幼いころに2回ほど、川と海にでおぼれかけたことがあり、それからどうも水苦手になった。
プールや海に入れないほどではなく、少し泳げるようにはなったが、苦手なのは変わらない。6歳から18歳まで、海のそばで育ち、冬はずっと海鳴りを聞いていたというのに、海を愛する気持ちは、どうも少ないようだ。
小平から道道550号線で少し内陸に入り、中幌峠を越えて留萌川沿い、幌糠に越えるルートをとった。
2017/5/28 11:02 |
このような道は北海道の田舎ではよく見るのだが、昔、本州の田舎を走っていた時には、見たことのない景色だった。
なにもないところに立派な舗装路だけが通っていることに、今でも違和感は感じる。
快走路はあっという間に峠を越え、幌糠についた。
国道233号線は「深川留萌自動車道」ご並走。この道も国道233号線になっている。無料の高速道だ。
僕は下道の方をいく。
2017/5/28 11:11 |
留萌川の支流にチバベリ川というのがある。そこから来ている地名だと思うのだが。
少し行くと、国道は山越えをして深川方面へショートカットしていき、鉄道と一緒に走っていく道は道道549号線になった。
そちらへ。
2017/5/28 11:19 |
2017/5/28 11:21 |
ホームは2本あるが、陸橋はなく、線路を歩いて渡って向かい側のホームへ出る。
僕の幼いころは車を持っている人はだんだん増え始めるころで、それでも隣町へ行くには、バスで駅まで行って国鉄に乗り換えていくことが多かった。
駅が街の玄関口であり、要であった時代だ。
今は変わった。
時は流れる。
僕も50代の半ばなのだ。
再び国道275号線に出た。
雲は西の山塊を覆っていたが、空知平野は晴れているところが多かった。
はっきりした晴れは今日初めて。
車の流れに合わせて、国道をだらだらと南下する。
途中、給油した。
333,9km走って、14.06ℓのハイオクを給油。料金は2010円。
燃費は23.7km/ℓだった。ちょっと悪いのは、ワインディング区間で低いギヤ高回転を多用したからかもしれない。
新十津川を過ぎたら、ちょっと国道を外れて、西側の道へ。
そしたら道の法面に菜の花が咲いていた。
2017/5/28 12:15 |
緑肥として植えられる菜の花が観光資源にもなる。
その一面明るい、黄色い菜の花畑は、本当にふわーっとした明るい気持ちにさせてくれる。
でも、一方、田んぼの畔や法面に咲いている、小さな菜の花の群生も、僕は好きだ。
田植えが終わった田んぼ。
大きくはないが、美しい春の光景だ。
2017/5/28 12:16 |
こんなに晴れていたんだと思う空。ゆきかぜの前方にも、後方にも、厚い雲が山を覆っているのだが、この上だけは、青く晴れ渡っていた。
こんな春らしい風景の中を走ったのは、今年初めてだった。
2017/5/28 12:33 |
こちらの田んぼは田植え前。きっと午後には植えられるのだろう。
2017/5/28 12:33 |
国道に合流する前、対向車線に車が2台、縦列駐車していて、雰囲気がちょっと変だったから減速して接近してみると、覆面パトカーと止められた自家用車だった。
国道の裏道であるこの道は、見通しもいいし直線なので、スピードも出やすくなる。
「張っていた」ということらしい。
国道に合流し、南下するにつれて、雲がどんどん厚くなってきていた。
月形を過ぎ、当別に来た頃には、もう札幌方面は真っ黒な感じだ。
雲の真下を迂回するように、裏道をいろいろ巡りながら札幌に近づいて行ったが、どう見ても市街地そのものがかなりの雨の下にあるようだ。
降るなよ…と念じつつ走ったが、ぼた、ぼたと大粒の雨が落ち始めた。
これはすぐに本降りになる。
諦めて、もう一度雨合羽を着る。
2017/5/28 13:56 |
ちょうど着終わった頃から激しい雨になった。
15分ほど、激しい雨の中を走ったが、そのあと、雨は普通の降りにおさまった。
