2017年1月9日

ホンダのライディングアシスト技術。

「ホンダが自分で立ち続けるバイクを発表」の続編です。
走行状態を含む動画を、ホンダがYouTubeにアップしました。

うむむ!小出しにしやがってぇ…。
やはりすごい。これは衝撃的です。


YouTube「Honda Riding Assist」(3分37秒)


YouTubeにあった、動画の説明です。

2017/01/08 に公開CES2017で世界初公開したコンセプトモデル「Honda Riding Assist」は、ASIMOに代表されるヒューマノイドロボット研究で培ったHonda独自のバランス制御技術を二輪車に応用。ライダーが乗っていても、乗っていなくても自立することができ、ライダーが少しバランスを崩しても、バイク自体がバランスを保つことで、低速走行時や停止時のふらつき、取り回しの際の転倒リスクを軽減します。一方で、通常の走行時には、既存の二輪車と同等の操縦性を実現しています。ツーリングやバイクのある日常をより楽しいものにする提案です。
本映像はCES2017会場で流したムービーです。音声はございません。 
【発表】「Honda Riding Assist」がCES2017で3つの賞を受賞
〜Engadgetが主催するBest of CES2017の「Best Innovation」「Best Automotive Technology」、Popular Mechanicsが主催するBest of CESの「Editors' Choice Awards」を受賞〜
http://www.honda.co.jp/news/2017/c170...  (Honda Riding Assist

動画はCES(=民生機器テクノロジー産業界の関係者が参加する世界最大規模のイベント)の会場で流されたBGVで、音声はありません。

動画には、英語のテロップが流れます。

適当に翻訳してみました。
(英文がないのに( )の翻訳文があるところは、樹生の作文です。)

Honda Riding Assist
(ホンダ ライディング アシスト)                                            
for Riding Pleasure
(ライディングの喜びのために) 
Fun Riding is really our pleasure
(ライディングの楽しさは、本当に私たちの歓びです。) 
But
(でも)
Traffic jam    Signal stop  
 (渋滞や) (信号待ちなどの)
 Stress Factor
(ストレス要素が…)
Why low speed-range is so stressful for us?
(どうして、遅い速度域は、私たちにとってこんなにストレスフルなのでしょうか。)

Mid~High speed range
(中~高速機では)
Easy Balance
(バランスは簡単です)
Enough Moment of inertia from FR and RR wheels
(十分な慣性モーメントが、前後輪から得られています)


Low speed range
(低速域では)
 Difficuity of Balance
(バランスは困難に)
Low speed wheel rotation cause of less moments or inertia
(車輪の回転が少なく、慣性モーメントも少ないのですから)
Rider has to balanse actively
(ライダーが積極的にバランスしなければなりません)

Honda Riding Assisit
(ホンダ ライディング アシスト)
FUN RIDING FOR ALL
(すべての人のライディングのために)

 Positive
  ↑            
 High Speed Range
  ↑
Low Speed  Range      
Negative 
(高速域のプラスをさらに高め、
低速域のマイナスをプラスに。)


FIRST STAGE
(そのための第一歩)
 Center of  Gravity  Control
(重心のコントロールです。)

The key point is Trail-Length
(そのカギとなるのは、トレール長)
Positive trail length
(正トレール長の場合)
The property of falling in the direccton the hadles is turned.
(バイクが傾きつつあるときには、ハンドルが切れてきます。)
*Feature of bike when standing still
(バイクが立ち止まっているときの特徴です。)
Favorable for Sport Riding
(これはスポーツライディングに向いています。)
Not suited for extremely low speed control
(超低速時のコントロールには適していません。)

Negative trail length
(逆トレールの場合)
Bike can stand up when handle is turned in the direction the bike is fallig.
(バイクが傾いている方向にハンドルを切ることでバイクを起こすことができます。)
*Feature of bike when standing still
(バイクが立ち止まっているときの特徴です。)
Maneuvering effective as restoring force.
(回復力効果を使った操縦です。)
Suitable for controlling bike balance in low speed range.
(これは、低速時のバイクバランスのコントロールに適しています。)
Not suitable for Sport Riding
(しかし、スポーツライディングには向きません。)
Positive trail length  Favolate for Sport Riding
(正トレール長は、スポーツライディングに向き、)

Negative trail length   Suitable for controlling bike  balance in low speed range
(逆トレール長は、低速域でバイクバランスをコントロールするのに適しています。)

Best Dimension control according to speed
(速度に応じた最適のディメンションコントロールを。)

 Center of Gravity Control
(それが、重心コントロール)

