一日で1000km近く走る日帰りツーリングの朝。
早朝の待ち合わせは、これからの長丁場に、
旅立ちのどきどきと、浮かれすぎないようにとの抑制と、
長く走るんだとの気の引き締めが同居した、
独特の静かで穏やかな緊張感がある。
写真は去年の7月、札幌近郊から中標津の開陽台まで日帰り、940kmを走った時の朝の集合風景。
この時の僕はGPZ1100。
シルバーと黒のGSX-R1000、銀のFJR1300(タンデム)、手前のオレンジのホーネット250と、4台5名のツーリングだった。
この写真はオレンジのホーネットのライダーが撮ってくれたもの。
フルフェイスのヘルメットをかぶったまま深呼吸すると、自分の呼吸の音が聞こえてくる。
血液に酸素を与えて、手足の先、体の隅々まで酸素を運び、静かに全身を覚醒させていく。
早朝の静かなパーキングでないと、それはできない。
若い頃は、馬力だけで一日1500km以上も走れたものだったが、できるだけ疲労と闘わず、居眠り運転をしないようにし、安全に、旅としての1000kmを走りぬくならば、それ相応のバイク旅の技術も要る。
メンバーに恵まれ、充実した、楽しいツーリングになった。
誰にも無理をさせず、自分の力を誇示することもなく、隊として安全に、楽しく、走り続ける。
この日、僕は一度も先頭を走らなかったが、先頭を交代で切ったGSX-RとFJRの力量に支えられ、また、常に4台全体が視野に入っていて、その全体の走りをプロデュースし、互いに言葉を交わすことなく、路上の状況で判断し、シンクロして走って行くことの楽しさを十分満喫できた。
どんな一日になるのか、朝の段階では未知の一日。
しかし、この朝の写真を見ると、すでに帰りまでの20時間近くに及ぶ走りと休憩と語らいが組み込まれているかのようだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