湖畔を走る道は、何回走っても、いつ来ても、美しく、楽しい。
そろそろ、お昼にしよう。
緊急事態宣言下、予め買っていたセイコーマートの100円おにぎり2つと、水筒のお湯でお昼にする。
おにぎりはおかかと山わさび。
湖畔のいつも賑わっているキャンプ場はロープが張られ、使用禁止に。
感染予防のためだ。
閉鎖されているキャンプ場から少し離れ、道端から湖面まで数メートル距離のある斜面に腰かけて、お昼ご飯にした。
この「山わさび」のおにぎりが、本当にわさびが利いていて、僕は一口ごとに悶絶して食べるのが大変だった。普通の寿司屋さんのわさびならなんてことなく食べられるのだが、この山わさびおにぎりは「本物」だった。うひー、つらい。よく見たら、「辛味の苦手な方はご注意ください」と書いてあった。
それにしても、こういうことろまで「本格派」!う~ん、さすがセイコーマート。
一口ごとに花の奥から後頭部を通して頭全体が、ぐひゃ~となる、この味。
わさび好きの人にはたまらないおいしさだろう。
わさび好きの人にはたまらないおいしさだろう。
うう、59にして、食の好みはおこちゃまな私。
そう、僕の好物は、甘い食べ物、甘い言葉、甘い態度なのだ。
今までよく無事で生きてこれたな…というくらいに。
頭を振りながら悶絶して水筒のお湯もすべての見切ってしまった。
さあ、帰ろう。
もう…何がなんだか、分からないような状態で、洞爺湖を後にして、帰っていく。
帰りも南羊蹄広域農道を通った。
そして国道276号線のいつもの羊蹄山が見えるスポットのまさにその場所で、
ゆきかぜのデジタル距離積算計が4万㎞を指した。
キリ番を写真に収めるのは久しぶりだ。
若い頃は、バイクで走ること自体、すごく特別で、1日、1日、1km、1kmがうれしくて、1000kmごとに写真を撮っていた。その頃は、もちろん、SNSもないし、誰に見せることもない。
でも、愛車と一緒に走った距離が増えていくことがうれしくて、ずっと撮っていたような気がする。
この5~6年だろうか、忙しく、自由に走ることもままならず、走っても、ゆきかぜとの積算距離に心が行くことは、あまりなかった。
距離系の針を進めるペースが遅かったことも、影響していたかもしれない。
いや、それとも、距離そのものへの気持ちが薄れて行ったのか…。
4万という数字に、特段の思い入れはない。
だが、ひとつの節目ではあった。
来年で10年目になる、ゆきかぜとの付き合い。
どれくらいの時間、どれくらいの距離を、走っていくのだろう…。
そんなことも、ふと、考えた秋の日だった。
(秋の青 完)
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