2016年7月27日

ルートを磨く。


緒崎松蔵さんのブログ『此先松倉』の中で、緒崎さんは、ご自身定番の走りのための「ツーリングルート」について、記事にされています。(「メインルート・キャンプ場視察をかねて」)
それは、4~5年かけて、改善を加え、このルートさえあれば他に何もいらない、一年中このルートを走ってもまったく飽きない」ことをめざして、磨かれてきたルートです。




バイク乗りにもいろいろなタイプがいて、レースのみ、という選手から、街乗り実用通勤ライダーという人、仲間と一緒にパレードラン&グルメという人、ひたすら一人で裏道探索という人、はじめての道、知らない風景を探して遠くへ遠くへ走り続ける人、地元の決められたエリアをじっくり探訪していく人、etc.

しかし、社会人になり、バイクに乗るためのまとまった時間もそう取れないとなれば、いつしか走るコースは次第に定番化していくことが多いと思います。

その定番化していくルート、その自分のお決まりの、自分だけのルーティングをどう磨き上げていくか、どうやってバージョンアップしていくか、これもまた、長いバイクライフの中では、楽しみの一つといえると思います。

緒崎さんは、「だいちゃんガレージ」さんの作り上げたDV7用のルートをもとに、そこからご自分のバイク、走り、時間の都合など、ご自分のバイクライフを要素を加えつつ、ご自分のためのバージョンアップを繰り返して、次第にその定番ルートを練り上げて来られています。


私の場合は、北海道の樹をめぐるバイク旅をしようと、2007年に前のブログ、「聖地巡礼―バイクライディングin北海道」を立ち上げ、そのほか、いくつかのテーマのもと、ツーリングをしてきました。

私の場合、知らない町や知らない道を走りたいという願望が昔からやや強めで、ツーリングルートも定番化するというよりはいかに前回と違う道を通るかを探すというような傾向もあったのですが、
40代後半から仕事がさらに多忙化し、休みもとりにくくなり、体力も衰えて次第に新しい道を求めてどこまでも走るというよりも、少しでも走って、心身ともにリフレッシュしたい…というふうに変わってきました。

すると、決まった短い時間で市街地の渋滞ばかり走らずに…となると、だんだんルートも決まってきます。

また、緒崎さんもブログの記事で言っているように、「連日同じ道を走っても違いがあり、新しい発見があり、いつでも楽しい。」というのは、確かにあると感じるようにもなってきました。


緒崎さんのブログで紹介されているメインルートは、確かに走り応えがあり、渋滞にはまらず、景色もよく、季節感も味わえるという、実によく磨かれたルートです。
確かに、これなら飽きるということがないのではないかと思われます。

それはもちろん、緒崎さんご自身が、ただバイクで「ツーリング」というイベントをする…というライダーではなくて、走りを意識し、それもギャラリーに見せびらかしたりするのでなく、一人で走りを追及していくようなタイプだから…というのも多分にあるのではないかと、失礼ながら勝手に推測しているのです。

北海道は広くて、実はイメージよりもワインディングは少ない。
どちらかと言えば、コーナリングマシーンよりもアメリカン(=クルーザー)や、フラッグシップ、アドベンチャーマシンの「カテゴリー」の方に、全体としてはマッチする、そんな土地柄です。

でもこの緒崎さんの鍛え上げてきたルートには、走り屋の血がふんだんに流れている感じがします。
それも、峠のローリング族ではなくて、滅多に会えないがまれに地元の走り屋が見かける、ブンッ…と走り去っていくような、そんなタイプの走り屋の匂いです。

私の北海道の樹めぐりの旅は、まだ終わっていません。
訪ねたいものの、遠くて訪問できていない樹も、道東、道北、道南の函館近辺を中心に、まだまだあります。
それらの樹へのアプローチとまだ見ぬ風景への憧憬を、これからもツーリングテーマの大切な核のひとつにしていきたいと思います。
しかし、同時に、自分ならではの定番ルートを、何年もかけて磨き上げていく、そうしたルート作りもまた、やっていけたらいいな…と、思いました。

私も方面ごとに定番のルート何本かは持っているのですが、そのルート、磨いていけたらいいなと思います。

10 件のコメント:

  1. takaです
    『ルートを磨く』
    良い言葉ですね。
    私も同様、バイクに乗れる時間は、平均して2週に一度で4時間ぐらい。子育て中なので、乗れるだけ、ありがたいですが(^_^;)
    街中を抜け出すのに、30~45分は掛かるので、それこそ『ルート』を磨いてます(^^)v
    山のスタート地点とゴール地点は、ほぼ確定しているので、枝道を開拓する余地があります。
    仲間も同様なので、連絡していなくても出会う率が高いですよ(笑)

    今のルートは、自分の走りが『ハマる』コーナーが少ないのが、難点です(@_@)

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    1. takaさん、こんにちは。
      私も子育て中は全然乗れなくて、年に1000km未満という年が
      5年以上連続したこともありました。
      大阪は街抜けるのに大変ですよね。
      短時間で走れる実感のわくルート作成となると、なかなか大変そうです。
      私もルート磨き、頑張っていきたいと思います。

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  2. 知らない風景を探して遠くへ遠くへ走り続ける人 ですw

    それでも、日帰り(MAX24h)では帰りにくくなっており、全く”知らない道(風景)“に到達するには泊ツーを必要とするように。。

    再来週が楽しみです!!!