(それを可能にするのが…)
 Steer by wire
(ステア、バイ、ワイア)
 Steering motor for wheel
(ホイールをステアするモーター)
 Variable Slant angle system
(可変キャスター角システム)

(この3つからなる)
Honda Robotics Technology
(ホンダ ロボティクス テクノロジーです。)

Easy to fit existing models
(これは既存のモデルにも簡単に取り付けられます。)

 Riding Assist sysytem
(フロント部分は ライディング アシスト システム)
                        Production model
 (リヤは既存の販売モデル)

(この組み合わせも可能なのです。) 
FUN RIDING FOR ALL
(すべての人にライディングのよろこびを)
Honda Riding Assist
(ホンダ ライディング アシスト)

HONDA
(ホンダ)
The Power of Dreams
(それは夢の持つ力)

                     *訳(樹生和人)*正しくない可能性が高いです。注意してください。

ここからは不肖、樹生が語っていきます。
今から語るのは、樹生の解釈であって、ホンダがそう言っているのではありません。
以下の文の責任はすべて樹生にあり、ホンダとは無関係です。
くれぐれも、よろしくお願いいたします。

*注意!*  樹生はただのいちモーターサイクルファン。ど素人です。
         樹生の解釈や、説明には間違いが含まれている可能性があります。
         鵜呑みにしないでください。


動画を見ていただければ一目瞭然なのですが、
今回のホンダの技術のキモは「重心コントロール」ということです。

リンクを介したフロントフォークの接続によって、キャスターが可変になっており、
低速域ではキャスターが寝て、トレールがネガティブ(逆)になります。
乱暴に言えば、バックさせているときと同じような状態になるわけです。
(ただ、キャスター角は逆でなく、そのまま強くなっていますから、正確にはだいぶ違いますけど…)
逆トレールだと傾いた方にハンドルを切るとバイクが起きてくる。この効果を使ってバランスをとるというのです。この方が、低速域でバランスを摂りやすいのですね。

(なぜ、トレールがネガティヴになると、微速域で安定しやすいのか、きちんと説明するには、紙幅をとりすぎるので、今日は割愛します。)

そして、それを技術的に可能にするのが、「ステア・バイ・ワイア。」
ハンドルを切っても、ホイールは向きを変えない。
ハンドルを切らなくても、ホイールはモーターによって向きを変える。

動画ではとても分かりやすくなっています。

むろん、どんな時もハンドル操作を無視するわけではありません。(と私は考えます。)
ハンドル入力を電気信号としてキャッチ、その「意志」を考慮し、
最適なハンドル切れ角を、モーターが行うのです。

1 ステア、バイ、ワイア、 
2 ステアリングモーター、
3 可変キャスター(バリアブルスラントアングル=柔軟に傾き角を変える)システム。

この3つを、バイクの状況とライダーの意志に応じ、総合的に制御するのが
「ホンダ ロボティクス テクノロジー」というものらしいです。


たとえば

渋滞路、のろのろが続き、信号待ちも頻繁に…。
こういう時、この「ホンダ ライディングアシスト」であれば、
微速でもステアリングを切ってのバランス取りはバイクがやってくれます。
神経をすり減らすことなく、ゆっくりと、周囲の交通状況や安全に気を配って、
アクセルとブレーキなどの速度のコントロールに気を配っていればいいわけです。

このホンダライディングアシスト装着を前提としたライディングに慣れてくれば、微速粋では、無駄に力まないで車体のセンターに乗り、リラックスしていれば、バイクの方がバランスをとって、微速で前進してくれます。曲がりたいときには、曲がりたい方向へ体重を傾けるか、ハンドルを切るようにすればいいだけで、微速で穏やかなアシストを受けて、安全にスムーズに走ってくれますね。

これは誰にでも優しい技術となります。そして、安全性が大幅にアップし、疲労度が激減するので、疲れによる事故も減るでしょう。

すごい技術が出てきたものです。
まさに、FUN RIDING FOR ALL(すべての人にライディングのよろこびを)です。


ただ、問題というか、疑問というか、今日時点では不明な点も、もちろん多くあります。

・正レールと逆トレールの切り替え時の過渡特性をどうするか。
・微速から猛ダッシュとか、急にUターンして加速、みたいな状況ではどうなるのか。
・旋回した状態から停止するとき、どうなるのか。

ホンダの技術解説、もっと詳しいものが、バイク雑誌などに乗るのでしょうか。
また、HP上でさらに解説があるのでしょうか。

注目していきたいと思います。

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