2018年12月28日

雪道のドライブ

北海道に引っ越してもう20年が過ぎようとしています。
冬の雪道、アイスバーン走行ももう慣れましたが、
慣れれば安心、平気というものではなく、今も冬は緊張します。
また、季節の変わり目などは、雪道での追突、衝突事故が多く発生します。
何年過ごしても、ドライの路面から積雪、アイスバーン路面に変わった時の
感覚のチェンジは、やはり難しいもののようです。
今日は、冬道の車の運転について、つらつらと。



札幌は世界でも稀な、豪雪地帯にある100万越えの大都市です。
寒い都市は結構あるのですが、加えて豪雪となると、殆ど唯一らしいのです。
札幌市の一冬の除雪費用は100億円以上。一晩で一億が除雪に消えていく計算になります。
24時間、休みなく行われる道路の除雪、排雪。
それでも、除雪を上回る速度で雪に振られると、交通がマヒします。

上の写真は、12月14日の朝、札幌市のものですが、突然降った雪に除雪が間に合っていない状況です。
こういう時、タイヤさえスタッドレスに交換してあれば、実はあまり滑らずに、いがいと普通に走行できるので、不思議なものです。

ただし、普通と言ってもそれは冬道モードでの普通。
間隔を切り替えないといけません。
ハンドルは左右に切るととられやすく、わだちにつかまると、ハンドルを切っても進行方向が変わらなかったりします。
速度は夏場の6割くらいでしょうか。車間距離は少なくとも2倍はとりたいものです。
制動距離がまた何倍にも伸びるので、かなり手前から速度を落として、停止直前はゆるゆると微速で停止位置を調整するような感覚が必要です。

一番大変なのが、実は信号からの発進です。
冬道は、降りたてはまだしも、積もって時間がたつと、交差点手前では赤信号で車がブレーキングして止まり、青信号になると発進する…を繰り返し、雪はタイヤによって踏み固められ、磨き込まれていきます。
冬用の靴でも立つことすら難しい「つるつる路面」ができあがるのです。
そうなると、たいていの場合、発進時にはどの車もタイヤを空転させながらかろうじて発進していくことになり、さらに路面は磨き上げられていきます。
完全に平地ならともかく、緩い勾配でも登りでは例えばトラックが停止はできたものの、青信号でアクセルを踏んでもタイヤが空転するばかりで全く発進できなくなる…というのは、毎年、一冬に何回かは見かける光景です。
すると、とのトラックが車線をふさいでしまい、そこから渋滞が始まって、あちこちで停車が起こり、するとその停車から発車するときにまた路面を磨いてしまい…ということになります。

路面には砂を撒いて滑り止めにし、その砂の力でなんとか通行可能にするということも多々あるのです。
札幌の道端には、誰でもすぐに撒けるように「砂袋」の入ったBOXがたくさんあります。
すべりそうになったら、路面に砂を撒く。
そうして車のグリップを確保していきます。

除雪が間に合わないくらい、短時間で雪が降った場合、車道の上の雪は車に踏まれ、加速や減速でかきむしられ、やがてがたがたの凸凹路面になります。
これはダートの洗濯板路面に似ていますね。
猛烈にこの上を通るときは猛烈に揺さぶられることになります。
おまけにわだちからずれるとタイヤがはじかれるようになって、横に飛ぶようにポン、と進路がずれたりすることもあります。対向車線の車と自分とが同時にそれを起こして、方向がそれぞれ道路のセンター方向だと、いきなりガツンと対面衝突してしまうこともあり得ます。
速度を落とし、慎重に走る必要があります。
車高が低い車も注意ですね。
それでもたまにポルシェカレラなんかが走っていたりするのですが。



さらに追い打ちをかけるように、雪が降ってくると、視界が一気に低下。
歩行者も見えにくくなり、危険度はまた増してきます。
これも速度を落として安全確認しながらそろそろ走る以外に選択肢はありません。
大丈夫、周りみながそういうモードになっているので、
自分だけ遅すぎて周りに迷惑では…という心配はほぼ無用。
ここでワイパーが劣悪だとあっという間にフロントガラスに雪の筋がついてしまい、司会はさらに悪化してしまいます。
寒冷地の車はワイパーも夏用、冬用、両方をもっていて、冬にタイヤを履き替えるように、ワイパーも冬用に付け替えます。


夜の雪はライトが雪に乱反射して、さらに視界が効きにくくなります。
それでも、ゆっくり、安全に帰れば、暖まることのできる家が待っています。

冬は、無事に自宅に帰ることの喜びを
いつよりもかみしめることのできる季節です。

今回の雪道ドライブの話は、単に思い付きでのおしゃべりでしたので、
いつかまた、体系立ててお話できればと思います。
…といっても、車のドライブについては、僕はお話しできるような知識や腕は
持ち合わせていないのですが……。

北日本は明日も吹雪のようです。
気をつけていきたいと思います。

2 件のコメント:

  1. 樹生さん、こんばんは。

    こちらのエントリ、
    私のために書いていただいたような記事で、
    本当に感謝しています。

    昨2018年、こちらで初雪が降った日の
    出勤途中の下りS字のコーナーの先で
    畑に転落して横転しているクルマを目撃しました。
    そんなことが無くても
    雪道運転初心者故、
    慎重にならざるを得ないのですが、
    それでもこの記事には本当に助けられました。

    うちの周辺で雪が積もると、
    自信への戒めのためにも
    何度も読みに来ていました。

    本当に困ったのは、
    コチラがどれだけ前のクルマと
    車間を開け気を使っても、
    必ずしも後続車は安全と思われる
    車間を維持してくれないことです。

    ともあれ、本当にわかり易く
    大切な情報を伝えていただいて
    ありがとうございました。

    この春に、この記事を読みに来るのは
    今夜でラストになるといいのですが……。









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    1. 迷走さん、
      こんな記事を何度も読みに来ていただいて、
      ありがとうございます。
      とてもうれしいです。

      具体的にいろんな場面ごとに、生活の上での雪道運転のことを
      書きたいと思っていたのですが、
      この冬は、家族のことでも、仕事のことでも、
      猛烈に忙しく、
      体力も、気力も消耗してしまって、記事がかけませんでした。

      それでも何度も読んでいただいて、
      少しでもお役に立てたなら、光栄です。

      もう、春の本番になってほしいものですね。
      今週末、少しでも走りたいものだと考えています。

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