2020年9月22日

秋の真ん中(2)

 
2020/09/20 6:04
赤井川村、冷水峠に着いた。
羊蹄山に朝日が当たり、カルデラ盆地は、まだ、光を待っている。
霧が村にうっすらかかっている。


2020/09/20 6:04

峠の展望所には、写真愛好家と思われる人が二人。二人とも車で、別々にきたようだ。
話をし、「また、どこかで…」と声を掛け合っている。

もう一組、4人くらいの、少年たち。
自転車で上がってきたようだ。
中学生くらいか。

元気な子たち。
写真愛好家の人が少年たちに声を掛け、記念撮影をしていた。

僕は一人、少し離れて。
ゆきかぜを停め、黙って風景を見ていた。

心温まる交流。
マナーのよい、品の良い写真愛好家の人、もう一人の人。
元気で、でも礼儀正しく、節度ある少年たち。


そして、その場にそぐわない、僕。
屈託のなさ、素直で上品な明るさに、素直に入っていけない。



同じような写真を、何枚も撮ったりした。

でも、居心地が悪いわけじゃない。
彼らが嫌いなわけでも。

なんとなく、今、誰とも話したくなかった、口をききたくなかっただけだ。

冷水峠を下りる。


2020/09/20 6:17

空は朝の色になり、やがて光の中に深い色を失っていく。

カルデラ盆地の中は、静かだった。


2020/09/20 6:18

草々が、秋が進んでいることを、知らせる。

秋は、歩みを止めない。


2020/09/20 6:25

西の丘に行ってみた。

ゆきかぜのエンジンを切ると、静かさがあたりに戻る。



2020/09/20 6:28

風もなく、鳥の声が聞こえるだけ。




2020/09/20 6:28

3年経ったクシタニ、ステアグローブ。
ライディング、ドライビング、除雪、町内清掃、毎日のように酷使され、左手の人差し指の横の革が、一か所破れて、小さな穴が空いた。
今シーズンで引退かもしれない。

ゆきかぜは、たくましく、清楚だ。

強がらないその姿、ちょっと気取ってかっこつけてる、そのてらいも、好きだ。


2020/09/20 6:31
南西方向、雲が低くたなびき、取り入れの終わった畑は、黒い土の色を見せて。

空気がひんやりしている。

盆地の寒暖差が、おいしい野菜を育てる。



2020/09/20 6:33

学校の塔が見える。

東の丘には、霧がかかっているようだ。


2020/09/20 6:33

西の丘、いつもちょっと停めて、休ませてもらうところで、今日も停まって。
冷水峠が見えている。

霧は、あと1時間くらいで消えるだろう。


2020/09/20 6:37

朝露が光る。

触ると切れそうな、イネ科の草。



2020/09/20 6:39

この落葉松の杜が、目印。

もう何年通っているだろう。

願わくは、これからも。

6時40分。
さあ、走り出そう。
(つづく)

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