昨日は走り出すも乗り切れない自分を感じて、予定を変更して短い距離・時間で帰宅。
午後睡眠をとったのだが、夕食後、体調が悪化し、激しい嘔吐、下痢に見舞われた。
熱もなく、吐いた後は楽になり、下痢は2時間ほど続いたが、その後は治まった。
朝、起きると、痛みや不快感は消えている。
…と、同時に、少し走りたくなった。
この気持ちが衰え、無くなってしまったのかと昨日は少し危惧していただけに、ややうれしい感じもあって。
午前中だけ、短い時間で走ることにした。
身体とこころの調子を整えるための、リハビリテーション・ラン。
また支笏湖というのも、どうも気分が違ったので、今日は北へ。
当別、青山から厚田に抜けて海沿いを帰ってくるという、札幌近郊のライダーにとっては定番のショートコースにした。
走り出す。
装備は通勤用のジェットヘルメット。クシタニの綿のジャケット(プレセプトジャケット(廃盤)(プロテクター装着)、
カントリージーンズライド、軽登山靴(モンベル、タイオガブーツワイド)、クシタニ、ロングゴートグローブ。
タンクバッグは付けず。クシタニヒップバッグ。
カメラは小さなコンパクトデジカメのみにした。
軽装で、軽く走って帰るつもり。
当別へはR231から道道112に入って、R337で石狩川を渡ってからはすぐに左折して北上、あとは畑の中をいくメインでない道を走り継いで、当別町の若葉公園のそばへ出たら、そのまま農道を北上して当別町市街地をカットした。
水を張った田んぼはみずみずしく、新緑に生えて、畔にはタンポポが咲いていた。
いつもなら、写真のために停まるところなのだが、今日はただ、風の中を流すことに専念。
次第に力みが解けていく。昨日は感じられなかった感覚が今日は還ってきてうれしい。
農道をしばらく行ったところで道道28号線に出る。そのまま北上して、当別ダムを通過していった。
ここで一枚、写真を撮った。(上の写真だ。)
実はその直前、5.6台のバイクのグループが僕を抜いていったのだが、その抜き方が少し面白くなかったので、気を鎮めたかったのだ。
今日は山菜取りの自家用車が結構出ていて、その人たちは結構大胆に路上駐車してフキやら、なにやらの山菜を取っている。
広い道なので、車線のすべてをふさぐわけではないが、ちょうど駐車している車と向こうから来た対向車とのすれ違いが重なると、結構狭い。
ちょうど対向車が向こうに見え、左カーブの前方に山菜取りの車がいたので、減速気味にしたところに、数台が追い越しをかけてきたのだが、反対車線にはみ出すし、ウィンカーは出さないしで、特に危険な走行はしていないのだが、僕の気分としてはあんまり感じがよくなかったのだ。なんというか、追い抜く相手のリズムを崩すような抜き方を数台でしていったのだ。いや、客観的にはそんなにひどい抜き方ではなかったと思うのだが。
これは微妙な部分なのだが、僕は追い抜きの時はできる限り相手のリズムを崩さないように気を付けているので、ちょっとおやっと思ったというわけだ。
一瞬、血が熱くなりかけたのだが、やめた。
逆に停まって、一枚写真を撮り、気持ちをリセットしてすぐに再出発した。
すこし北上すると、道道11号線と28号線の分岐のすぐそばに道民の森の案内所があり、トイレがある。そこに立ち寄った。
そこに先ほどのバイクグループがいて、談笑していた。
離れたところに止め、一人トイレだけ済ませて、すぐに出発した。
たぶん、周囲から見たら、僕の方が感じ悪かったと思う。
「感じ」なんてものは、いつだって相対的なものだ。
自分の感じだからって絶対視してはならないことも多い。
道道11号線の海へと向かう峠道に入る。
山菜取りと思しき何台かの車の後に入り、僕の後ろからは、向こうから対向してきたバイクが2台、左折して入ってきた。
白点線の2車線上り坂。見通しのいいところで、前方の車を挨拶して抜かせてもらう。
そのまま後ろの2台を前に行かせようと思ったのだが(この峠は、ここを飛ばすのを楽しみに通う人も多いのだ。)、前方に車の影がなく、視界が開けた。
「ちょっと速めにしてみるか。」
よくない心が顔を出す。
今日は軽装。無理は禁物。でもミラーに映る機影は、おそらく「ハヤブサ」が2台。
少しだけ先行して、適当なところで抜いてもらおう。
久しぶりに、ゆきかぜに鞭を入れる。
グラインドカーブの向こうに山菜取りの車が停めているかもしれず、山菜を抱えたご老人が左右を見ずに道路を横断中かもしれない。
気を付けて、見通しを確認して。安全な範囲で。
言い聞かせながら。
パワーバンドに入れて、フルトラクションをかけてみる。
ゆきかぜは安定している。
中間的なバンク角での全開をかけても、飛び出してしまうほどパワーがあるわけではなく、しかし、ダレずにトラクション旋回をぐいぐい続けていくだけの内向力は発揮してくれる。
前後タイヤ、
F:メッツラーレーザーテック
R:メッツラースポルテッククラシックは
やはり、こうした状況でもグリップ力に余裕がある。
一部路面が荒れていて、大きめのギャップがあるところもあるのだが、そこでも破たんしない。
フレームも、速度が乗りすぎると振れ出すのだが、今日はそこまで速度が達していないこともあり、しなりも揺れもすぐに収束する。
いや、以前よりも揺れの収束が早くなったような気がするのは、もしかしたらポジション変更によって、フロントをこじらなくなり、適切に体重をバイクに掛けられているのが効いているのかもしれない。
