2017年6月25日

言問(3) 

朱鞠内湖から国道275を少し飛ばした。
そのまま美深まで。美深について、給油する。
前回給油から329km、今日の走行は242km。燃費は24.3km/ℓ。
ゆきかぜの今までの燃費としては標準的。
昼飯を食べようとまた北上した。
2017/6/18/11:37
がらがらに空いている国道40号。着いたのは音威子府の駅。

道の駅があるのだが、ツーリングマップル2007年版には「駅舎内の立ち食いそば屋『常盤軒』黒くてコシのある音威子府そばが美味」とある。
寄ってみた。
ご夫婦でやっている普通の立ち食いそば。確かに麵が黒い。月見そばをいただいた。
確かに旨い。僕はグルメではないし、味の良しあしもわからないが、とても素直で美味しい味に感じた。

駅舎内は昔の鉄道の博物館にもなっていて、展示を読むのが楽しかった。
そう、昔は「天北線」もあったなあ…。


交通のメインが鉄道から自動車へ、変わってしまった。大量に運ばないのなら、道路が完備されたら自動車の方が便利だ。人も、荷物も。
ヨーロッパではまた環境意識の高まりと、自転車のまま車両に乗り入れられる鉄道など、さまざまな試みの元、鉄道需要がきちんと復活してきていると聞くが。
日本、特に北海道では、コストの問題、インフラの問題から見ても、自動車輸送にかなりやられている感じだ。
2017/6/18/11:48
音威子府駅は交通ターミナルとなって、バスも出るし、賑やかな感じになっていた。
蕎麦屋も本当に人気らしく、たくさんの人が訪れていた。
2017/6/18/11:48
さっき、朱鞠内湖あたりで少し飛ばしたので、いまさらながらタイヤをチェックしてみる。ブラインドも多く、高速コーナーが多かったものの、ツーリング中ということもあり、ハードブレーキングはあまりしていないし、完全にブレーキングを終えてからコーナーに入っているので、フロントの表情はおだやかなものだ。

2017/6/18/11:48
対してリヤは少し熱が入っている。
今日は体調も思わしくなく、バンク角を深くしないように戒め、無理なく入ってトラクション旋回と視界が開けてからの脱出を愉しむようにしてみたのだが、中間バンク角あたりが結構きている感じだ。
5000rpmから全開と言っても、1万rpm以上回るマルチエンジンからすれば、やっと中速域に入った感じなのだが、V7ゆきかぜの回転リミッターは7000rpmで作動する。最大トルクは2800rpmで発生なのだから、ゆきかぜには、高回転域に入っている。
そこからの全開はかなり気持ちがいい。ゆきかぜの細いバイアスタイヤ、リヤ荷重の大き目な車体は、開けて曲がるときに体重の預け方と開け方の同調と工夫で、バンク角を深めないままに内向力を上げていくことが可能なので、それがとても楽しい。
もちろん、安全に注意を払い、絶対に無理はしない範囲でするのだが、それでもその中に心おどる楽しさが満ち満ちているのは、やっぱりイタリアンバイク、ということになるのだろうか。
ラテン的だなあ…とも思うのだ。

さて、ゆっくりそばを食べていたら音威子府でもう12時近くなってしまった。
もう引き返さないと、帰りが夜になってしまうし、疲れも深刻化するかもしれない。
今朝、頭をよぎった行き先は、ここからさらに90km北にある。

どうしようか。
ちょっと迷った。明日からの仕事は絶対に穴があけられない。
そのためにも無理はできない。
昼飯も食ったし、引き返すか…。

地図をにらみながら、少し考えた。
2017/6/18/11:57
もう勢いで行けるほど、体力はなくなっている。
そして失敗が許される年齢でもなくなっている。

考えた結果、今日は「行く」ことにした。
2017/6/18/11:57
天塩川に沿って、ゆきかぜを走らせる。
ほとんど車のいない、快走路になっている。

2017/6/18/12:00
音威子府から国道40号を天塩川沿いに西へ。
佐久から川は90°折れて北上する。
国道もそれに沿い。
中川町の中心部は意外なほどにきれいな街並み。
この町は、少子化の進む全国の中に、人口減少はあるものの、子どもの比率が下がっていないという、元気な町なのだ。
こんな北の田舎に、そんな町がある。

雄信内からは道道256号線に入った。
写真を撮ることもなく、北へ。淡々と距離を稼いでいく。
幌延から道道121でトナカイ牧場の脇を抜け(寄らなかった)、
豊富温泉から道道84号にチェンジし、国道40号に戻ってバイパスでない方を宗谷本線に沿って北上する。
すでに時計は12時を過ぎ、12時半を過ぎ、13時になろうとしている。
2017/6/18/12:47
海が近くなるにつれて雲が広がり、気温が下がってきた。
道道1118号線に入る。
牧草地の中を走る。
しかし、時折湿原も広がる。
兜沼について、道道763号線に。
ひたすら走る。

走って走って、

ヘルメットやウェア、バイクは虫だらけになって、

それでも止まらず、走って走って、

やっとついた。


今日は、このイチイに樹に会うために、走ってきたのだ。
(つづく)

2 件のコメント:

  1. 音威子府の蕎麦、あれは韃靼蕎麦でしょうね~。小さな駅なんですが好きですネ。

    天塩川に沿って北上するこの辺りから風景が変わり道北に来た感じになります。

    体調の状態が思わしくなかったようですが遥か遠くまで行きましたね!途中で引き返すには、あまりに魅力溢れる所なんで欲がでましたね~(笑)
    バンクを深くしていると、咄嗟の対応が遅れるので意識して変えてるのは流石です。ベテランライダーの証ですね~!バイクを起こしていないとブレーキも効きません。

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    1. いちさん、こんにちは。
      音威子府村、中川町など、何か惹かれるところのある街でした。
      途中で会ったXJR1200のライダーさんのように、落ち着いてかつメリハリの効いた
      ライディングができればいいのですが、
      時々飛ばしてしまう…、まだまだ煩悩が大量に残っているようです。
      だからこそ、もう事故できない立場と年齢の自分は、
      安全マージンを大きくとらなければならないと思っています。
      でも、それを完全に意識し、客観的につかめているかと言えば、わからなくて、
      もしかしたら全然だめで運がいいだけかもしれませんし、
      マージンを取りすぎているのに、かなり限界に近いと勝手に思っているだけかもしれません。
      ライダーとしての主観はライディング感覚の命。
      同時に状況の客観的把握は本当の意味での生命線。
      難しいです。
      そんなことも楽しみながら走っていきたいと思います。

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