緒崎松倉さんのブログで紹介されていた(こちらも)、道道914だ。一度も走ったことがない。
パノラマラインから南下してJR昆布駅方向へ。そしてすぐに国道5号へ左折、道道32号線へ右折して昆布岳の西麓を南下する。道道32号線も初めて走る。
緒崎さんも書いてらしたのだが、この道、交通量が極端に少ない。
昆布(地名)から豊浦へ南下するには最短ルートであるにしろ、黒松内や真狩から南下するもっといい道があるし、南下するのにわざわざ昆布の街を起点する必要も少ないように思われる。
快適な2車線の走りやすい道が南へと延びていた。
基本的に浅い谷の中を川の流れに沿って遡っていく感じの道なので、眺望が開けるという感じではない。
途中からは民家もほとんど見えなくて、どうしてここにこんなに立派な道があるのか、腑に落ちないような変な感じがするほどだ。
上の写真は道道914との交差点も近く、かなり登ってきたところ。
空が広く、青く、雲がきれいだった。
さて、道道914へ入る。
さらにローカルな感じの道だ。
ところが、この道がまた2車線で快走ロードなのだ。
交通量は引き続き、絶無に近いほどだ。(もちろん、そんなはずはないのですが。)
緒崎さんもこのR914の快走を楽しんでいるそうで、「新富コーナー」、「上泉コーナー群」と名付けておられる。
下の3枚は、新富コーナーだと思う。
新富コーナーはほぼ180回り込んだ中速コーナーだ。
しかも、いちど曲がって、少し緩くなってもう一度曲がるという、真上から見るとコンパスで書いたようなきれいな半円に見えるが、走る視点で見ると、極端にいうと鈴鹿のスプーンコーナーのような形をしている道なのだ。
ここにフルバンクで突っ込んでしまうと、コーナー入り口で見たよりも回り込んでいるその道に対処が難しくなるかもしれない。
途中で起こしてブレーキングし、また倒し込んで小さく曲がるという操作を要求する。
今日の僕はすでに疲れてきていて、ゆっくり走っていたので、のんびりと通過してしまった。
そうすると、普通の大きめの180コーナーに感じるのだ。
道道914はアップダウンも適度で、走り応えがある道だ。
上泉コーナー群も、路面はきれいで、カーブとそれをつなぐ直線のバランスがいい感じで、速くもゆっくりも楽しめると思う。
ただ、カーブはほとんどブラインドだから、安全にはくれぐれも注意が必要だ。
ブラインドの途中に車が止まっていたり、ブラインドカーブの向こう側に農作業車が落とした土が避けようもなく落ちていた…なんてことは、北海道のワインディングでは非常によくあることだからだ。
道道914はやがて道道702と合流する。
その合流点で右折して702を南下すれば海、豊浦方面だ。
今日はもう疲れているから北上して帰りたい。
左折して914を行く。ここで途中で道道97号方面へ抜ける道があり、それはループ橋もあっておもしろい道なのだが、914をこのまま北上することにした。
僕の持っているツーリングマップルは2007年度版。
そこには914の北端は4.6kmくらいダートが残っているように書いてある。
でも、この10年で北海道の道の工事は猛烈に進んでいる。
たぶん、914もこの勢いでは完全に舗装されているだろう…。
そう読んでの北上だった。
時々集落を通過しながら、快適に北上する914、高台の部分からは洞爺湖外輪山の上のウィンザーホテルが望めたり、雲に頭を隠した羊蹄山が望めたりした。
やはり舗装化は進んでいたのだ。
疲れた身には助かるが、こんなに道幅のある、いい道にする必要があったのだろうか、むしろ、道幅が狭いままでも舗装すれば、用途には足りていたのではないか…、他にエスケープルートもあるのだから…などと考えながら快適に流していると、
ダートになった。
ああ、ゆきかぜ、ごめんなさい。
路面は自家用車で走るには比較的フラットで、玉砂利も敷いているところが多く、あまりウォッシュボード状にはなっていないので、楽に走れると思う。
でも、バイクにはこの玉砂利が足元をとられて厳しい。
ゆきかぜにはエンジンガードも装着していないので、転倒するわけにはいかない。
難しい道ではないのだが、神経が疲れる。
路面がよく、日陰になるところで少し休むことにした。
ああ、やっぱりダートを走ることになるのか。
いつか転ぶな。
エンジンガードの装着を、現実的に考えなければならないだろう。
休んでいると、虫がいっぱい寄って来た。
そうそう、低い山の中で休むと、耐え難いほどに虫が寄ってくる。それは夏のしるしだ。
早々に退散することにしよう。
また慎重にダートをいなしていく。
2016/7/13 14:05 |
道道914は道道97へ合流して終わる。
