2023年9月24日、日曜日。
午前2時08分。ベッドの中で目が覚めた。
この5年くらい、目覚ましをかけたことがない。目が覚めてしまうのだ。それだけ、毎日緊張していることだから、いいことではないと職場の臨床心理士に言われた。
すべてのことに全力になりすぎている。家族と、仕事に全力で向かいすぎている。趣味はないのか?
バイクで走ることです。
思い通りに走れてる?
いえ。
家族のことをして、仕事をして、残った時間でバイクに乗っているでしょう?
そうですが?
だめです。走りたいときにバイクで走りましょう。残った時間で家族のことや仕事のことを考えればいい。
……。驚きの提案だった。
全然走っていないわけではないのですが。
いえ、すべてに全力で、自分で自分の首を絞めている。好きなことをすべきです。でないと持たなくなる。すでに体が悲鳴を上げています。
そうですか…。
午前2時30分。3時に出ればいいと決め、準備を進める。昨夜のうちにゆきかぜの空気圧やタイヤのチェック、給油は済ませ、工具や雨具も積み込んでいる。
「無理しないこと、つらかったら、いつでもそこから引き返す。」
そう何度も言い聞かせて、自分の装備を再チェック。タンクバッグに地図、カメラ、備品類、タオルや帽子、小物類をパッキング。シールドクリーナーも忘れずに。
タンクバッグを積み、ウェアを着こみ、いつもの登山靴を履いて靴紐を締める。アンダーグローブをはめてヘルメットインナーをかぶり、ヘルメットをかぶる。アクションカメラも左横にセット済みだ。
家を出る。
外は寒い。
ちょっと前まで34℃だ33℃だと言っていたのに、今、外気温は14℃。
ちゃんと秋になった。
ゆきかぜを引き出し、再チェック。OK。出発しよう。
住宅街の中。ノーマルのV7は拍子抜けするくらい静かだが、夜中の3時。下り坂を利用して、エンジンをかけないまま、大通りまで下っていく。
大通手前の信号でストップ。エンジンをかける。
5万3千kmを走って、エンジンは快調。最近は燃費も25km/ℓ前後で安定。
11年目のゆきかぜは、年齢相応にくたびれてきているものの、まだまだ元気だ。
札幌市街地は夜でも暗闇とは感じない。
街の明るい街灯の中、信号が変わって、ゆっくり走りだす。
今日は北へ行く。
絶対に安全に、無事故、無検挙で、生還すると、強く念じて。(つづく)
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