今日は完全リーンウィズで、それ以上の旋回速度は出さずに。
前方に車がいた。
手前から速度を落とし、車間も取って、前方にプレッシャーをかけないようにする。
カーブの連続区間で見えなくなっていた後ろのバイク2台がその間に追いついてくる。
僕と車の間に入り込んでさらに抜いていくかと思ったが、僕の後ろで速度を落とし、
低速での巡行に入った。
無茶はしない。マナーもいい。クレバーな二人と思った。
近づいてみると、やはりハヤブサだ。色違いの2台が一緒に走っている。
前方が開けたところ、対向車がいないのを確認して、車を挨拶して抜かせてもらう。
後ろの2台も続いた。
2台は僕を抜きに来る気配はない。
僕も、無理に引き離す気もないが、でも相手を待ってランデデブ―する気分でもなかった。
峠を下るまで、速めに走った。
結果的に、ハヤブサはミラーから消えていた。
僕のペースに惑わされず、最初からのペースを保ったのだろう。
モトグッチのV7シリーズは、やはり、あまり遅くはない。
もしも法規が許すなら、長い直線のない峠道で、旋回速度の上限が140kmくらいまでのところなら、ほぼリッターSSと遜色なく走れる能力はあるだろう。
つまり、今日の峠よりももう少し小さな峠ということになるが。
切り返しが続き、旋回半径が小さかったり、途中で変わったりする場合、そして路面にうねりやギャップがある場合、そんな状況でV7は自由度が高い。修正が比較的しやすいのだ。(ただし同じような速度でも、マシンの限界近くで走っているときには、むしろ修正は効きにくい。マージンがある場合ということになる。)
乗り手次第だが、このマシンの潜在能力は相当に高いのだ。
もちろん、法規上それはできないことだし、法規的に許されるとしても、
現実問題として、どこまでがマージンをしっかりとれた安全なペースかということは、
天候、路面状況、混雑状況などによって刻々と変わる。
それを無視して、何キロで走ったとか言っても、ナンセンスである。
久しぶりに、速めに走ったなあ…
と思いながら、峠を下りきって民家がでてくるところから、
自家用車を抜かないモードに戻す。
50km制限、40km制限。車の後から車間を取って流した。
しばらくすると、後ろから、ハヤブサ2台が追いつき、やがて僕を抜いていった。
そして、前方の車も抜いて、前方へ消えていった。
僕はまた、ゆっくり流す。車から100mくらいの車間を取って。
海へ出た。
いつもは寄らないのだが、厚田の公園に寄ってみた。
バイクがたくさん来ていた。
僕が入ったとき、初代CB750Fourの人が、ちょうど出ていくところだった。
とても美しいCBだった。ソロで来た人だったみたいだ。
とてもかっこいいライダーさんだった。
駐車場はいっぱいだ。
楽し気なグループ。
爆音を轟かせるカスタムマシン。
アメリカンクルーザー、2stレプリカマシン。70年代、80年代のカワサキ。
いろんなバイクの見本市みたいだった。
喉を潤すため、缶珈琲を一本買って飲んだ。
「まずい。」
昔は好きだったのに。体質が変わったのか(齢だ)、まずく感じる。
珈琲1本分、駐車場を眺める。
そろいのカットオフのGジャン、背中にはチームのエンブレム。
東本昌平氏の漫画『キリン』の中から出てきたような、チームの人たちが何チームか。
楽しそうに、談笑している。
一人で来て、黙って海を見ている人がいる。
騒がしいここが苦手なのか、駐車場から100mくらい離れた場所に一人、バイクを停めている人も。
そうしている間にも、いくつかのグループが出発し、いくつかのグループが駐車場に入ってきた。
排気音がとても大きく響く。
缶珈琲も飲んだ。
僕も出発しよう。
帰り始めると、給油の警告ランプが点灯している。
そうだ。昨日も走って、給油していなかったのだから。
札幌までは十分持つはず。
国道を素直に、ゆっくり走って帰った。
たくさんのバイクとすれ違った。みんな楽しそうだった。
たくさんのピースサインの交換をした。
家の近くのガソリンスタンドで給油。
374.4km走って、15.15ℓ入った。
燃費は24.7km/ℓだった。
わりとフルトラクションに近いものをかけたのに、タイヤのアブレ―ジョンのチェックを忘れていた。
自宅についてから写真を撮った。
左右とも、バンク角としてはまだ余裕がある状態だが、もう少しでエッジが接地するところまで来ている。
空気圧は今朝計測で前後とも2.5k。
タイヤ表面は、峠を下った後も40kmくらい走ったこともあるが、さらっとしていて、
やや熱が入った跡があるが、べとついてはいない。
フルトラクションとは言っても、このタイヤでフルブレーキングをまだしていないのだ。
V7の場合、加速のトラクションよりもフルブレーキングのマイナストラクションの方がキきっと強いから、その時、フロントタイヤがどんな兆候を示すのか、今度はそれを探ってみたい。
ただ、これは一足飛びにはできないので、徐々にリハビリをしながら試していくことになると思う。
自宅に着いたら、まだ11時半だった。
それでも、だいぶリハビリにはなったような感じだった。
夕方から夜にかけて、会議に出た。
夕べの嘔吐下痢から考えると、だいぶ体調が回復している。
無理しないように、明日からの仕事に備えよう、と思う。
毎度、きめ細かいレビュ感服いたしますm(_ _)m
返信削除sportec klassikの冷間時のグリップ感は如何でしょうか?
