2014年12月14日

MOTOGUZZIV7Ⅱについて。(CYECLEWORLD誌の記事より。)

MOTOGUZZIV7は2015年モデルからV7Ⅱへと進化。
6段ミッション、ABS、トラクションコントロールを装備、エンジン搭載角度を4度変更(4度後継していたシリンダーを水平に置く)など、見た目はあまり変わらないものの、大きな変更をしてきました。
『CYECLE WORLD』「2016 MOTO GUZZI V7 II – FIRST RIDE」
の記事を見ながら、写真と記事内容を引用しつつ、Ⅱはどんなバイクなのか、考えてみます。


大きな変更点はさっき書きましたが、
1、6速ミッション
2、ABSブレーキ、トラクションコントロールの装備
3、エンジン搭載角度を水平に。
です。

サイクルワールドのウェブ上の記事によれば、
3のエンジン搭載角度の水平化はフレームのエンジンマウントの前側を下げたことによって成し、
その結果、エンジン出力を伝えるシャフトドライブやユニバーサルジョイント、ホイールの最終駆動ギアにとってよりよいアライメントを提供できたとしています。
角度に無理がなく、より効率的になったということですね。

写真はサイクルワールド「2016MOTOGUZZIV7 ファーストライド」から引用。

写真はモトグッチ2012年の頁の写真から引用。
上の写真がV7Ⅱ、下が僕のV72013年モデル。エンジンが水平になっています。
しかし、どうして2013年がそもそも後傾していたかというと、エンジンとドライブシャフト(スイングアーム)の角度が無理ないように合わせていたのではないかと考えられます。これはモトグッチサイドの説明ですが、ちょっとわかりません。細部のギヤや、加工精度など、改善を行って、駆動効率が向上した、と捉えていたいと思います。

水平にしてルックスも精悍になり、シート高も若干低くなった(31.6インチから31.1インチへ0.5インチダウン)(810mmから797mm程度か)とのことです。
その分、ステップを下げていて、ステップとシート間の距離はセーブ。足の長い人の居住性も確保したとしています。

写真はサイクルワールド「2016MOTOGUZZIV7 ファーストライド」から引用。
ブレーキディスクの内側に車輪回転のセンサーリング、ブレーキホースの側にセンサー情報を贈るためのケーブルが見える。

写真はサイクルワールド「2016MOTOGUZZIV7 ファーストライド」から引用。
リヤにもABSを装備。
ABSとトラクションコントロールの追加は、画期的な進歩だったとしています。
また、6速のギアボックスは、滑らかさと速さを兼ね持つものとして開発されたようですね。

『サイクルワールド』はアメリカの雑誌ですが、テストはトスカーナ地方で行われ、ものすごいうねりのある道路や、路面状況のいい道路などをロングライドしてインプレッションを伝えています。

V7Ⅱは現在と同じくストーン、スペシャル、レーサーの3モデル展開で、リアショックはレーサーのみがリザーバータンク付。
テストライドではバンプの多い道では松林の中を走るのですが松の木の根っこが路面を持ち上げてひどい凸凹になっており、速い速度で通過するとレーサー以外のリアショックでは凸凹を吸収できず、合格点はやれなかったと書いています。

写真はサイクルワールド「2016MOTOGUZZIV7 ファーストライド」から引用。
スペシャルのリアサスは2013型から変更ないように見える。しかし、ばねや減衰力はちょっと変えているかもしれない。

路面状況がよくなると、非常に快適で楽しいライドになったそうです。
ライディングポジションも改善されており、非常に自然でいい感じになったと伝えています。
僕の2013モデルは、ライディングポジションに少し違和感があるので(ステップが前すぎ、ハンドル幅が広すぎる)、実際どのようになったのか、興味があります。
トラクションコントリールは、車輪が跳ねまくるような松林のバンプだらけの道を通った時に、その有効性を確認できたとしています。

写真はサイクルワールド「2016MOTOGUZZIV7 ファーストライド」から引用。
48馬力のエンジンはトータルでアンチェンジだと書いていますが、これが全く変わっていないという意味なのか、全体的には変化なしとみなしていいという意味なのかは、英語力が不足している僕にはわかりません。

写真はサイクルワールド「2016MOTOGUZZIV7 ファーストライド」から引用。
ストーンのハンドル周りの写真を見る限り、ハンドル周りに変更はないように見えるのですが。
(ミラーは若干細長くスタイリッシュになったようにも思います。ストーンのミラーは鏡面以外の色が黒になっています。)

サイクルワールド誌の記事にもありましたが、V7はモトグッチの売れ線モデル。
ユーザーからの声をフィードバックし、基本的、日常的なモーターサイクルとしてより身近に、売れるように、ブラッシュアップしてきた、かつ、人気の外観については、できるだけ現行モデルを維持しながら、最小限の改善で(コスト的にも)変えてしまわないように注意し、グラフィックを工夫して、男性にも女性にも、若い人にも受け、歴史を知っている人にも訴えるような、そんなモデルにしてきたというこころでしょうか。

写真はサイクルワールド「2016MOTOGUZZIV7 ファーストライド」から引用。
これぞMOTOGUZZIというカラーリング。S1000を思い出す。
写真はサイクルワールド「2016MOTOGUZZIV7 ファーストライド」から引用。
この青もなかなかいい。

