2016年10月25日

秋を走る。(5)

2016/10/19 13:45  以下、ほぼ同時刻、同地点
国道393号線は倶知安から赤井川村へ、そして小樽へと続いていく、ほとんどの区間が山岳ワインディングロードだ。
でも、本州の道とちがって、そんなにくねくねしていないし、そんなに表情豊かな暮らしと山の中を塗っていく道でもない。

それでも、この道は、走りやすく、とても美しい。



倶知安町から赤井川へ向かって北へ。峠の紅葉もきれいなのだが、その手前の田園地帯の中を走るのも美しい。

「大和」というところで、国道からわずかに入ったところに見事な黄色い葉をつけた大きな樹があったので、思わず寄り道した。





畑の畔の向こう側に、羊蹄山がシルエットでそびえている。
ゆきかぜのライトケースに映っているのは…。





間抜けな僕と、後ろの大きな樹だ。



おおきい。そして見事な枝ぶり、立ち姿。
黄色く「黄葉」している。


2016/10/19 13:45
右手のあぜから羊蹄山が見えていた。
ちょっと登ってみる。もちろん、畑には決して踏み込まないように、細心の注意をはらって。




こんな景色が広がっていた。
ほぼ南の方角、今走ってきた方向を見ている。
こんなのどかな道を、マイペースで走れるのだから、とっても贅沢な環境だ。

あぜの上から樹を見下ろしてみた。




おおきい。
きっとイタヤカエデの仲間だと思う。

見事な黄葉だ。明日には、落葉が始まるだろう。




鮮やかな、明るい秋。
どのガイドブックにもきっと載っていない、イタヤカエデとの邂逅。

夏にも春にもこのすぐ近くの国道を何回も通っていたのに、あまり気に留めなかった。
緑の間は、まわりの緑の中で、ひときわ大きな樹くらいにしか、見えない。

それが今日、秋の最後の輝きを全身にまとって、きらきらと輝きながら精一杯に立っていた。

予想だにしなかった、こんな出会い。

だからツーリングはやめられない。

(つづく)

6 件のコメント:

  1. 初めまして、いつも楽しく拝見してます。
    写真の美しさと丁寧な文章から、このサイトを訪れる度に心穏やかになります。

    私事ですが日本を離れて20年以上が過ぎ、年に一度は実家のある札幌に帰っています。
    ここ数年はレンタルバイクで軽いツーリングを楽しんでましたが、遂に我慢ができなくなり新車を予約してしまいました、来年どこかでお見かけしたら声を掛けさせてください。

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    1. JUNさん、はじめまして。
      お読みいただき、そしてコメントいただき、ありがとうございます。
      そのように言っていただくと、とてもうれしいです。

      外国で20年以上お暮しなんですね。
      今現在も外国からコメントくださっているのでしょうか。
      確かに年に1回~数回のツーリングなら、レンタルバイクの方が断然安いですが、
      自宅で自分を待っている愛車がある…、というのは、なんかいいですね。
      そしてその愛車で出かける日本のツーリングは、やはりレンタルバイクで出かけるよりも
      味わい深いものになるような気がします。
      風景は変わらないかもしれませんが、バイクはとてもメンタルな存在だな、と思うことが多いです。

      来年は楽しみですね。
      もしも道の上で出会いましたら、声をかけてください。

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    2. 樹生さん

      返信ありがとうございます、おっしゃる通り現在も海外に暮していますが、やはり北海道でのバイクツーリングは自分の知る限り、最高の高揚感とすがすがしさを与えてくれます、ご存知と思いますが海外でも最近、特に注目されています。

      私も、もう十分オッサンなのでやりたいことは出来る範囲でやる事にしました。
      お互い事故、ケガに気を付けましょうね。
      来年楽しみが一つ増えました、ありがとうございます。

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    3. JUNさん、そうですね。事故、けがに気を付けていきたいです。
      新しいマシンと走る来年が楽しみですね。
      どこかでお会いできたらと思います。

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  2. あまりの見事さに声を失い見とれました。

    20mはあるでしょうか。
    きっとイタヤカエデですね^^

    まわりに陽を遮るものがなく、風が抜け・・・
    土から栄養をたくさん取り込み、
    思いっきり枝を伸ばし、
    伸び伸びと成長し、自然に整った均整のとれたカタチ。
    その枝ぶりと美しい佇まいに感動してます。

    市内で剪定され美しく整ったカタチも良いですが、
    この本来のカエデの生き生きとした姿と圧倒的な存在感に
    ため息をつきます。
    この樹に出会えただけでも充分なツーリングのような気がします!

    この樹を見せて頂きありがとうです^^

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    1. selenさん、こんにちは。
      たぶん、20mはあると思います。

      ここは倶知安町、大和。
      もしやと思ってwebで調べてみたら、やっぱり小学校跡地でした。
      大和小学校はその前身の私立の学校が明治37年にでき、
      昭和51年に統合されで廃校となっていました。
      今は公園と避難所になっています。

      北海道の小学校に立派な樹があることが多いのですが、
      これは開校してから植えた場合と、もともと巨樹があったところに、
      それを伐採せず、シンボルツリーとする形で学校を作る例と、
      両方があるように思います。
      ここ、大和の場合は勝手な推量では後者ではないかと思います。
      (大外れかもしれません。^^;)
      たぶん、地元の人がつけた名前のある樹だと思います。
      本来はその名前を地元の人に聞いて、その名で呼ぶべきだと思うのですが。
      僕は当面、勝手に「大和のイタヤカエデ」と呼ぶことにします。

      selenさんおっしゃるように、この樹に会えただけでも、十分に価値のあるツーリングでした。

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