんでした。次の休みに晴れればぜひ走りに行きたいと思います。

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    1. 国道231号線は、いつも何かしら工事をしていますね。もう何十年も、どこかを工事し続けているような気がします。今回も、トンネル改修工事をしていました。安全性のアップのためだと思います。

      送毛林道は、道幅はせまく、送毛側(南)側は夏草が道へ繁り出していたりして、見通しも悪いですが、舗装区間は快調に走れます。
      ダート区間は、勾配がややきつくて玉砂利が滑りやすく、南から行くと登り、北から来ると下りの区間にあります。数キロの短い区間ですが、スリップダウンしないように神経が疲れます。洗濯板のようにはなっていないので、ゆきかぜ号は問題なく、以前はGPZ1100でも通ったことはあって、一応走行可能ですが、一般的には、ロードバイク向きのダートとは言えないと思います。北側の毘砂別から来て、千本ナラに詣でて引き返す人が多いようで、ファミリーカーはみなそうしているようでした。
      すみません、えらそうに差し出がましい内容ですが、路面状況についてでした。
      参考になれば幸いです。

      巨大な山塊が海まで岩盤の崖となって迫るこのあたりでは、海沿いの道は山を越えていくしかなかった。
      先人の苦労がしのばれる、送毛林道です。

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