2018年5月9日

輝きの春4(道道604再び+タイヤインプレッション)

走ったのは4月29日でだいぶ前になってしまった。
GW後半は、家を離れ、月曜からも仕事に追われる日々だ。
さて、一周(週)以上遅れだが、続きを再開しよう。
国道229を岩内町まで来た。
衰えた体力、仕事に追われまくって堆積した疲労。さらに今日の走りの疲れもも感じ始めて、このままだらだらと走るのは危険かも…と判断した。
そこで……、
2018/4/29 12:42

ルートを内陸に。道道66号線を南下することにした。
海岸から内陸へ、丘を駆け上っていく道道66。
このまま登り続ければ、再びニセコパノラマラインになる。
いやいや、さすがにそれは遠回り過ぎてだめだ。
2018/4/29 12:42
それにしても、道から眺めるニセコの山々が美しい。
昼下がり。気温も上がってきて寒さも全くなく、かといって暑くもなく。快適なクルージングだ。

2018/4/29 12:43
気持ちのいい道が続いていく。


2018/4/29 12:43
早春の陽の輝きを、さっきの雪の中のパノラマラインとは別のニュアンスで感じる。

2018/4/29 12:43
もう一度登れば、さらに展望が開けて、また美しい光景に出会えるだろう。
でも、このままでも、非常に贅沢なものを感じる。

…が、このままパノラマラインには登らない。
そう、左に折れて、朝に通った道道604を再び走るのだ。

2018/4/29 12:44
朝と昼とで路面状況が同じとは限らない。
農作業車がブラインドの向こうに土を落としているかもしれない。
山菜取りのファミリーカーが、カーブの途中に車を停めて、
山菜を手に道路を横断しているかもしれない。

絶対に無理はしないようにして走ろう。

さらにこの道、うわさによれば、取り締まりもあるようなのだ。
いつどこで物陰からレーダー波を照射されるかわからない。

安全に。確実に。
バンク角は浅く抑え、いざというときには停止できるように心がけ。
心地よいトラクション旋回(アクセルを開けて、安定して旋回していく)に徹して
突っ込みのハードブレーキングはせず。

…で、走り抜けた。国道5号に出て、ちょっと土の駐車スペースへ少し入って停まって、
タイヤを見てみた。

2018/4/29 12:56
フロント。
レーザーテックはやはり表情がさらっとしている。
少し発熱しているが、触れないほど熱くはならない。
ブロックが細かく、腰砕けになりそうにも見えるが、直立付近はブロックが縦に配置されているところもあり、意外と剛性感はある。
かなり握り込んでも、そう簡単にはロックしないねばりがあり、荷重の高まりを受け止めてくれる感じは、ラジアルの感触にも少し似ている。(ただし、あくまでフィーリングの話。限界性能は明らかに敵わない)
細くラウンドしている形は、旋回中にフロントの存在をあまり主張しない。素直に首を振って、車体の動きに追随している感じだ。でも、フロントのグリップ感はあり、絶妙な感じがする。
もちろん、フロント荷重をかけまくって、そこからごりっと捻じ曲げていくような曲がり方はできないし、それをある程度の速度以上でやるとフレームが揺れ出して、まともにコーナリングできなくなる。
昔の基本通り、直線部分で減速は終了し、リーンしたら即、開け開けの乗り方がふさわしい。
旋回中に路面をギャップを超えると、V7は一瞬首を左右に振って自分でバランスを取る。お釣りもほとんどなく、すぐに収束するから、動くに任せておけばよい。(共振して増幅していく場合を除く。)力で抑え込もうとすると、車体の揺れやねじれなどにつながって帰って安定性を損なう。メガスポーツに比べれば、剛性の低い車体に乗っていることを忘れてはならないのだ。

いままで旋回中にフロントがずずっとブレークしかけたことは数回あるが、通常の旋回ではまずそこまで行くことはなく、安定しているので安心してグリップにゆだねられる。

雨の日のグリップ感のよさ、精神的に与えてくれる安心感の大きさも大きなメリット。

まあ、もさっとしていて、黒子に徹しているというか、そういうタイヤだ。
そのさりげないということがどれだけ安心させてくれるかを思い知らされるタイヤだと言ってもいい。

過剰な期待は禁物だが、僕には十分なタイヤだと再認識した。

ではリヤ。
2018/4/29 12:57
メッツラーの「スポルテック、クラシック」。バイアスツーリングタイヤだ。

今回、バンク角は浅くを心掛け、進入速度は冗談のようにゆっくり入っていったのだが、安全が確認された場合はコーナー途中でフルトラクションに近いパワーをかけてみた。
すなわち、アクセルをストッパーに当たるまで全開にしての旋回加速を試みている。
エンジン回転数も低く、よく調教された電子インジェクションシステムは、いきなり全開にしても呑み込むことなく、きちっと加速してくれる。キャブ車では信じられない乗り方だ。
これは根本健氏がインジェクション時代の空冷ツインの開け方として時々本や雑誌の記事に書いている開け方で、全開と言っても回転数は3,000rpm程度に抑えてのもので、これくらいであればいきなり全開でもパワーが突然出過ぎて破綻することがない。むしろ穏やかで力強く、息の長いトラクション加速が続くということで、推奨している。