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    1. tkjさん、こんにちは。
      どんどん走ったことのない道、行ったことのないところが減っていきますよね。
      もちろん、近くのすべての道を走りつくした訳ではないにしても、
      あそこは行ったことない、あそこへ行こう、と思うと、それは次第に遠くなる傾向に…。

      再来週北海道!天気が晴れますように。
      ぜひ、お楽しみください!

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  3. 何度も読ませていただきました。
    この度は自分の拙い記事を引用して頂きありがとうございます。
    ルートを磨く
    はっとさせられました。
    色々なものを盛り込んできたルートを振り返るという事が今までなかったので、様々なことを思い出すことができました。
    走りもまたツーリングの一部として…
    そのへんはまたどこかで書きたいと思います。

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    1. 緒崎さん、この度は失礼いたしました。
      実は25年くらい前の『ライダースクラブ』の特集で「スーパーツーリング」というのがあり、
      自分の定番コースを徐々にバージョンアップして、高めて(深めて)いくという、
      ヨーロッパ(当時)のライダーのスタイルについて根本健氏が書いていたことがあったのです。
      緒崎さんのブログを読んで、はたと思いあたりました。
      知らないところへ行きたい…というさすらい願望の強い私ですが、毎回必ず初めての道を行くというわけにもいかず、すると、いかに定番ルートをよいものにしていくか…というのが、改めてテーマになるなあ…と考えました。
      緒崎さんのルートは、走りの好きな、それも攻めた走りの好きな人が作り上げたルートですね。
      ルートにとてもそれがにじんでいるような気がしました。
      走りの記事も、お待ちしています。

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  4. ルートを磨くとは、難しい話ですね。定番コースを走りこんだ先に在る境地の事でしょうか?
    それとも、年に何回も無いロングツーリングのコース取りでしょうかね。
    自分としては、お気に入りの道はいっぱいあって困ります。それは遠くまで出かけるとよく分かります。
    ツーリング先で気に入った所に、もっと居たいと思わせる場面が多々あるのですが、時間的に制限が
    有って、結局先を急ぐ事になるのが一番残念なんですよ。
    一か所に留まる事が出来ないのは解っているのですがね。だから何度も行くのでしょうね。
    定番コースはあります。基本、近所を走り回っているだけなんで、変わり映えしません。
    やはり、ルートを磨くと云うのはいつもと違う旅先での発見を積み上げることなんじゃ
    無いかと思います。

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    1. いちさん、こんにちは。
      「ルートを磨く」とは、いつもの自分のルートを、少しずつ自分が走りやすく、楽しく。充実した時間が過ごせるように、ちょっとコースを変えたり、あるいは休憩場所を変えたり、出発時刻をずらしたり、いろいろ工夫しながら、その完成度を高めていくことを指します。
      漂白するようなツーリングもあれば、みんなでレジャー的なツーリングもあり、走り重視のツーリングもある。同じ道路を同じ道順で走っても、ペースや時刻、休憩の取りかたなどによって、ツーリング体験はまったく違うものとなる。
      (もとろん、誰と走るのか、ということも非常に大きく影響します。)
      自分にとって、これなら満足といえるルートを完成させるべく、高めていく。
      それがルートを磨くということだと、考えています。
      次回、別の角度から記事にしたいと思います。

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  5. 公道はそうですけど、、、
    突き詰めれば、サーキット と言う事でしょうか。
    もうワタシの老体では無理ですが。。

    2回目のコメント 失礼しました (^-^;

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    1. tkjさん、こんにちは。ありがとうございます。
      「スーパーツーリング」(byライダースクラブ)では、サーキットとは違い、通い詰めたワインディングとも違う「ツーリングならではの走り」についても書いています。
      「ルートを磨く」のも、もう決まったルートをいかに速く走るか…ということではなく、
      どんなペースであれ、自分のツーリングにとってよりよいコース、ルートになるようにバージョンアップしていく…ということだと思っています。
      例えば、先日の富良野のラベンダーにしても、同じルートでも早朝でなければあの日は、最も混雑する日で、札幌―富良野間の道路も多分一番ひどい時だと10kmくらい渋滞になったと思われます。
      たとえば、ここで裏道を入れる、とか、ここで休憩していたが、ちょっと脇道に入ると、静かで景色のいい休憩できるポイントがあるとか、そういう具合に、少しずつ定番ルートをアプルーブしていくのがルートを磨くことだと思うのです。

      たぶん、(失礼ながら)tkjさんも、僕も、元来同じルートを毎回通るよりは、知らないところ、新しい道をずっと探していたいタイプかと思います(^^;)。
      ルートを磨くというよりは、ツーリング全体の時間プロデュースや、高速と下道のバランスのプランニング、荷物の厳選と積載方法など、そちらの方に意識がいくタイプではないかと思います。

      それはそれとして、定番コースを持ち、そこを走る定番のツーリングを、質の高いものへと高めていくルート磨きも、素晴らしいバイクライフのあり方の一つだなあ…と、緒崎さんのブログから改めて思わされた…というわけです。

      この記事、もう少し書きますね。

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