97号をちょっと北上したら、真狩村の中心部を通らずに直接留寿都へと抜ける抜け道的農道を行く。
ジャガイモ畑の花が咲き、頭を雲に隠した羊蹄山が見えた。
もう一度、ゆきかぜを停めて写真を撮る。
今、午後2時5分。
このままいけば、4時には札幌に帰れるだろう。
予定より長く走ってしまい、家について距離を見ると、280kmくらい走っていた。
体調は思わしくなかったが、腰、手首、肩など、特に痛みが襲うこともなく走りきれた。
ポジション変更は、大まかには成功とまとめてもいいようだった。
この日、札幌では場所によって30度を越えたらしい。
夏本番の到来を感じさせる、暑い日だった。
(「暑い日に。」 完)
自分の記憶でもその先はダートというものだったので、読んでいるとついに舗装されたのかと胸が熱くなりましたが、北海道の道路に回す資金が潤沢ではないという事がわかりました。
返信削除最近豊浦方面に走ることがなかったので読んでいてとても走りたくなりました。
緒崎松倉さん、今回は緒崎さんの記事を参考にさせていただきました。
削除ありがとうございました。
交通量のほとんどない、でも走りやすいマイナー道道、緒崎さん本当によくご存じですね。
いや、それだけ走られているということですね。
行き慣れたエリアに感じても、まだまだ未知の道、未知の風景はあるのですね。
僕もこの前914を走りました。
返信削除地図で見て、きっと交通量が少なくてワインディングも楽しめる道だと思っていたんですが、思った通りのステキな道でした!
洞爺でラリーが開催されていた日で、SS区間の入り口が多々あり、かなり土や砂利がヘアピンの途中などで道路に撒かれていたところがあり、まったり走っていて良かったなと感じました。
イタドリが路肩から伸びてきていて、その雰囲気が夏を感じさせてくれました。
Shin Kanetaさん、こんにちは。
削除そう、ラリーが開催されていたのですね。
914のダート部分にも、ラリーで使ったと看板がありました。
この狭いこの道でラリーか!と、なんかうきうきしてしまったのを思い出しました。
車の運転はからっきしだめですが、90年代はWRCをレンタルビデオで借りて見ていました。
ラリードライブ、かっこいいなあ…と思うのです。
代償がでかすぎて、ちょっと手を出す気になれませんけれど…。
takaです
返信削除綺麗なワインディングですね(^_^)
関西のワインディングは、路面が荒れていて、低速コーナーが多いです。
一度は、走ってみたいですが、SRでは楽しめる速度が出ないかも?(笑)
バックステップ、さらに低いコンチでポジションを整えました。
頭の位置が低くくなり、ステップ位置も大きく変わり、馴染むまで走り込みが必要ですが、良い方向に変化しました。
腰をズラし易くなったのが、最大の変化です。
足も滑らないし、シフトタッチ、リヤブレーキタッチも良くなりました。
ゆきかぜ号に後押しされて、良かったです(^_^)
takaさん、こんにちは。
削除道道32は高速ですが、914は、SRで十二分に楽しめるのではないかと思います。
北海道でも路面ぼこぼこ、舗装ガッタガタの国道、道道はいっぱいあります。
今回のこの道は比較的新しく整備され、しかも交通量が非常に少ないので傷み方が遅かったので、
これだけきれいだったのだと思います。
パノラマラインも冬季閉鎖しているので路面はきれいです。
SR、いい感じなんですね。よかったです。
実はハンドリングがいいと高く評価されていますよね。
スポーツシングルならではの実はスパルタンな走り。
深くバンクしたままバイクの能力で旋回していくのではなくて、
アクセルの開け方、体重の預け方、前輪と後輪の荷重の受け渡し…。
繊細に、大胆にコントロールしていくスポーツライディングは、
別に200kmでなくても、いや、むしろ100kmまでの表情の中に、
その真髄が宿っているように思います。
もちろん、高速での旋回もまた、大きな醍醐味のひとつではありますが。
う~む。。
返信削除このシリーズ記事はワタシへの「道道ご案内」が4割ほど含まれる?
やはり、そうですよね?(「2」辺りからわかってましたw)
tkjさん、こんにちは。
削除晴れていればの条件付きで、パノラマは結構いいです!
湖を見るのなら、洞爺湖ですね。
これに夏だから、やはり晴れていればの条件付きでオロフレ峠を加えると、相当にぐーっなのですが、函館からはちょっと遠すぎますね…。
もしも参考になれば幸いです。でも、北海道、道南も意外と広く、メインの道が少ないので、計画は無理のないように、余裕をもって立ててください。
ほんと、迫ってきましたね。
いい天気になりますように!!!