ラウンド形状でサイドの剛性が高そうなのを見ると、
熱が少し入っていても急にズルッといってしまいそうな感じがするのです;
夏であればBT-45よりも食い付きが良さそうなのですが、
冬はきつそうに見えるのです。(心配性なだけかもしれません;)
ReNiさん、こんにちは。
削除冷間時のグリップ、メッツラーのツーリングモデルらしく、体感的にはかなり「いい」です。
ウェットも走りましたが、こわくありません。
溝の多いタイヤのようにブロックが微細に動きながらグリップしている感じは殆どないですが、
「グリップしている感」のインフォメーションはちゃんとあります。
溝の本数が少ない分、溝が太くて深い。剛性確保できているからならではの溝のデザインだと思います。
タイヤがブレークし始めるところまでテストしていませんので、いきなり来るかどうかはわかりませんが、「私」にとってとしては、グリップ感、絶対グリップ力ともに、普段使いには十分(なんの不足もなく)ある、と感じました。
もちろん、ドライと同じ感覚で走れるなんてことはありませんが、
寒いときでも、濡れた路面でも、ちゃんとグリップしてますよという感じが伝わってきました。
走った後にタイヤを振れた時に感じるの発熱量は、そんなに多くない。つまり熱くなりにくいタイヤだと思うのですが、その分、その冷えた状態をもメインターゲットにちゃんと加えている感じがします。
ただ、私は現行のBT45を履いたことはないですし、比較してのもの言いではありません。
また、バンクとの相性もあるでしょうから、あくまで私のV7Specialとの相性だということになるかと思います。
早めのタイミングで限界付近のインプレッションをお届けできればと思うのですが、
腕との関係もあり…^^;、無理しないでおきたいと思います。
こんにちは^^
返信削除健康であることで、見える風景も、感じる空気も、楽しさも変わって、
樹生さんが新緑の中を走り出せてよかった^^
モ-タ-サイクルで走れる事は、
体調や、理解してくれる家族や、そんな環境があってこその存分の世界かもですね。
ずっと走って行きたいから、あらゆる不測の事態を想像して、
回避できる安全マ-ジンを充分にとるのが当然。
クロ-ズドを走っているわけではないですものね。
青山は私もよく行きます。
自分の呼吸(空気を吸ったり、吐いたり)のリズムの中で走ると、
やはり気持ち良い道です。
樹生さんと同じく、気になる違和感と遭遇することもありますが、
前日の14Rの方の背中と、グル-プの背中・・・
走り去る背中がすべてを語るかもですね。
って、私はまだまだです(チョ-汗(^^;
ちなみに・・・
厚田の夕日の丘には、一度も行ったことがないのです(^^;
ちょっと威圧感があって入り込む勇気がありません(^^;
selenさん、こんにちは。
削除ありがとうございます。
短い距離、時間でしたが、気持ちよく走れて、ほっとしています。
いや、本当に家族の理解あっての趣味だと思います。
それも大体安全とはいえ、万が一がないとは決して言えない趣味です。
私も単独自爆事故経験者ですし、気を付けていきたいと思っています。
「夕日の丘」のパーキングに入ったのは、たぶん5年ぶりくらいかと思います。
私も普段は、なんか「メンドウクサク」て、敬遠してしまうのですが、
なぜが昨日は、行ってみようという気になりました。
ライダーの背中って、本当に雄弁だと思います。
美しい背中、あこがれるのですが、なかなか、道は厳しいです。
あっという間に、寒い季節から暑い季節へと、時は流れていきますね。