2014年12月21日

V7と付き合うコツ(0)

◇いてててて。

☆樹生さん、どうしたんです?

◇頸椎ヘルニアになってしまって、左半身、特に腕が抜けるように痛いんですよ。

☆へえ。お大事に。

◇あ、あなた、かなり冷たいじゃないですか。やさしい言葉をかけてくださいよう。

☆だって、ブログ打ててるじゃないですか。やさしくしてほしいだけでしょ。

◇え?えへへへへ。まあそりゃ…。でも長時間は無理です。だから、記事も細切れに行きます。

☆じゃあ、こんな無駄な前ふりしないで、早く本題へ。

◇はい。


V7Q&Aをお送りしましたが、書いているうちに、巷の悪評のうち、いくつかは誤解に基づくもので、いくつかはV7の個性を認めていないから来るものではないかと、思うようになりました。
日本車とモトグッチのV7はやっぱり違うんだと、2シーズン乗ってみて、少し思うようになりました。

乗る前は、やっぱり故障して乗れない期間が長いんじゃないかとか思い、また半分覚悟もして購入したんです。
シャフトの乗り味もなじめるかどうか、少し不安でした。
雨に弱いんじゃないか、晴れの日しかツーリングできなくなるのでは…とも、考えたりもしました。
また、クラッチが乾式単版なので、半クラッチが使いにくくて一杯エンストするんじゃないかとか、
電気系が弱くて走行中に急に止まったりしないか…なんてことも少し不安にも思っていました。


しかし、実際に買って2シーズン、通勤やツーリングで使ってみると、
まず、最初に思ったのは、「思っていたほど日本車とは違わない。普通に乗れるし、普通に走れる。」というものでした。
雨でも止まらないし、電気が弱くて急にパワーが抜けるということもない。
トルクリアクションがきつくて走りにくいということもない。
めくるめく陶酔の瞬間が訪れるわけでもない。
Uターンもふつう。エンストやギア抜けも特に起きない。

ああ、普通だ…。

という印象でした。

もともと優れたシティコミューターとして評価されていたブレバ750のエンジンとフレームをそのまま援用し、外見をクラシカルにしたバイクなので、強烈な個性というよりは、扱いやすさを素性として持っているのは当然だったのです。

しかし、新車で購入し、徐々に馴らしも進み、走る続けていくと、「日本車とだいたい同じ」というベースの向こうに、「ああ。やっぱり違うなあ」という側面が、じわじわと感じるようになってきたのです。

V7は、大型免許を取れた人なら、普通に乗って違和感もあまりなく、使えると思います。
(ただし、それはモトグッチをよくわかっているお店が整備をしてくれることが前提となりますが…。)

同時に、V7は弱点を徹底的につぶし、マイナスがないように、クレームがないようにと完成度を上げていく驚くべき信頼性の日本製品とは、どうやら設計思想が違います。
だれでも、どう扱っても破綻せず楽しいように、欠点を削る方向でもスパイラルを上がっていく日本車に対して、V7は、ほら、こういうのが僕らの考える気持ちいいバイクライディングだよ。君も楽しんでほしいな。という、イタリヤおやじの茶目っ気のある笑顔が浮かぶような気がします。
とっても繊細なくせに、どうでもいいところは、本当にどうでもいいと思っているみたいな。

だから、客はわがまま幼児ではいられない。そういう客は想定してないのです。
かといって、V7は初心者もメインターゲットに入っている普及車。
別に腕のいいベテランやとんがった飛ばし屋を相手にしているわけでもない。
エンス―ジャストに「一般人とは違うんだよ僕らは」なんて思い上がった台詞を吐かせないくらい普通でもある。

なかなかに面白く、不思議で、僕に言わせるとある意味痛快なキャラクターなのでした。

ね、レディ、ゆきかぜ。(「ゆきかぜ号」は僕のV7Special(2013)の愛称です。)

さて、もともとレディ(女性)の扱いが極端に苦手なボクですが、
次回からレディ(ゆきかぜ号)との付き合いにおいて、僕の気をつけている点をお伝えします。
そして、その扱いに気をつけ、うまくいけば、それはそれは気持ちいい世界にゆきかぜ号が連れて行ってくれることも、徐々にお話ししたいと思います。

4 件のコメント:

  1. takaです。
    こんばんは。
    ヘルニア、大丈夫ですか?
    私も左膝を痛め、サポーターが欠かせません。

    V7、適度な「イタ車」ぶりで、良いですね。
    なんだかんだで、今のバイクですからね。
    基本は、シッカリしているのでしょうね。
    でも、日本車の精度に勝るのは、難しいのでしょう。
    でも、その精度がV7にあれば、何かを失いそうかも?
    そういった面も含めて、楽しんでね!tって事なのかも(^_^;)

    SRも、インジェクションであるところ以外は、基本は昔のまま。
    出来の良い今時のシングルとは違うのが、面白味だと思います。

    マイナスがあるから、プラスがあるのだと思いますよ。
    弱点を上手く受け入れて、楽しみましょうね。

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    1. takaさん、こんにちは。
      ヘルニアは相当にきついです。(><)(泣)
      takaさんも左ひざ、どうぞお大事にしてください。
      V7は、本を読んでみても、実際にメンテをバイク屋さんにしていただいても、時々、「えっ!?」というところがあります。
      発送が違うんだなあ…と思います。
      でも、きっちり作っています。
      精度が低いのが味なのではなく、ちゃんと走らせれば驚きの旋回性能を発揮する、
      そこがイタリア~ンな感じです。
      そしてコツをつかんできちんと扱えば、とても素敵なレディぶりを発揮。
      楽しいです。
      来期はいっぱい走って、いっぱい楽しみたいと思っています。
      ヘルニア直さなきゃ。
      痛み止めしながら徹夜仕事してちゃダメですね。

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  2. 樹生さんこんばんは~。
    このドラマ仕立てのお話ってありそうですね(笑)。
    《僕らの考える気持ちいいバイクライディング》この言葉に集約してますね!

    グッチは堅実な単気筒路線とエキセントリックな多気筒路線が同時に
    レーサーの世界で両立してましたからね~。ぶっ飛んでますよ!
    日本人とは違う感性が市販車でも出て来るのでしょうね。

    美意識が違うのかな~やっぱダビンチやベルディを生んだ国ですね~。
    そこで思うのは何てモダンなんだろうってこと。クラシックな中にも新しさが。
    斬新でありながら、どこかホットするところも有り、その微妙なバランスの上
    に楽しんでいる人間が見える感じです。

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  3. いちさんこんにちは。
    堅実な単気筒、エキセントリックな多気筒……。V8レーサーとかですね。
    かたくなに空冷縦置きVツイン、シャフトドライブを維持し続けるモトグッツィ。
    僕のV7は、ドカやアグスタのように、「おおーっ!」とも言われない代わりに、
    バイク達の中に紛れておくこともできて(目立てないだけとも言う)、
    都会でも、田舎でも、そこに、大きすぎず、主張しすぎず、でも小さな存在は確としてあり、
    大きな存在に刃向かいはしないが、媚びていない。
    そんな感覚が好きです。

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