2017年6月19日

言問(1)


今朝、目が覚めると5時前だった。
すでに夜は開け、太陽は明るく照らし、すっかり朝になっていた。
今日は3時には出発しようと思っていたが、昨夜、疲労がひどく、敢えて見覚ましをかけず、もしも起きられなかったら、ゆっくり起きて、それから考えよう…としていたのだった。

朝3時からでないと日帰りでは行けないところを行き先で考えていたのだが、それはもう無理だ。
目は覚めたが体が重く、出かけようかどうしようか、しばらく布団の中で考えたが、まずは起きて、朝食を摂ることにした。
今週末は妻がいないので、一人で朝食を作り、珈琲を淹れて、早くも届いている新聞を読みながら、ゆっくり食べた。

身体はやはり重い。鉛のような疲労感がたまっているのは、これはもう、何年もずっと続いている。

ここ数年、ずっ仕事が忙しく、思うように走れない年が続いていた。
50代も半ば、そういう年齢だということだろう。
また、3年前ほどから、体調にも変化が現れ、頚椎ヘルニアを発症するなど、通院が続き、時間が開いても走れない状態も生まれていた。
今年は、仕事の量を減らし、休養も積極的に取るように気をつけた。
過労で倒れて仕事を辞めなくてはならなくなっては元も子もない。

土日のフル出勤はほとんどなくなり、持ち帰り残業は相変わらず多いものの、休める日、休める時間も去年までに比べると増えたのだ。

しかし、同時に秋田の実家で年老いた両親の具合が悪くなり、秋田へとんぼ返りしたり、電話で介護福祉士さんや、ケアマネージャーさんと頻繁に話したりと、これもまた、そういう年齢なのだ。僕の身の回りでも同年代でそういう人は多いから。


今年、自分で驚いているのは走りに対する「渇き」が、枯渇してきている気がすることだ。
どうしても走りたい…、そういう体の芯からの願い、叫びのようなもの、22歳から30年以上ずっと僕の生きる核のようだったものが、疲れに負けて、出てこなくなってきたことだった。

頭では、走りたい走りたいと考えているのだが、体の芯がついてきていない感じだ。
頭と身体が乖離しては、ろくなことにならない。

もしも体の声がちゃんと聞こえたなら、頭よりも優先すべきことだと常々「頭で」考えてはいるのだ。

……、さて、どうしようか。
昨夜のうちに走るに出る準備はできている。
走り出すのに、エネルギーが必要だなんて、本当に僕も、齢をとりつつあるのだろう。

2杯目の珈琲を淹れ、TVで天気予報を見る。全道的に一日晴れだ。
少しでも、走ろう。
身体が重くて、辛くなりそうだったら、すぐに引き返そう。
そう決めて、外へ出た。
6時半前になっていた。


日曜の朝、札幌市街地は、さすがにウィークデイほどではないが、もう目覚めていて、結構な車の流れがある。
市街地を抜け、国道231号線を北上する。
JRの高架をこえるあたりから、北上している場合は左手に、ポプラの並木が現れる。
この並木、北に向かって約4km続くもので、まるで緑の壁のようにも見える。
片道3車線、往復6車線の道の西側に、どーんと緑の壁が続き、札幌に来る車、出ていく車を見送っている。

さすがにこのあたりでは、道は空いている。
もう少しすれば、行楽に出かけるファミリーカーや、日曜関係なしの配送トラックなどで、道は混み混みになるのだが。


ゆきかぜは快調だ。
この2週間、通勤にも使っていなかったので、2週間ぶりのライドとなる。
走り出すと、やはり気持ちよさが体を包む。

今日は最高気温の予想は25℃を越えているが、朝はまだ寒い。
ひんやりした空気の中を、北へ、走り始めていた。
(つづく)

2 件のコメント:

  1. 樹生さんおはようございます。
    一枚目のゆきかぜの写真、朝日を浴びた旅の前の様相が凛々しいなと感じました。
    煌びやかさはそこまでですが威圧感が無く、でも凛とした気品と力強さを感じてステキです。
    GBも若干あざとさはありますが、ホンダの野暮ったさが良い加減にそれを打ち消していて好みです。(笑)

    僕も育児をするようになって心身の疲れを実感しています。
    心が疲れていても身体が疲れていてもバイクに乗る気がしません。
    心の疲れなら乗った方が良いですし身体の疲れなら休んだ方が良いのですが、自分ではどっちの疲れなのかどっちも疲れてるのか分からないのが難しいなと思っています。
    ヘルニアのケアもしなければならなく、心身の健康の維持に時間とお金と労力が必要な歳になってきているなと感じ始めています。

    これではマズいなと思い、妻と職場に相談して時間が作れそうなときは週に一度、半日の休みをもらって自分の時間に充てることにしましたが、この週にたった一度の半休が物凄く心身の休養になっていて、本当に休む大切さを感じています。
    幸い体力はまだ30代なので、思いっきり遊んだりバイクに乗って心が満たされれば、軽いケアで身体は回復するのでそこは救いだなと思っています。

    樹生さんも本当に大変だと思います。
    「自愛」を自分自身にしなければならない環境になって、「ご自愛ください」の意味が分かるようになってきました…(笑)
    どうか御自愛下さい。
    やはり息子には、僕が活き活きとしていて幸せそうな背中を見せたいものだなと思います。

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    1. Shin Osawaさん、こんにちは。
      ゆきかぜ号、前日にワックスをかけたので、朝日に光って
      おおっと自分でも思って写真を取りました。
      なんとなくふつーっぽく見えるのが、気に入ってます。

      育児は大変ですね。
      子どもが生まれて、育つのを見ていくと、同じ年は二度となく、今は二度と来ない時なんだ
      ということをなんか実感したりします。

      休憩も必要ですよね。
      でも、ありのままのダメおやじでいいんだというのを
      子どもの前で教えるのも、また大切みたいですけど(^^;)
      ただまあ、ここぞというときには、絶対頑張らないといけないので、
      親は楽ではないですよね。

      特に子供が小さいうちは体力的にもきつい日が続くと思います。
      どうぞ、お大事にしてくださいね。

      僕は息子も24になり、いわゆる「子育て」は終了です。
      ここからの人生をどう生きていくか、いつでも模索は続きますね。

      お心遣い、ありがとうございます。
      私なりに、頑張っていきたいと思います。

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