2018年5月12日

ソメイヨシノの咲く墓苑

桜前線は今、北海道を北上(東上)中。
例年より早めだった今年の桜。
札幌近辺はもう、ほぼ終わっている。
今日は、道南以外では珍しい、染井吉野(ソメイヨシノ)の咲く墓苑に妻と出かけた。




札幌市を車で抜け出し、北へ。
石狩市、望来から海沿いの丘を行く道へ。
selenさんの好きな駐車場へ。
僕も一人で時に寄るのだが、妻と立ち寄ったのは初めてだった。
南の方角、石狩の湾と、その向こうに頂に白く雪をかぶった山々が、霞んで見えている。
春だ。

西の方角。なだらかに少し下る畑と、樹の姿。その向こうは海岸段丘崖だ。
海がおだやかで、青く、美しい。

しばらく二人で風に吹かれて、少し話をしながら。

さて、再出発して訪れたのは、
「戸田記念墓地公園」
仏教の広大な墓地が、公園としても整備されているところだ。
そこにソメイヨシノが植えられている。

本州生まれで本州育ち、20年前に北海道に渡ってくるまでは、妻にとって桜とは、ソメイヨシノだった。

そのソメイヨシノ。
北海道の寒さには耐えることが難しく、この辺りが北限に近い。


それが、この墓地公園に植えられ、整備されて、公開もされているのだ。

妻と二人、駐車場に車を停めて、1時間ほど、散歩しながら、桜を眺めた。


墓地公園の中を巡る道に、桜の並木が続く。
よく管理された、ソメイヨシノの並木。
懐かしく、美しい。


本当の桜好きは、ソメイヨシノを嫌うという話を聞いたことがある。
日本中のソメイヨシノは、江戸時代の園芸店で生まれた一本の桜の、
クローンだからだ。
挿し木で育てられたクローンで、ソメイヨシノ同士で交配させても、
ソメイヨシノにはならないという。
桜と言えばソメイヨシノ…というワンパターンな俗なイメージを嫌うのだという。

でも、妻にとっては、
小さな頃から近所で見てきた桜も、公園で見た桜も、
多くがソメイヨシノだった。
秋田で生まれ育った僕もそうだ。

幼いころの記憶、思い出の中の桜の樹を、
後から得た知識だけで、否定することはできない。
それが挿し木で育てられた樹だとしても、
必死で生き、咲いていた花に違いはあるまい。


妻にとって
桜は
どんな名前がついていようと、
この桜なのだ。

たぶん、今日が満開。
朝、僕たちが散歩した1時間の間にも、花はさらに開き
かすかに甘い香りが周囲を包み、
そして白い花の色のほろほろした感じが、
いまに崩れそうに、それでも溢れんばかりに、
それぞれの桜の樹が 全身で咲いていた。

たぶん明日には、散り始めていくだろう。


これだけ満開のソメイヨシノを見たのは、久しぶりだった。
帰りに、六花亭に寄って、アスパラとベーコンのピザを食べた。
暖かい春の味がした。

2 件のコメント:

  1. 二人で一緒に過ごす時間、二人で同じ桜を愛でる時間・・・
    ゆっくり、ゆっくり一緒に味わう・・・
    とても穏やかで優しい時間を感じました。
    この時間は、日々の中できっと何よりものご褒美かもですね(^^)

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    1. selenさん、こんにちは。
      久しぶりに、ゆっくりして、
      二人で散歩しながらのゆっくりデートでした。

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