そうして約10km走った後がこのタイヤの表情だ。直線では速度が上がってしまうので開けずに流している。

やや青色に変色し、アスファルトから駐車スペースに出たらすぐに土が張り付いて、この写真は手で払ったところだが、こんな感じだ。
しかし、これでもそんなに発熱していなくて、手のひらをずっと当てていられるくらいの温かさに近い熱さ。
表面は中間バンク角あたりが一番荒れているが、これもオイリーではなくて、むしろ乾いたまま少しささくれあたというか、ざらざらした手触りになった感じだ。
発熱し、ベタっと張り付くようなグリップを感じさせるタイプではない。
タイヤの剛性感もあり過ぎず、なさ過ぎずで、固すぎて跳ねたり、柔らかくて腰砕けになったり動きすぎたりする感覚は一切ない。
3,000rpmよりももう少し上の回転域でも全開、フルトラクションを試してみたが、タイヤがパワーに負けてスライドを始めることはなかった。絶対グリップ力は実用域では十二分にあると言ってよいと思う。
ピレリのスポーツデーモンの時は、コーナリングでフルパワーを掛けると後輪がやや外側に回り込むような感じで旋回力を強めたのだが、このメッツラースポルテッククラシックは、もう少し無表情で、両輪でグリップしたまま、静かに仕事をこなす感じで曲がる。
ピレリとメッツラーは同じ会社の別ブランドなのだが、ピレリの方がドラマティック、メッツラーは仕事人というフィーリングだ。

今回バンク角を浅くとどめるように意識したのだが、トレッドの端、ショルダー近辺まで接地しているのは、空気圧を以前の2.6k(二人乗り用の指定空気圧)から2.5k(一人乗り用の師弟空気圧)に下げたのも、関係しているかもしれない。…といってもこちらが標準なのだが。

わずか10kmほど、カーブの中で安全を確認したうえで開けて走っただけで、高速域テストなどできていないし、今回はゆきかぜのレヴリミットである7,000rpmまで回したりはしていないので、最大荷重テストはできていない。
しかし、思い切り走らせたときに感じるフレームの揺れが、ピレリよりもメッツラーの方が少ないような気がした。タイヤのダンピング性能が高いのか、乗り手(私です)がV7に慣れてきて、ハンドル余計な抑え込みが減ってきたからか……、それはわからない…。

V7を街乗りやツーリングユースに使い、しかも雨や気温の低い日など、厳しい環境でもつかうのなら、メッツラーのバイアスはいい選択だと思う。
もさっとしているが、実によく仕事をしてくれる、縁の下の力持ちがこのメッツラーだ。

しかし、コーナリング中に、何キロ出したとかいうのでなくて、コーナリングの「切れ味」をリアルに味わいたいなら、ピレリのほうに軍配が上がると思う。

要するに好みで選べばいいのだが、そうなると、タイヤ選択の悩みもむしろ出てくるのだ。
理屈でいくなら、メッツラーでよい。迷わなくても後悔はしないと言えそうだ。
走りの快感なら、私ならピレリだ。
しかもピレリもダートや雨でも優れたグリップ力を示す。
ただ、タイヤというか、「踏面」を意識させるので(気持ちいいから)、景色を味わったり、走りながら自分自身と禅問答をしたくなる場合などには、やや「にぎやか」な印象を持つかもしれない。

まだゆきかぜ+ブリヂストン、ゆきかぜ+ダンロップの組み合わせを試していないので、次回のタイヤ交換では候補として考えてもいいかもしれない……。

などと、ひとしきり考えながら少し休憩した。
さて、もう一度走り出して、帰宅の途に就こう。
(まだ続きます。)

2 件のコメント:

  1. お久しぶりです。タイヤインプレ、参考になります。
    やはり、性能のドイツ、感性のイタリアってかんじでしょうか(笑)
    イタリアのバイクにはピレリが気持ちいいのかもしれませんね。
    僕はBT-45の2セット目なので、次回はパイロットアクティブにしようと思っておりましたが・・
    気になるタイヤが・・・それは・・なんと!コンチ・ロードアタック3というやつでして・・
    昨年発売になったニュータイヤです(ラジアル)
    なんと、V7のサイズが有るんです!!
    ただし、やはり高い・・・しかも取り扱い店がほとんど無い・・・
    性能的にはかなり高いと思われますが・・・考えどころですね・・(^_^;)

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    1. 小五郎さん、こんにちは。
      「性能のドイツ、感性のイタリア」って、ホント、そんな感じです。
      ピレリとメッツラーは、今は同じ企業で、技術提携も進んでいるのに、
      やはり違いがあるのが面白いと思います。

      コンチネンタルのロードアタック!
      履いたことないです。どんなタイヤなんでしょう。

      タイヤも、急速に進化して、10年前とはもう別物になっていると
      よく雑誌で読みます。
      同じ銘柄でもどんどん総合的に進化していると。

      私は次どうしようか……。
      しばらくは今のタイヤが持ちますが、
      考えて楽しんでみたいと思います。

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