2017年5月31日

雨曇り晴れ雨(2)タイヤ、ワインディング・テスト

当別を出て、国道275を道なりに進む。雨はたちまち本降りになった。
雨合羽のありがたさを痛感する。
3Lサイズを買ったのは正解だったが、バイク専用でない、一般用の安い合羽にしたためッズボンの丈が乗車姿勢では短すぎる。まあ、しかたないとしよう。
空知地方に雷注意報が発令されている。
少し走ると雨は上がり、また急にざっと降ったりもした。
道の駅、「田園の里うりゅう」でトイレ休憩とした。
2017/5/28 7:20

さらに北上。雨は上がったり降ったりを繰り返す。
北竜町を過ぎ、国道233との交差点から道道867号に入ってさらに北上。
すぐの所にある、「萌えの丘」に立ち寄った。
2017/5/28 7:51

2017/5/28 7:51
田んぼは水が張られ、田植えが進んでいた。
ちょっとだけ、雨を運ぶ冷たい風に吹かれてからまた出発した。

恵比島駅(「明日萌駅」としてドラマで使われ、そのまま保存されている)手前から道道867をそのまま北上、「ほたるの里」幌新温泉を過ぎたら、一気に厚い雨雲のさなかに突入したようで、激しく雨が打ち付けてきた。
ここからが今日のワインデング区間なのだが、今日はヘビーレインでのワインディング走行になりそうだ。

2017/5/28 8:10
ポロピリ湖の展望台へ立ち寄る。
ここでは雨は小降りだ。
今日は局所的に降り方が違う。
後ろに見えているのはポロシリ湖だが、これはダム湖だ。

2017/5/28 8:17
ダム湖の湖畔を北上していく道道867の途中で。

達布峠を越え、小平方向へ下っていく。
予想よりも路面はいい。
下っていくと雨は上がってきて、乾いたところも出てきていた。
まさに目まぐるしく変わるコンディションだ。

ウェット路面ではそんなに深いバンク角では走らない。
浅めのバンク角で、もしもずるっときたとしてもカバーできるような体勢で走ることになる。
怖がって加速も減速もしないまま固まってコーナリングしてしまうのはかえって危険だ。
強すぎないようにしながら、しっかりブレーキングし、しっかりトラクションをかけて、パーシャル区間をほとんど作らないようにして走る。
そうして走ると、前後タイヤはしっかりグリップ感を伝え、滑る兆候も示さなかった。
つるつる来そうな感じがない。
落ち着いたコーナリングするなら、このタイヤは雨のワインディングでも、十分に走って楽しい。
やや強めのブレーキング、少しだけ深めのバンク角も徐々に試してみたが、不安な感じはなく、安心して走れた。
これはツーリングスポーツ向きだ。

達布で道道126号線に合流する。そこで止めて、タイヤをチェックしてみた。
道道126号は乾いている部分が多かったが、ちょっと前に結構激しく降ったような雰囲気だった。
2017/5/28 8:34

2017/5/28 8:34
ほぼ、ウェットを走ってきて、最後にちょっと乾いた路面を走った感じ。
タイヤ温度はさっきよりは上がっているが、まだ「ほんのりあったかい」というレベル。
やはり雨の水冷効果は大きいのだろう。

タイヤ表面を見てみると思ったよりもショルダー近くまで接地している。
ウェットとはいえ、交通量皆無のワインディングで少しペースが上がったため、バンク角はそんなに深めていなくても、旋回中の荷重はかかっていたということだろうか。
それでも晴れた時のようなやや青くなるような変化は見られなかった。

2017/5/28 8:44
道道126を行くとすぐに小平ダムに出会う。ダム湖の名前は「おびらしべ湖」僕の持っている2007年版のツーリングマップルには「道内最長900mの湖上橋」と書いてあった。

そこからさらに北上。
霧平峠を駆け上がり、北へ下っていく。
合流地点まで来た。
雨は降ったりやんだり。
路面はドライ路面と湿った路面が交互に現れた。
2017/5/28 8:55
国道239との合流点に到着。ここから左へ。苫前方面へ向かう。
ラスト数キロは基本的にドライ路面だった。
新タイヤで1000km弱だが、現在の表情はこんな感じだ。

2017/5/28 8:56
フルバンクした時に支えるショルダー付近にみぞがない!と不安になりそうだが、
雨の時にここまでフルバンクしないだろうから、実質問題にはならないということか。
中間的なバンク角では、今のところ、ウェット性能も非常に高いと言っていいと思う。
割と強くトラクションをかけて旋回しているが、温度と濡れたせいもあるのか、やはり溶けるような減り方はしていない。オイル分もそんなに多くは見えない。
しかし。ぼそぼそというわけでもないのだ。タイヤコンパウンドの世界はかなり進歩しているようだ。
溝の角のところが、片方は削れ、片方は伸びるかのようになっているが、これはトラクションのせい。僕の経験から言うと(たいした経験じゃないんですけど^^;)この角の減り方はそんなに早い方じゃない。つまり性能を長期間発揮できるのではないかと、期待したくなる感じだ。
2017/5/28 8:56
フロント。
フルブレーキングとまではいかなくても、今年一番のブレーキングの負荷を何回もかけてみた。腰砕けにならずにしっかり踏ん張る。
センター付近のブロックが縦方向になっているのも、直進時の強めのブレーキングの味方になっているかもしれない。
前後の銘柄の違いからフロントが負けてアンダーステアが出るのではないかと思っていたが、僕のレベルでは気づかないというか、気にならない。
これはもともとリヤ重視の設計がなされているV7に、僕がまた、ライダーとしてはリヤ重視の乗り方をするタイプで、ブレーキング時以外はできるだけフロントに仕事をさせないようにしている傾向があるので、なおさら感じにくいのかもしれない。
もしも現代的にフロントから曲がっていく車体をもっていて、ライダーも前に着座し、ブレーキングをクリッピングまで残して(今流行っているらしい)フロントを積極的につかうコーナリングをするタイプの場合は、もっと違う感想になるのかもしれない。

