羊蹄山に朝日が当たり、カルデラ盆地は、まだ、光を待っている。
霧が村にうっすらかかっている。
話をし、「また、どこかで…」と声を掛け合っている。
もう一組、4人くらいの、少年たち。
自転車で上がってきたようだ。
中学生くらいか。
元気な子たち。
写真愛好家の人が少年たちに声を掛け、記念撮影をしていた。
僕は一人、少し離れて。
ゆきかぜを停め、黙って風景を見ていた。
心温まる交流。
マナーのよい、品の良い写真愛好家の人、もう一人の人。
元気で、でも礼儀正しく、節度ある少年たち。
そして、その場にそぐわない、僕。
屈託のなさ、素直で上品な明るさに、素直に入っていけない。
でも、居心地が悪いわけじゃない。
彼らが嫌いなわけでも。
なんとなく、今、誰とも話したくなかった、口をききたくなかっただけだ。
冷水峠を下りる。
カルデラ盆地の中は、静かだった。
秋は、歩みを止めない。
ゆきかぜのエンジンを切ると、静かさがあたりに戻る。
風もなく、鳥の声が聞こえるだけ。
2020/09/20 6:28 |
3年経ったクシタニ、ステアグローブ。
ライディング、ドライビング、除雪、町内清掃、毎日のように酷使され、左手の人差し指の横の革が、一か所破れて、小さな穴が空いた。
今シーズンで引退かもしれない。
ゆきかぜは、たくましく、清楚だ。
強がらないその姿、ちょっと気取ってかっこつけてる、そのてらいも、好きだ。
空気がひんやりしている。
盆地の寒暖差が、おいしい野菜を育てる。
|
学校の塔が見える。
東の丘には、霧がかかっているようだ。
2020/09/20 6:33 |
西の丘、いつもちょっと停めて、休ませてもらうところで、今日も停まって。
冷水峠が見えている。
霧は、あと1時間くらいで消えるだろう。
朝露が光る。
触ると切れそうな、イネ科の草。
もう何年通っているだろう。
願わくは、これからも。
6時40分。
さあ、走り出そう。
(つづく)
0 件のコメント:
コメントを投稿