2021年2月18日

ここ数年の樹生ライド(6)割り込まれない。割り込ませる。

 街中の場合が多いのですが、バイクでも車でも、片道2車線以上の道を走っていて、前走車との車間を適切に保っていたら、いきなりその隙間に自分の車体をねじ込んでくる車がいます。
たいていの場合、そういう車は後方から、そういうことを繰り返し、車線変更を繰り返しながら並んで前に出たら鼻先をねじ込み、前へ前へと進んで来ます。
ギリギリのところでねじ込まれると、危ないし、びっくりするし、ひやっとするし、腹も立ちます。
対処法としては、二つ。
ひとつめは、
ねじ込まれないために、間にねじ込めないくらい、前走車との車間を詰める。
ちょっと、意地悪ですが、ついやりたくなる対処法です。
でも、この方法、それでも相手がねじ込んできた場合、自分にとっても相手にとっても、もともと自分の前にいた車にとっても、また自分の後ろの車にとっても、リスクが大きくなります。
さらに、相手がまともな人間でなかった場合
(こんなことを書くのはよくないのですが、公道上ではそういう想定も大事なんです。)
入れなくしたことに腹を立て、憎悪に燃えて、こちらを攻撃することに目標をチェンジすることがあります。

あんまり危険な運転だと思った場合は、その場で車を停め、警察に通報するのが正しい対処のようです。
素人が決して、対抗しようとしたり、諭そうとしたりしない方がいい——とは、警察の方が言っていたことです。

それほどでもないが、ねじ込んできそうだ……そういうオーラを発している車が近づいてきた場合、第2の対処法を使います。

それは、「割り込ませる」というもの、
鼻先にねじ込んでくるような車は、後方から接近してくる時点で既にそういう雰囲気、オ―ラを発していることが多いです。
接近を察知したら、自分の後方の車が驚かないように、かつイラつかせないように意図的にほんのわずかアクセルを緩め、自分の前走車との車間を広げておきます。早すぎても遅すぎてもいけないのですが、割り込んできても自分にも当該車にも、自分の前走車にも危険を感じさせない程度、急ハンドルを切らせない程度まで空けておくようにします。

そう、不本意に割り込まれたりしたい。
そういう時は、こちらから敢えて、安全に割り込ませる。
状況をできるだけ安全に、自分で作り上げていくのです。

ただこれ、空け方が足りないと相手に急ハンドルを切らせることになり、却って危険なこともありますし、大きく空けすぎると、その前に他の車が入ってきたり、自分の後ろがイラついてきたりと、ちょうどいいタイミングでちょうどいいだけ空けるのは、実は相応に難しいのです。

黙っていても無理やり鼻先をねじ込まれて急ブレーキをかけさせられたり、そのあおりで自分の後ろが急ブレーキになってコントロールを失ったり、または自分に追突してきたり…ということを避けるために、危険回避的に行う行為です。

自信がないときは、「来るかも…」と心準備しつつ、「何もしない」のがベストの時もあります。

そういう状況判断、周囲の交通の読みは、意識して経験を積んでいくことで少しずつ養うことができます。

バイクの場合、できる限り、自分の状況を自分の意志で創り出しておくことが、安全マージンを大きくとることに直結します。

追い抜かれるのではなく、追い抜かせる。
割り込まれるのではなく、割り込ませる。

この呼吸を読みつつ走る。それ自体、サバイバルでもありますが、街乗りを楽しく変える方法論でもあります。

たまに、ぶんぶん割り込み、車線変更しながら迫ってきた車も、ただ乱暴なだけでなく、実は本当に急いでいただけ…という場合もあります。
もちろん急いでいるからといって、危険走行は許されません。
しかし、そこまではいかないが、早く前へ出たい…という車やバイクはいるわけで、
そういう時にこの「ゆずり」の技を使うと、気づかれないようなかすかで穏やかな場合でも、察知して「ありがとう」のサインを返してくれることがあります。

そういう車やバイクは、早くてもきちんと安全マージンを取り、極力相手をびっくりさせたり怖がらせたりしないようにしつつ、先を急いでいます。

あ、通じていたか…。

ちょっとだけ、にやっとする瞬間です。

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