2013年12月10日
地べたで食べる昼。
大人のツーリング、特に仲間と行くツーリングでは、楽しい昼食は欠かせない。
美味しいお昼があれば、さらに良い。
身近な人の話を聞いても、隠れた名店の蕎麦屋まで走って行くとか、隠れ家カフェとか、農家カフェとか、地元の自然の食材を生かした、安全でおいしいお昼をツーリングプランに組み込む素敵な人も多いのだ。
まだ僕が10代だった頃、自転車で、あてもなく、どこまでも遠乗りしていくのが好きだった。
通りかかった田舎の街の、小さな市街地(家なんて50軒くらいしかないみたいな)でも、それが旧街道沿いなら、食堂が一軒はあった。
そこに入って、ラーメンとか、親子丼とかを食べるのが好きだった。メニューにはない生卵を30円で追加してもらって。
今、そんな食堂はなかなか見つからない。
もう50代になった。1970年代なんて、ノスタルジックなものになってしまった。
結局一人の時は、どっかのコンビニとか、そこらへんの道の駅や、観光駐車場の売店なんかで、手軽に食べられるものを買うことが増えた。
どっこいしょと地べたに座って。
相棒の側で、もそもそと食べる。
店のおばさんとか、カフェの「あるじ」とか、「マスター」とか、「大将」とか、そんな人との粋な会話もない。
空の雲行きを眺め、風の湿り具合や、気温の変化を感じ、
道端なら通りをゆく車の音や、
山の中の駐車場なら、鳥の鳴き声や、虫の音なんかを聞きながら、
時折ちらっと時計を気にして。
もそもそと食べる。
そんなことが多い。
僕の、旅の昼飯。
旅はいつも、少し寂しい。
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