2016/10/19 9:56 |
キャンプ場への道は、ダートが1km弱あるがこちらは短い。それでも、道幅いっぱいに水たまりがあった。
僕が走ると、どうして毎回こうなるのだろう…。
ゆきかぜ、ごめんね。
また、どろどろになってしまう。
水たまりはあ実は侮れない。下の地面がどうなっているか見えないからで、急に泥が深くなって進めなくなったり、わだちの段差が深く刻まれていたり、大石が隠れていたりする。
そろそろと、みずたまりのへりにできるだけ近いところを、歩くよりもゆっくり走って渡る。
イタリアンレディ、すっかり「汚れ役」も定着しちゃったかな?
国道に戻ると、目の前をアメリカンバイクが走りすぎ、その後ろからトラックも行った。僕らも後ろに続いた。
美笛峠はゆっくり走った。
頂上のトンネル内で工事。片側交互通行で、停止時間は5分~10分とのこと。
ゆきかぜのエンジンを止める。
さすがに走ってきて5分以上のアイドリングは、エンジンの熱が上がりすぎてよくない。
アイドリングストップは、自動車では相当に奨励され、この夏秋田でレンタカーに乗ったら、自動アイドリングストップで、停止して5秒も経つとエンジンが止まっていた。そういえば、3月に青森で借りた車も、信号待ちですぐにアイドリングストップしていた。
確かに、信号待ちで一斉に数10台、場合によっては100台超の車がアイドリングしていたら、その間に燃えるガソリンも、排出されるガスも、馬鹿にならない量になるだろう。
だが、今のところ僕は町中すべての交差点の信号待ちでのアイドリングストップはしていない。
長い赤で最初から停まっている場合にはすることも多いのだが。
しないときというと、まず、エンジンが温まり切っていないときだ。これはまあ、当然だと思う。
もう一つはセルモーターへの負担とバッテリーへの負荷の心配だ。
これは気にしすぎなのかもしれないが。
さらに一つは、何かあったとき、急発進して逃げられないからだ。
こっちの方が気にしすぎかもしれないが…。
2016/10/19 10:08 |
工事のストップは3分くらいだった。
トンネルを超えると、国道276は峠を下っていく、まもなく、「道の駅大滝」と並んで「きのこ王国本店」が左手に現れる。
ここは大きな駐車場もあり、たくさんの車やバイクは休憩に使うところだ。
今日は平日とあってそんなに大きなバイクの団体はいなかったのだが、車はたくさん停まっていた。
以前は道の駅ときのこ王国と、半々か、道の駅の方が停まっている車が多かったのだが、今日はきのこ王国の方がいっぱいで、道の駅の方が空いていた。
僕は今日、ここを通過。
少し先の三階滝に向かう。
国道276と国道453の交差点を左に。453で壮瞥(そうべつ)方向へ。
すぐに道道86号線に折れれば、1kmで三階滝の駐車場だ。
2016/10/19 10:18 |
今日はファミリーカーのほかに観光バスが2台も停まっていた。
聞こえてくるのは、日本語と、外国語も。
北海道は外国人観光客が増えていて、ホテルもとりにくくなってきている。
それは、北海道の経済にはいいことらしい。
レストハウスのそばバイクを停めて、ちょっと休憩だ。
レストハウスから100mくらいで小さな三階滝がある。
2016/10/19 10:23 |
それを橋の上から眺めることができるようになっている。
周囲の山の紅葉が進んでいた。
2016/10/19 10:25 |
岸に出られるところがあった。
岩がごつごつして濡れているところはすべりやすく、土の部分も一部ぬかるみがあるが、
こういうとき、軽登山靴は力を発揮する。
モンベルタイオガブーツワイド。
走りだけに徹するツーリングの時には、レーシングブーツが今でも相棒になるが、普通のツーリング時にはこの靴がちょうどよい。
つま先部分の厚さに、最初はシフトにしにくさを感じたが、次第に慣れた。
しかしこれは、慣れを要求するレベルだ。まったく自然にというわけにはいかないので、
純粋にライディングの質を高めたい人には薦めない。
結構頑丈なブーツで、かなり足を守ってくれるのではないかと想像している。
幸いにもいまのところ、そういう使い方になったことはないが…。
2016/10/19 10:26 |
レストハウスの裏側から対岸を見られる場所があった。
切り立った崖に立つ木々の生命力。それぞれの木のそれぞれの秋の色。
今年の北海道の紅葉は、例年にくらべて「不作」。
色が美しくなく、赤、黄色の鮮やかさがない。
6月ごろに雨が多かったり、9月が暑かったり、台風や低気圧がどんどん来たりと、
