2021年7月16日

夏の輝き1


7月14日。今日は休日。仕事を辞める前は、平日に休みなどなかった。

朝7時半。ゆきかぜと通勤で混み始めた街を走り出す。
今でも通勤時は6時台に移動している。
いつもよりも車は多めだ。

札幌市から小樽市、朝里へ。そこから国道393号線で赤井川、倶知安町と走ってきた。

羊蹄山が今日も美しく、北山麓ではジャガイモの花が咲いていた。

ここは、倶知安町、瑞穂。
以前は、ここを「緑」地区だと思っていたが、調べてみると「瑞穂地区に入っていた。」
ここに僕が以前、「緑の白樺」と名付けた大きな白樺の樹があり、
僕のお気に入りなので、今日もちょっと寄ってみようと思ったのだった。

しかし、大きな白樺なので、遠くからもよくわかるその姿が今日は見つからない。

あれ?道を一本間違えたかな?
今日は地図(ツーリングマップル)を家に置いてきてしまったからなあ…。

と、思いながら、いや、ここら辺のはずなんだが…と、畑のきれいなところでゆきかぜを停め、写真を撮って、ちょっと歩いたら、やはりここだったのだ。
「緑の白樺」を見つけた。


でもそれは、切り株だった。
伐採されていたのだった。

白樺はパイオニアプランツ。
やせた土地でも、すくすく育つ。
成長は早く、幹は脆い。スカスカで建材にも家具にも使えず、薪としても火持ちが悪く適さない。そして寿命は短い。
荒れ地を緑の育つことのできる環境に少しだけ変えて、自分は枯れていくのだ。

もしかしたら、倒壊の危険があったのかもしれない。
その理由はわからないけれど、とにかく、緑の(ホントは瑞穂の)白樺は、なくなっていた。
切り株からひこばえが出てきている。
何事もなければ、2世としてこれから育っていく。

ジャガイモの可憐できれいな花と、向こうにそびえる羊蹄山。
夏の、夏だけの匂いのする風。
朝だというのに、黙っていても汗が出てきそうだ。

短い夏。

白樺を思い出しながら、しばらく風に吹かれていた。



そこからちょっと進むと、いつも僕が立ち寄る、もう一つの羊蹄山ビューポイントがある。
ここは誰にも紹介されていないから、僕が勝手に眺める場所と決めているだけだ。
道は農道。
脇に流れるのは、倶知安観戦用水路。
一昨年だったかな、ここでカモか何かの親子を見かけたのだ。


今日はカモが見えず。
その代わり、快晴の空の下に、ドーンと羊蹄山が構えていた。

大きいなあ。

なあ、ゆきかぜ。

さあ、今日は何年かぶりに尋ねてみたいところがある。
いつもは人が多くて行かないんだけど、平日の10時前なら、空いているんじゃないだろうか。

行ってみようか。ゆきかぜ。

(つづく)

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