写真はサイクルワールド「2016MOTOGUZZIV7 ファーストライド」から引用。
V7Racer

写真はサイクルワールド「2016MOTOGUZZIV7 ファーストライド」から引用。
V7Stone

総じていうと、MOTOGUZZIV7シリーズは、2015年モデルにおいてかなり魅力を(たぶん値段もちょっと)アップしてきたようですね。
基本を変えず、より精悍に、親しみやすく、扱いやすく、性能アップしてきた、と言え、まさに正当なバージョンアップと言えるのではないでしょうか。
そもそもV7クラシックのベースとなったブレバ750がとても優れた日常性を持つマシンだったのですから、それをもとにクラシックな外観を与え、さらに熟成をしてきたこの新しいV7シリーズは、もはやマニア向けではなく、ちょっと下駄代わりに街を移動する、という人、休日に少し近所を流す、という人にも十分満足でき、そしてここからがすごいのですが、少々のヘビーユーズにも耐えうる頑強さも兼ね持って市場に放たれたように思います。

日常に軸足を置いたまま、少し非日常に踏み出したいバイクユーザーには、もってこいではないでしょうか。


でも、僕にとって、最高の魅力は、その基本性能の先にある、コーナリング性能です。
ハンドリングがわかりやすく、トラクションのコントロール幅が広く、コーナリングが本当に楽しい。
僕がW800でもなく、トライアンフのボンネビルでもなく、Ⅴ7を選んだのは、その性能ゆえ。

たぶん、それもしっかり受け継がれ、洗練されていることでしょう。

8 件のコメント:

  1. 正常進化でしょうか?このエンジンブロック
    拡大させてドカのようになっていくのかな。
    そうすると、速いグッチが出現しそう!
    きびきび走って面白いバイクになりそうです♪

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    1. いちさん、こんにちは。
      ピアジオグループに属するモトグッツィですが、ドカのように展開していく体力があるかどうか。
      今はV7シリーズの他は、カリフォルニア1400カスタムと、1200スポルト4VABSの2種がカタログにあるだけです。
      ただ、V7シリーズが当たれば、いちさんのおっしゃるように、モデル展開もあるのかもしれませんね。
      かつてのルマンのような、猛烈なオーラをまとうマシンが、また登場するのでしょうか。

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  2. 悩ましいバイクが登場しちゃったなぁというのがボクの正直な感想です。
    いや、現行のシルバーのスペシャルが欲しいと本気で思っているボクですが、
    いきなりこれですもの・・・・
    6速になった意味が知りたいですね。
    まさかエンジン特性が更にスポーティな味付けに変わっているなんてことは無いとは思いますが、
    グッチにドカのような特性を求めていないボクには気になるところではあります。
    おそらくいずれは現行のスペシャルを買うことにはなるとは思いますが、新型が気にならないかと
    言うと嘘になります。
    赤と青のカラーは綺麗でいいですね(^^♪

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    1. シャモンさん、こんにちは。
      6速、気になりますね。既存の5速にオーバードライブの6速を継ぎ足したのではなく、全速ギヤ比を見直したとのことですから、つながりがよくなったり、6速が今より少しロングになったりしているのかもしれません。
      また、確認してませんが、リヤショックがややレイダウンしたようにも見えますね。
      しなやかな足、スムーズなギヤチェンジなどをもたらしているのかもしれません。
      ドカがさらにとんがったほうへ行ってますから、ベーシックスポーツのセグメントにやや来たかもしれませんね。
      ……まあ、あくまで想像でしかありませんが、そういう想像もわくわくして楽しいもので。
      現行シルバーも以前なかったもので、しかも美しく、いいですね。

      買ってしまえば、新しいのが出ようと自分のモデルを愛せる…。
      それもモトグッツィのよさだと思うのですが、買う時にはどれにするか、真剣に悩む…。
      それもまた、お楽しみのことかと思います。

      シャモンさんの時期マシン選び、どうなるのでしょう。
      ブログでの発表を楽しみにしております。

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    2. はじめまして、GoogleでV7Ⅱの情報を捜していてこちらへ辿りつきました。

      コンテンツが豊富で、素晴らしサイトですね、時々お邪魔して記事を購読させて
      頂きたいと思いますので宜しくお願い致します。

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    3. Osawa Nobuo様。
      はじめまして。コメントありがとうございます。
      お読みいただき、ありがとうございます。
      完全素人が忙しい仕事の合間(…といっても夜に)に書いているブログです。
      役に立つかどうかわかりませんが、どうぞ、よろしくお願いいたします。

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  3. はじめまして、モトグッツィのことを検索していてこちらのブログ記事を読み始めました。ちょっと前の記事への書き込みですみません。現行モデルの進化の様子を始めて知ったぐらいに、僕の観察能力は鈍いと感心しています。僕はブレバに乗り始めて3年目になります。とてもなじみやすく良いのですが、ハンドルなど少し変更してみたいと感じているこの頃で、以前のモデルや現行のモデルなどとのポジションの違いが気になっていました。興味深い記事がたくさんありますのでゆっくり見させていただこうと思います。

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    1. 小杉雅俊さん、はじめまして。ようこそいらっしゃいました。
      コメントありがとうございます。
      ブレバは以前から評価の高いマシンでしたね。私は最近のタンクとテールが高く上がっているスタイルがなんとなく苦手で、V7が出て、これなら乗ってみたいと思うようになりました。
      V7、エンジンもフレームもほぼブレバのままだったというのですから、外装でマシンの印象がいかに変わるか、考えさせられます。
      仕事に追われ、思うようには走れず、ツーリング記事も少ないのですが、どうぞ、お付き合いのほど、お願いいたします。
      どんな古い記事へのコメントも歓迎です。(この「ブログ」には「最新コメント一覧」がないので、他の方には気づかれにくいと思いますが、必ずレスポンスしますので。)
      どうぞ、よろしくお願いいたします。

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