2017/5/28 13:59 |
でも、この合羽をロングツーリングで使えるかと言われると、ちょっと躊躇するが。
とりあえずの通勤用にはいいのではないかと思う。
雨の日曜日、昼下がり。
車の数はそう多くない。
昔から、雨の中を走ることが好きだった。
雨なのに外で遊ぶなんて、バイクツーリング以外はあんまり思いつかない。
(ほんとは、釣りとか、トレッキングとか、いっぱいあるのだが。)
雨に打たれて走りながら、考えるともなく考えるのが好きだ。
今日も、本当はそのために走ったようなもの。
2017/5/28 13:59 |
そういう一人の時間を持つためだ。
図書館や、喫茶店や、自宅など、停まっている状態では考えがマイナススパイラルに入ることも多い。
歩くのもいいが、風景と近すぎて、「一人」になれない。
自転車かバイクが僕にはちょうどいいようだ。
10代の頃は自転車で。
20代から今まではバイクで。
ずっと変わらない、大切な時間を、僕は走ることで得ている。
それはたぶん、写真には映らないし、文章には載らないものだろうけれど。
今日も、いろいろ考えられた。
いや、考えるというよりは、自分の中の考えや感情やわだかまりが、風で漂白されていくというか、風通しがよくなっていくような感じなのだ。
家まであと少し。
気を引き締めていこう。
僕はツーリングに出かけるとき、休憩のとき、家が近くなってきたとき、
自分に言い聞かせる言葉がある。
「バイクで死なない、バイクで人を殺さない」
でも、それを本当に貫けるかどうかは、最後は「運」だ。
信仰を持たない僕は、特定の宗教の神にも仏にも祈ることができないが、
それでも祈りたい気持ちになることがある。
目まぐるしく変わった天候。
雨に流されたアスファルトの埃。
右車線からRVが盛大に僕に水しぶきを浴びせて追い抜いて行った。
バケツ10杯分くらいの水で殴らたような衝撃で、
左に1mくらい進路がずらされたほどだ。
予測していたので、耐えられたが、場合によっては転倒させられたかもしれない。
家まではもう少し。
慎重に、周囲に気を配り、帰って行こう。
そしてまた、走りに出るのだ、僕は。
(雨曇り晴れ雨」完)
札幌方面から北上するツーリングルート、自分は滝川より北側に行くことがないので大変参考になりました。
返信削除道道の違和感とても興味深かったです。
崩れていた道道604号線を調べた際、聖地巡礼の『快走、フルーツ街道&604号』の記事が検索に入り読みましたが、そちらでも書かれておりましたね。
何もない山の中に立派な舗装路(たまに砂利道も)、道民には当たり前ですが『それは一般的ではない』となるとますます道道を探索したくなりました。
今週末も天気は悪いようで残念です。
次回走りに出るとき、好天になることを祈ります。
緒崎さん、こんにちは。
削除いつもありがとうございます。
本州の田舎道は、江戸時代やそれ以前から人が入り込んでそこで道ができていることが多く、
道の多くは幅が狭くて、道は等高線に沿うかのようなカーブで曲がりくねって走っていることが
多いです。
北海道の道は、現地ではなく地図上で計画が立てられ、その計画に沿って地形を無視して道を
作っていった感じが結構あります。
人の歩いた道がやがて街道になっていくのではなくて、
道路を整備してその奥に開拓の街ができていくような、そんな順番の違いを感じるのです。
でも道道もいろいろですね。
地形に沿った狭い道もありますし、ホントにまっすぐ、絶対現地見ないで計画しただろって
道もありますし、
道路の改修工事も、「開発局」の予算取りで、とにかくどんどん「いい道」にし続け、
道路工事を亡くさないようにし続けているという印象さえ持つこともあります。
(実際のところはもちろんわかりませんが。)
今週末は、仕事や仕事がらみの飲みも入ってしまって、走れません。
来週は晴れてくれるといいのですが。