2021年5月9日

札幌市在住ライダーの一人として……。

 

札幌市でも、新型コロナウィルス感染の拡大は続いており、
今日、5月9日の新規感染者は、札幌市で327人、北海道全体では、506人と予想され(NHKニュース)、過去最多を大きく更新しています。
変異型ウィルスの感染力の強さが影響しているとも言われています。
さて、札幌市在住ライダーとして、この状況下でどのように判断し、行動すればいでしょうか。
感染予防のために、各自で考え、判断して誇りある行動をとることが大切だと思いますが、国や自治体の出している行動基準では、ライダーの場合、少し迷うところもあります。

北海道は、5日午後、国に「まん延防止等重点措置」の適用を申請し、今日9日から31日まで国から適用されました。

「市民の皆さまへのお願い」として、以下のように書いています。
まん延防止等重点措置(5月9日~5月31日)に関すること
・ 不要不急の外出、市外との往来を控えてください
・ 午後8時以降、飲食店の利用を控えてください
・ 感染防止の徹底、営業時間短縮に応じない飲食店の利用を控えてください
・ 路上、公園における集団での飲酒を控えてください
他、分野別にいろいろと行動指針に関しては説明があります。
ここでは個人のライダーとしての行動に関わることにのみ絞って考えます。

私も介護の必要な家族を持つ家庭人として、パートではありますが職業人として、それぞれに行動変容を迫られているわけですが、ここでは割愛します。

そして、札幌市と北海道でも札幌市以外とでは状況も異なりますので、市内在住の自分自身にとってという限定で考えることにします。

札幌市は、5月5日に医療緊急事態宣言を出し、市民に訴えています。

その中で、具体的な行動について書いてある部分を引用すると、

1 札幌市内における外出や往来をできる限り避けてください
・札幌市内においては外出を控えるとともに、札幌市との往来をできる限り控えるよう、お願いします。具体的には、医療機関への通院、食料・生活必需品の買い出し、必要な職場への出勤、屋外での運動や散歩など、生活や健康の維持のために必要な場合を除き、外出や往来を控えてください。
・体調が悪いときには、外出を控えるよう、お願いするとともに、重症化リスクの高い方と接する際には、リスク回避行動の徹底をお願いします。
2 飲食の場面における感染リスクを低減する行動を実践してください
・飲食の場面では、飛沫飛散などから感染リスクが高くなるとされています。周囲の人に感染させないためにも、食事は「黙食」で、4人以内など少人数とし、長時間、深酒、大声を避け、特に、会食の際にはマスクを着用するという感染リスクを低減する行動の実践をお願いします。
・特に札幌市内においては、できる限り同居していない方との飲食は控えてください。
1を見ると、かなり行動制限が厳しいことがわかります。
ライダーとしてのポイントはバイクで走ることが「運動や散歩など、生活や健康の維持のために必要な場合」に該当するか、です。
私個人としては、バイクライディング自体、ゆっくり走っていてもスポーツ(運動)であることには変わりなく、散歩や運動と同等に認められてしかるべきと思います。
札幌市との往来を避けろというのですから、基本市内で走るなら、むやみやたらに走らない限り、運動として認められていいのではと思います。

ただ、2から見ても、4人以上で食堂に入ったりするのはダメで、4人以下で入ったとしても黙食しなくてはならないし、市内に住む私は、「同居していない方との飲食は控える」ですから、グループツーリングで食事をするのはアウト、となると思います。

出かけるのを控えるということについても、たとえば、札幌市の図書館等、公的施設は5月末まで閉館しています。人が集まらないように、外出しないようにとのことですね。

でも、ここで考えてしまうのは、イベントの規制です。
・人数上限は5,000人かつ、収容定員について、
  大声の歓声・声援がないことを前提としたもの:100%以内
  大声の歓声・声援が想定されるもの:50%以内
・酒類の提供(利用者による酒類の店内持ち込みを含む)は行わないこと
・営業時間は午後9時まで(無観客で開催される催物を除く)など
となっていて、酒類を提供しないイベントは午後9時までは開催してよいことになっています。そしてその場合最大5000人までは一か所に入っていいということになっています。
これは、野球などスポーツの試合を想定しているのでしょう。

開催側としては、この基準で開催してよい訳です。

では、これに参加する札幌市民はどうなのでしょう。
イベントに参加するのは、先に見た市民の行動原則に合致するのか?
一般的にはイベント参加は、通院でも生活必需品の買い物でも、散歩でも運動でもないとみなされるでしょう。
つまり、イベントは開催していいが、市民は参加するなと言わないけど、わかってるね、ということなのでしょうか。

ここで、わからなくなるのは、基準の厳密性なのです。
もともと、強制するものではなく、市民に対しては、自粛や協力を要請しているだけですから、各自で判断してくださいということなのでしょうけれど、外出するなと言っておいて、イベントはやっていいとなると、イベントに行くことも容認されていると、とるのが普通でしょう。

つまり、札幌では昨年のパリやロンドンなどのように、外出規制を厳密に掛けることはしない。イベントなどに最大5000人程度集まるのは認められる、という方針だということになります。



