2021年1月14日

ここ数年の樹生ライド。(1)転倒の思い出より。

 「樹生ライド」なんて、そんな大それたものがあるわけではありません。
ここ数年の自分のライディングの携行を見直してみようという試みです。

2013年に今の愛車、MOTOGUZZI V7Specialに乗り換えました。
丸8シーズンが過ぎ、走行距離は約3万5千キロ。
8年にしては少ない方かと思います。
雪で一年のうち5か月は乗れないのですが、それでも年間数万キロという人も、北海道ではたくさんいます。

それで、転倒歴が2回。
2回とも2013年で、2回ともいわゆる「立ちごけ」です。
(すみません、今回は長い駄文です。(><)
一回目は、買って2ヶ月半クライの時、未舗装の林道へ入り込んで、急坂で停まり、脚を着いたら滑って転んだもの。


2013年のお盆のことでした。

もう一回は、2013年秋深く…だったかな?
職場の駐車場から出るときに、エンジンを掛けないまま押していき、小走りにして速度を上げ、そのままひらりと跨ってギアを入れてクラッチをつなぎ、「押し掛け」をしようとしたら冷えてたエンジンに火が入らず、いや、入ったと思ったとたんに落ちて、バイクは止まり、そのままころんと倒れた…というカッコ悪いもの。

ホント、やれやれだぜ。

幸い、車体に大きなダメージはなく、タンクやサイドカバーも無傷だったのですが、精神的ダメージが大きかった。
なに調子に乗ってんだ…という。

それ以降は、運がいいことに、一度も転倒無しでここまで来ました。



前の愛車、GPZ1100では、結構転びました。
印象に残っている転倒をいくつか挙げると、

大夕張と桂沢湖を結ぶ国道452号線の直線のトンネルの中で、フロントブレーキをかけたとたんに足をすくわれたようにフロンとから転倒。バイクとライダー(私)はトンネルの中を相当に長い距離滑走して停止。
対向車がいなくて、後ろもいなくて、直線で、まっすぐ滑って路上で停止したので、事なきを得ましたが、一歩間違えば命がなかったかも。
そのトンネルは路面がぬれていて、確認すると歩いても油断すると滑るくらいつるつるというか、ぬるぬるの路面でした。
本当に危なかった。
バイクはポイントカバーが路面と擦れて削れてしまい、そこからオイルが漏れてくる始末。
小さな穴だったので、詰め物をしてビニールテープで何重も貼って自走で帰りました。
この時、背中で相当滑って止まったのですが、ダイネーゼの脊椎パッドを背負っていたので、背中は傷なし。コミネの皮パンツとクシタニのレーシングブーツを履いていて、それらも擦り傷だらけになりましたが、怪我はありませんでした。
上に羽織っていたメッシュのジャケットは擦れまくってところどころ破れてしまいましたが、それでも溶けてアスファルトみたいにならず、破れも僅かだったのは、さすがライディング専用のメッシュジャケットで、これも助かりました。
かぶっていたヘルメットはアライのRX-7Ⅲ.これも表面に擦り傷が付きましたが、頭も無傷。
グローブはクシタニのグローブ。これも破れず、手も怪我せず。
本当に装備のおかげで怪我がありませんでした。
以降、トンネル内の濡れた路面は、ただ濡れているだけでなく、相当に滑る可能性あり!と、警戒して走るようになりました。

10年くらい前の11月4日…だったか。
気温は下がっていたものの、まだ積雪はなく、バイク通勤行けるだろうと判断して走り出したものの、風通しのいい斜面の道の一部だけ、路面が凍結していて、そこで転倒。
時速20kmくらいだったのと、やはり朝の通勤時間帯とはいえ、後続の車がすぐ来てなかったのラッキーで、ただの転倒で済みました。
あぶなかった。

20年以上前、広島に住んでいた時の九州ツーリング。
熊本市のビジネスホテルに宿を取って出発した朝。
その時のツーリングは前日とその日が雨。それも結構な本降りの雨でした。
海近くの脇道を走っていた時、前方に道一杯で長さも10m以上の水たまりを見つけ、深さが分からないから、突っ込まない方がいいと思ってブレーキングしたものの、水たまりの手前で止まり切れず、水たまりに入り込んでしまったところでフロントがグリップを失い、転倒。
カウルが割れ、擦り傷もつきました。

