バイクを走らせる喜びはいろいろとあるけれど、例えばこういう1車線の山の中の狭い曲がりくねった道を、安全を確保し先に何があっても対応できるように用心しながら、かつ、小気味よく駆け抜けていくなんてのは、僕が昔からとっても好きな状況のひとつだ。
雨もまたいいものだが、こんなふうに天気が良くて、空が青くて木々の若葉が眩しくて、風が気持ちよかったりすると、体調の悪いのも吹っ飛んでしまう(…こともある)。
路面と、景色と自分のバイクと、リズムに合わせて、ダンスする。
誰と競うわけでもない。誰にひけらかすわけでもない。
流れる景色、すり抜ける風。緑の匂い。息づくバイク。
一切の無駄がない。いや、現実の生活からすれば、一切が無駄なのだが。
今、この瞬間に、自分は誰でもない、ライダーでいられる。
事故を起こさないように。
自分や他人の命を奪わないように。
それを胸に刻んで、バイクで走る。
どんなに走っても、決して逃げられない。
どんなに走っても、振り切れやしない。
それでも走る。
喜んで走る。楽しんで走る。
走ることで、見えることがある。
走ることで、わかることがある。
走ることで、つかめる何かがある。
「走りに行こう。」
青空が誘う。
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