…さて、やっと本題です。

では、ライダーが個人でソロツーリングに行くことに関してはどうなのか。
どこまで「協力」、「自粛」するべきなのか。

一番厳しいサイドに立てば、
バイクを通勤や買い物につかうのはいいが、ツーリングは不要不急の外出にあたる。だから、この期間はやめるべきだ。
ということになります。これは昨年の全国一斉の緊急事態宣言時に広く行われた解釈に近いものです。
一番緩いサイドに立てば、
この規制の目的は感染症拡大防止であり、人との接触機会を減らすことにある。だから、バイクのソロツーリングでは、混んだ観光地などに行かない限り、特に自主規制をかけなくてもよい。
ということになります。
バイクツーリングといっても、最近は仲間とグループツーリングを楽しむ人たちが増えています。一定数、ソロの人はいますが、グループでのツーリングは昼食をはさむことも多く、そうなると、4人以上で食堂などに立ち寄ることもあり、密になる可能性は高くなります。
しかしソロで、混んだ観光地へ行かず、買い物も極力避けてなら、そんなに感染リスクは高くないと言えます。

私個人の考えですが、現実的には、ソロツーリングであるならば、特に交通事故に遭わなければ、密を避ける工夫をすることで、感染リスクを高めないまま、ツーリングが楽しめると思います。ただ、泊まりのツーリングは、宿、キャンプでも買い物の数、時間も増えますし、リスクは少し上がってくると思いますので、控えた方がよさそうに思います。

そう、問題は「交通事故に遭わなければ」です。

札幌市では新型コロナ用の病床使用率は9割に達してると言われ(産経新聞5月5日
ベッド数もですが、医療従事者の数も十分とは言えず、医療態勢は逼迫しています。
ここで、事故を起こしてしまうと、さらに医療現場を圧迫することになります。

さて、通勤しなければいけない場合は、選択肢がないですから気をつけていくしかない。
問題は「ツーリング」です。
ツーリング先で救急車を呼ぶようなバイク事故を起こす、または遭う確率は、そう高くはない。しかし、走る以上ゼロではない。
ここをどう考えるかになると思います。

私の考えとしては、「危険を自覚し、いつも以上に安全運転に気をつける。」
です。



こうした問題でいつも出てくるのは
「正しさ」を盾に人を貶なす、非常に下品な言説です。
まず、この状態で「正しさ」は誰も確定的には分からない、という前提が必要です。
だれも正しさが分からない中で、よりよい「判断」を積み重ねていくしかないのです。
こういう場合、特権的に正しさを「知っている」かのような言説が出回ることがありますが、歴史は、ほぼそれがデマゴーグだったと教えています。

さてさて、あくまで個人としての判断ということになります。
判断は、一番厳しいケースと、一番緩いケースの間から、自分自身の「責任」で選び取っていくことになります。

なんだか今回は(も?)非常にめんどくさい理屈ばかりこねくり増しているように見えるかもしれませんが、この思考はバイクライディング時に常にしていることです。

とても空いた北海道郊外の道。例えば、国道39号線の郊外区間では、本州の人には信じられないかもしれませんが時速90km超で車列が流れていることもあります。

片道3車線以上の見通しのいい高速道路では、車列は時速120km以上で流れることも多々ありました。
法規の方が現状に合っていないとして、一部の高速道路の最高速を試験的に120kmに引き上げる実験が行われたのは、記憶に新しいですね。
また、ずっと多かった国道の時速40km規制。この20年で、50km規制に変わったところも多いですし、延々センタラインがイエローだった区間が、相次いで白線に変えられたことも多くありました。

法規は守られねばならない。しかし、法規の目的=安全を考えた時、行き過ぎた法規は、多くの人の「適切な行動」により、正されていくのです。

最近では学校の行き過ぎた校則も、生徒たちを主体として見直す動きが出てきていますね。
ただ規制を守ることで思考停止することは、安全のためにも、よくないのです。

バイクは交通事故を起こした場合、または巻き込まれた場合、4輪に比べ、はるかにライダーが負傷、または絶命する危険性が高いです。だからこそ、ライダーは緊張感を以て運転しています。
俺は法規を守っていたんだ。だから悪いのはあいつだ。と言ったところで、事故に巻き込まれてしまっては元も子もありません。
危険を感じた時には、法規以上に厳しい行動を自分に課し、意味のない規制にただ惰性で従うだけではかえって危険な場合には、自分と周囲にとっての安全をより優先することもあります。法の精神はそれを許容しています。しかし、この議論は難しいので、今は措きましょう。

ライダーは、いつでも自分の命を懸けて状況を判断し、走行している、ということです。
そしてそれは、自分の責任において判断しますが、その結果は、自分ひとりではなく、周囲の人まで巻き込む結果となります。

コロナ下でなくても、平常どんな走りをしているか、ということと、今回の場合にどこまでならツーリングしていいか、ということとは、実は根は一つのことなのです。


結論、私個人の考えとしては、

ライダーの行動に関しては、バイクという乗り物の特性を考慮し、最も厳しい判断と、最も緩い判断の間で、ライダー個人個人が個々の状況を踏まえ、個人としての責任を以て判断すべし。

ツーリングに出る場合は、密と危険とを可能な限り避け、混み合っているところへは立ち寄らず、できるだけ人と接する機会を持たないツーリングとすべし。

ということが言えるかと思います。
私個人に限っての方針としては、

まず、一人で走る。基本的に市内で、途中、店にもトイレにも寄らず、人に近づかないプランでのツーリングとする。

いつも以上に事故を起こさない、事故に巻き込まれないように、気をつける。

札幌市から出た場合、トイレ以外は人と接する機会を避ける。
人の多いスポットには立ち寄らない。
昼食の買い物も、あらかじめ自宅から飲食物を持って行くことで、ないようにする。
トイレを借りる場合は、必ずマスク、手洗いを徹底し、立ち寄る時間も短時間にする。

ガソリンスタンドにはツーリング途中で立ち寄らないのが望ましいが、立ち寄る場合はヘルメットを脱がず、感染予防に気をつける。

というものです。

これも、状況が変化すれば、変わってくるでしょう。
考えながら行きたいと思います。

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