冬仕舞い。

11月24日（金）　くもり。
今日は出勤がない。久々の「休み」だ。デスクワークは山積しているが、疲れすぎて頭が全く働かない。
意を決して（？）、またまた逃避することにした。
昨日外したゆきかぜ号のバッテリー端子を再び繋いで、ちょこっとだけ街を一走り。
今シーズン、最後のライディング。

札幌市の大通にでかけた。

「小春日」のツーリングでは朝、ちょっと寄り道したが、バイクでわざわざ大通りに出かけるこなど普段はなく、初めての訪問だ。

札幌都市部中心にある大通。市民の憩いの場になっていて、夏はビヤガーデン、2月には札幌雪祭りの会場になる。

若い頃、2年間ほど札幌に住んでいたことがあった。
大通には頻繁に来たわけではないが、公園のベンチに腰かけて本を読んだり、ワゴンのとうきびを買って食べたり、ジャグリングや音楽の練習に来ている人たちをただ眺めてぼーっとしたりしていたものだった。

欅（ケヤキ）の樹が並んで立っている区画がある。
他の樹が殆ど葉を落とす中、ケヤキの木はまだ色づいた葉を枝に残していた。
公園の噴水も、池も、もう冬囲いされている。

根雪になる日も近い。

日曜日、午前9時半を回っても、まだ公園は静かだ。
時折過ぎるジョギングの人。
日曜日も会議か、スーツにコートの中年男性3人組。
遠く、ベンチでギターを引いている人もいた。
足元に、ケヤキの葉が散り敷かれ、乾いた音を立てる。

大通の西側、ゆきかぜの影になっているが、大倉山とその向こうに見えている山にはうっすら雪が積もっている。
ビルを渡る風も、空も、すっかり冬の色だ。

しばらくの間、信号の切り替わり毎に流れては止まる、車の音を聞きながら、都会の冬の休日の空を楽しんだ。

少し移動して、別の公園へやってきた。
ゆきかぜを停め、イグニッションを切って、押して歩く。
ＧＰＺ１１００では重くてできなかった、歩道の押し歩き。
もちろん、通行の邪魔にならないように、てくてくと歩いていく。

この公園には、ヤチダモの大きな樹がある。ゆきかぜに見せようと、やってきた。
池のほとりに立つヤチダモ。
そばの柳はまだ青い葉をつけていたが、周りの木々は葉を落としている。
ヤチダモも、葉を落として、静かに立っていた。

舗道の側にカラマツの並木。黄色い葉を落として、道に筋が着いていた。
静かな公園。
人通りも少ない。
もう少し押して、公園を抜ける。
軽くないとできない、押し歩きの散歩。

家へ帰って再びバッテリーを外す。

サイドカバーを開け、留め金具を外し、マイナスから端子を外し、いったんリヤブレーキのリザーバータンクを外してバッテリーを下ろす。

再びシザーバータンク、留め金具を元の通りに留めておく。
前後ホイールを磨き、全体的に汚れを落としてふき取り、マフラー、エンジンには耐熱ワックス、
スイングアーム、フロントフォーク、フレームなどにはアルミ・プラスチックワックス、タンクやフェンダーには固形ワックスを掛けてふき取る。
各レバー基部、ステップ基部、サイドスタンドなどに給油。
タイヤの点検をし、カバーを掛けて飛ばないように固定し、冬仕舞いもおしまいとなった。

次に目覚めるのは来年の4月か。
1年目、３５２５ｋｍの走行で、ゆきかぜのシーズンは終わった。

おやすみ、ゆきかぜ。

近くの山の木々もすっかり葉を落とした。
初冬の一日。

おだやかな日だった。
明日からはまた、忙しい。