紅葉にはあまりいい条件ではなかったらしい。
たしかに、当たり年とそうでない年はある。
工業製品ではないのだから、自然の中ではあたりまえのことなのだが、
安定した反復を当然だと感じてしまう感性が、僕の中でも育っているようだ。
たしかに期待はある。季節ごとに、こうあってほしいという風景。
しかし、自然相手では、そうはいかないことも多い。
いや、本当は人間相手でも、そうなのに、経済社会の中で、消費者として馴致されてしまった僕は
どんな時でも変わらぬサービスを、顧客だという立場だけで、提供者に要求するようになっていないか。
それが、ビジネスというものだとしても、判で押したように同じというのは、本当のサービスとは違うはずなのだ。
規格品。
世界標準。
それが進むのがとても大切な分野・部分と、進むのが好ましくない分野・部分がある。
そういうことを、忙しさの中で忘れて、カリカリ、キリキリして、疲労困憊している、
そんな気がする。
2016/10/19 10:40 |
途中、道道922にチェンジして、快適に流していく。
国道453はいつも結構車が列になってしまっているのだが、今日は空いていた。
やはり平日ということだろうか。
それでも前を走る車に追いつくと、車間を広くとってゆっくり走った。
モトグッツィ V7 Special は、こうした低速走行でも味わい深く、楽しく走れる。
早く走ることをせかさないのだ。
いや、基本的にはイタリアンであって、アクセルを開けることを好むバイクだ。
しかし、低速定速巡行への適応度がとても広い、といった方が正確だろう。
例えば、1980年代までのBMWのバイクは、走っていてもいかにライダーに気を使わせず、バイクでの旅そのものを愉しむことに集中してもらえるかをメインテーマとして開発していたという。
バイクは黒子に徹するわけだ。
対して、同じころのドカティは(今でもそうだと思うが)、バイクで走ること、そのことそのものを愉しむように作られている。
同じ景色のいいワインディングへ出かけても、その風景そのものをバイクで駆け抜ける快感という点では共通していても、風景と、ライディングと、どちらにフォーカスが置かれるかが、明確に違っていたわけだ。
モトグッツィもイタリアンバイク。ここで95年にわたるモトグッツィの歴史を語ることはやめておこう。
第2次大戦前にはグランプリでも活躍し、70年代以降は、矢のように走る超高速巡行性を身に着け、周囲を圧倒するようなオーラを身にまとった。純スポーツバイクであり、その乗り味はスパルタン。
しかし、21世紀に入ると、モトグッツィのラインナップは、裾野を広げていった。
(その前に世界的な流行に乗せて「アメリカン」を出してもいたが。現在の1400カリフォルニアは、クルーザーとしての評価も高く、その中に熱い走りが込められて、唯一無二の個性としてファンを魅了している。)
僕はやはりブレヴァシリーズが大きかったと思う。
シティ・コミューターとしてのブレヴァ750は、そのままV7クラシックの直接の「親」となる。
ブレヴァ750は非常に扱いやすい、エントリーモデルとして定評を得た。
それに、川崎W650が世界に先鞭をつけ、今も定番の分野となった、ネオクラシック路線に「あやかり」、1970年代のV7SPORT風の外皮をまとわせたのが、V7クラシックだ。
そのV7クラシックのマイナーチェンジが僕のゆきかぜ号。V7Specialということになる。
つまり、V7Specialは走りとしては、モトグッツィの伝統的な熱い走りを引き継ぎつつも、直接の先祖はシティコミューター。
低速での走行や市街地走行、ビギナーのライディングももともと計算に入れられた、幅の広い受けの設定なのだ。
2016/10/19 10:59 |
昭和新山と有珠山が見える。
昭和新山は、平らな畑だったところがみるみる山となった。
有珠山の噴火はまだ記憶に新しい。
火山列島、日本。
火山は、さまざまな恩恵を与えてくれるが、厳しい試練も与える。
その火山列島で、人は、歴史に残るよりもずっとずっと前から、生きて生き継いできた。
たくさんの悲しみや、憤り、つらさを経験し、それでも喜び、楽しさを紡いで、生き継いできたのだ。
洞爺湖もまた、巨大なカルデラに水がたまったカルデラ湖だ。
カルデラ噴火の時には、すさまじい被害が起こったことだろう。
今はおだやかな表情を浮かべる洞爺湖。
僕の好きな湖の一つだ。
さあ、洞爺湖を訪ねて行こう。
(つづく)
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