桜前線は今、北海道を北上(東上)中。
例年より早めだった今年の桜。
札幌近辺はもう、ほぼ終わっている。
今日は、道南以外では珍しい、染井吉野(ソメイヨシノ)の咲く墓苑に妻と出かけた。
札幌市を車で抜け出し、北へ。
石狩市、望来から海沿いの丘を行く道へ。
selenさんの好きな駐車場へ。
僕も一人で時に寄るのだが、妻と立ち寄ったのは初めてだった。
南の方角、石狩の湾と、その向こうに頂に白く雪をかぶった山々が、霞んで見えている。
春だ。
西の方角。なだらかに少し下る畑と、樹の姿。その向こうは海岸段丘崖だ。
海がおだやかで、青く、美しい。
しばらく二人で風に吹かれて、少し話をしながら。
さて、再出発して訪れたのは、
「戸田記念墓地公園」
仏教の広大な墓地が、公園としても整備されているところだ。
そこにソメイヨシノが植えられている。
本州生まれで本州育ち、20年前に北海道に渡ってくるまでは、妻にとって桜とは、ソメイヨシノだった。
そのソメイヨシノ。
北海道の寒さには耐えることが難しく、この辺りが北限に近い。
それが、この墓地公園に植えられ、整備されて、公開もされているのだ。
妻と二人、駐車場に車を停めて、1時間ほど、散歩しながら、桜を眺めた。
墓地公園の中を巡る道に、桜の並木が続く。
よく管理された、ソメイヨシノの並木。
懐かしく、美しい。
本当の桜好きは、ソメイヨシノを嫌うという話を聞いたことがある。
日本中のソメイヨシノは、江戸時代の園芸店で生まれた一本の桜の、
クローンだからだ。
挿し木で育てられたクローンで、ソメイヨシノ同士で交配させても、
ソメイヨシノにはならないという。
桜と言えばソメイヨシノ…というワンパターンな俗なイメージを嫌うのだという。
でも、妻にとっては、
小さな頃から近所で見てきた桜も、公園で見た桜も、
多くがソメイヨシノだった。
秋田で生まれ育った僕もそうだ。
幼いころの記憶、思い出の中の桜の樹を、
後から得た知識だけで、否定することはできない。
それが挿し木で育てられた樹だとしても、
必死で生き、咲いていた花に違いはあるまい。
妻にとって
桜は
どんな名前がついていようと、
この桜なのだ。
たぶん、今日が満開。
朝、僕たちが散歩した1時間の間にも、花はさらに開き
かすかに甘い香りが周囲を包み、
そして白い花の色のほろほろした感じが、
いまに崩れそうに、それでも溢れんばかりに、
それぞれの桜の樹が 全身で咲いていた。
たぶん明日には、散り始めていくだろう。
これだけ満開のソメイヨシノを見たのは、久しぶりだった。
帰りに、六花亭に寄って、アスパラとベーコンのピザを食べた。
暖かい春の味がした。
二人で一緒に過ごす時間、二人で同じ桜を愛でる時間・・・
返信削除ゆっくり、ゆっくり一緒に味わう・・・
とても穏やかで優しい時間を感じました。
この時間は、日々の中できっと何よりものご褒美かもですね(^^)
selenさん、こんにちは。
削除久しぶりに、ゆっくりして、
二人で散歩しながらのゆっくりデートでした。