*この記事は、フィクションです。
例えばこんな、夜明け前の街の外れの、
電信柱と電線がうるさい幹線道路でも、
街路灯の光が少しずつ光を失なっていくかのように、
地平線の向こうから、
少しずつ、朝が来る、
その空気の中を疾走する感覚は、
やはりバイクでなければ味わえないものだ。
性能の悪い、古いデジタルコンパクトカメラ。
目一杯の解像度でも、ざらつく画像。
三日月と暁の星。
この画面から聞こえてくる音は、
やはりGPZ1100の腹に響く重低音。
カワサキインラインフォーのあの唸り声だ。
いつだって、旅がしたい。
そんな思いを抱いたままで、
夜明けの空気を全身で感じることもなく、
仕事に埋葬されるため、今日も街へ出かけていく。
それでも、聞こえる。
身体の奥底で、鳴っている。
今まで愛した女たちの声が、いつまでも耳に残るように、
今まで走った鉄馬たちの咆哮が、いつも僕の体の中で鳴っている。
オイノコは夜明けに吼える。
狼よ。夜が明ける前に、駆け出せ。
機生さん こんばんわ
返信削除ああ、これはカワサキの重量車のうなり。。。
それもリッター超えエンジン、大排気量4気筒エンジンの排気を
ナサートの図太いマフラー出口から低い声でうなりだされる。
静かに待つ信号。微動だにしない車両なのに、地面と心身が
静かにうなっている。
機生さんのGPZはワタシの知らないこんな時間を過ごしていたので
しょうね。
ワタシのZ2も920cc。ノーマル4本マフラーからRS独特のヒュルヒュルという
サウンドでした。
静かに信号を待つ間、遠く先のテールライトをすでに視野にとらえて
眼を細めることがなんどもなんどもありました。
そして、ニュートラルからローギヤへ例のガッシャンです。
カワサキの音ですね。
来週からは師走ですね
kaoriさん、こんにちは。
返信削除カワサキのインライン4の音には、野性を目覚めさせる何かがあったように思います。
Zから始まり、水冷のGPz900R以降になっても、変わらないカワサキだけのあの音。
分厚いスリーブ。重く、厚いエンジンの壁。過剰品質。
本気で走った時には、負けたことはなかった。
あの鉄の塊。
性能では負けても本気度で勝つ。
背負って来たものの重みで勝つ。
おだやかな形と明るい色の背後に、GPZ1100は
カワサキの魂を隠し持っていました。