買って数年、広島市街地で道路の左端をすり抜けで走っていて、交差点で絵にかいたような右直事故。直進の私と、車の列が停まったので、その隙に…と右折してきた乗用車との衝突。
これも双方用心して低めの速度だったので、バイクも車も衝突そのものの傷は殆どなし。転倒した時にウィンカーが割れ、マフラーに傷がつきました。
ライダーは無事。

他にもたくさんあったのですが。どれも、「もらい事故」ではなく、自分で避けようと思えば、避けられた転倒。
つまり、運が悪かったのではなく、心得というか用心というか、危険を察知して危険回避する運転(「今日は運転しない」も含む)ができなかった、足りなかったのが原因でした。



ひとつずつ、経験から学んで、走行時のリスクを減らそうとしてきた…。

それがある意味でこの20年のライドだったのかもしれません。

結果、2013年以降は転倒ゼロになっているのですが、これも、すべての危険回避ができるようになったからでも、いつでも油断なく走れるようになったからでもなく、油断してしまったときにたまたま事故になったり、転倒したりする要因が揃わなかっただけ…と言えると思います。

ま、しかし、22歳でバイクに乗り始めてから、今年で36年経ったわけですが、年々、ヒヤリハットは減少してきているのは、確かです。



できれば、転倒の経験なく、頭で理解し、ハートでイメージしつつ、転倒しないように運転を変えて(向上させて)これればよかったのですが、私の場合、転倒の苦い思い、悔しい思いから、そんな思いはもう二度としたくないと思って、似たようなパターンの時は気をつける…という方式で、徐々に転倒を減らしてきたような気がします。

一回の転倒で命を失うこともあるのですから、これは全然望ましいことではありません。
お薦めもできません。

ただ、その蓄積が、今日の私になっている…ということだと思います。

それから、思い出してみると、本気で飛ばしている時の転倒って、ないんです。
正確には、25歳の時に一回あります。でも、これは、気が抜けたときでした。
私のバイクの先輩にYさんという人がいるのですが、Yさんも本気で飛ばしている時は、転ばない。と言っていました。

そもそも「本気」って何だったんだろう。
ただ時速〇○kmという速度を上げることではなかった。
でも、昔のことですが、決して褒められた走りでもなかった。

それでも公道で「本気」という時、Y先輩や、私に共通していたのは、(というより、Y先輩に教わったというべきでしょう)全力で(生きて)速く走れということでした。
無茶、無謀は、安全に関して運任せになっており、そんなものは「本気」とは呼べない。
そんな気持ちがありました。

時代もあったと思います。

現在では、そうであっても、公道上で「飛ばす」というのは、もう御法度となった、と言っていいでしょう。
私ももう、かつてのように飛ばすことは、二度とないでしょう。

それでも、安全運転のなかに「本気」という要素は、存在すると考えていますし、
安全運転=ただ法定速度を機械的に守る…とは、考えていません。

例えば、
制限速度50kmでも、30km以下に落とさなくてはならない場合もあります。
絶対制限速度を超えないと主張する人のなかに、こういう場合でも、自分が正しいからと
制限速度内で速度を落とさない人がたまにいます。
誤解を恐れずに言えば、
命がかかっている混合交通の中では、正しければいいなんて甘えた考えでは、
生き抜いていけないのです。

おっと、今日も話があらぬ方向へ飛んで行ってしまいました。
今日はこれくらいにしておこうと思います。

こんなこと書いていて、来たる今年のシーズン一回目で転倒するかもしれない。
そう、常に転倒する可能性はある。
どうやって、その可能性を低くできるか…という話なんです。

2 件のコメント:

  1. 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

    転倒は気が張っている時はしない気がする。
    逆に体調が悪かったり、気乗りし無い時に起きる感じがします。

    六感って在るような気がしますネ。
    転倒して骨を折ったライダーいちより(笑)

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    1. いちさん、今年もどうぞ、よろしくお願いします。

      集中力が落ちるとき…と考えると、「疲労」ですかね、
      体調もダウン、「気乗りしない」にもなりやすい…。

      日常生活の中の疲労は、避けるにはかなりの工夫が要りますが、
      ライディング中の疲労に関しては
      避けるのにだいぶノウハウもたまってきたように思うので、
      またいつか機会があれば書いてみたいと思います。

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