雨の中、マージンをいつもよりもさらに大きく取りつつのテストだったが、この前後タイヤはやはり「クイックな感じではない」とはいえると思う。
安定性の強いタイプだ。別の言い方をすると、もさっとしているとも感じるかもしれない。
剃刀のような鋭い切れ味を求める人には向いていないと思う。
安定性をベースにして、ライダーが曲げていくタイプのタイヤだと思った。
その分、ツーリングに使うなら、疲れないし、安全でもあると思う。
やはりピレリ(スポーツデーモン)の方がライダーの入力には気持ちいいほど、素直にすぱっと反応してくれたような気がする。

グリップ力や乗り心地などはいいから、ライダーは安心して操れるというわけだ。
なんというか…柔らかい木を彫刻刀で削っていくような感じだ。
カッターではなく、小刀で鉛筆を削る感じと言ってもいいだろうか…。

長時間走り続けて疲れた中でもライディングしていくような時には、こんなタイヤの方が使い勝手がいいだろう。
しかし、晴れた日、最高のマシンと最高の路面、シチュエーションで無心に走り回るような、あの快感はあまり求められないと思う。

いやでも印象的だったのはフロントタイヤの耐ブレーキ荷重能力だった。
かなり効く。
大昔になってしまうが、GPz400F―Ⅱに、初代のダンロップ、アローマックスやブリヂストンバトラックスなどだとフロントロックするような減速Gでも、平気で路面をとらえ続ける。
今日も本当のフルブレーキングには至れなかった。

さあ、一休みしたら苫前に向かってまた走ろう。
この霧立国道もワインディングが続いているのだが、ここから先は飛ばすと速度が出過ぎて危険だ。ゆっくり流して、日本海をめざすことにする。
(つづく)

4 件のコメント:

  1. 樹生様
    こんにちは、ST4です。
    メッツェラーインプレ楽しく、興味深く拝読させて頂いております。
    雨のようですが、写真を見る限り、
    結構な荷重をかけて使っておりますね…(笑)さすがです。

    以前のピレリのインプレも拝読させて頂いておりましたが、
    私も偏減りしてもリーン時の違和感が少なく感じた事、
    全路面状況において不安が無い事に加え、ある程度タイヤが温まる乾燥路面状況での、
    スポーツ走行時のグリップ感がとても楽しく、このプラスアルファでピレリが好きです。
    メッツェラーはラジアルしか経験がないので、摩耗が進んだ際のインプレも是非
    お願いしたく存じます。
    ラジアルでは、どのリーン角度でも安心感があってとても好印象でした。
    自分のタイヤサイズでは残念なことにピレリも無くなってしまったようで、
    今回はブリジストンを試します。
    合羽は私も今年更新し、ワークマンの合羽を試します。

    やっと新緑の季節となり、気持ち良くなってきましたね。
    草木の香りも漂うようになって来ました。
    でも今年は鹿が多い気がしますので、
    樹生様もお気を付け下さい。

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    1. ST4さん、こんにちは。

      実は、結構速く走っております。(^^;)
      ところどころ現れるドライ路面では、
      久々にフレームがよれてうねうね言ってました。

      私も、メッツラー好きですが、V7に本当に会うのはピレリではないかと
      ひそかに思っています。

      今度の週末も雨みたいです。
      それでも、少しだけ、走りたいと思います。

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  2. 日曜日。仕事場から外を見ていると、くもり、雨、晴れと目まぐるしく天気は変わり、路面も乾いたり濡れたりを繰り返していました。
    自分は雨天時の走行をまったく楽しむことができない質で、あの天候の最中かなり遠くまで走りに出ているというのは大変な驚きを覚えました。
    釈迦に説法かもしれませんが、走行中であればフロントタイヤが排水した路面の上をリアタイヤが走ることになるので、リアタイヤにはショルダーに溝がないもの、もっと大胆にセンターに溝がないものすらあります。
    これは走行時はいいのですが、完全停車から発進するときにグリップがないので注意が必要になります。
    自分はかなり前に踏切待ちからゴムのような路面で発進した時にズルっとなったことがありました。

    ゆきかぜ号のタイヤの組み合わせは自分のCBのPL3/RS3の組み合わせにちょっと似ている感じで、興味深く読ませて頂いております。
    あと、もしよろしければ履いてらっしゃる靴、タイオガブーツ ワイドの雨天性能についてちょこっと書いて頂ければ幸いです。
    足元防水に悩んで数年。ゴアテックスのオーバーソックスを買ったのですが、ゴアテックスのブーツで一度失敗しているので。

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    1. 緒崎松倉さん、こんにちは。

      雨は、昔から好きなんです。
      どうしてか、わからないんですけれど。

      そうですね、GPZ1100で履いていたことのあるメッツラーZ6は
      リヤにセンターグルーブがありませんでした。
      2009年に南東北、北関東のツーリングに行ったとき、
      ヘビーレインの福島の峠でリヤがずるっときてもう少しで転びそうになったことがあります。
      あの時は肝を冷やしました。

      タイオガブーツワイドについて、近々、記事で書きます。
      今のところ、防水は完璧です。

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