石狩市、望来の駐車場にやってきた。
海だ。
selenさんの樹がある。
だいぶ陽は傾いたが、夕日というにはまだ時間がある。
駐車場には何台かの車と、人々。
ベンチに座ったり、立ったままだったりしたが、みなここでの夕焼けを楽しみに来たらしい。
みんなゆっくりしていた。
僕の後から入ってきた一台のバイク。
カワサキH2だった。
同年代のライダーだろうか、「こんにちは。」とだけ、あいさつをかわして。
通れるようなので、歩いて登ってみた。
やや高いところから南の方向、石狩湾が見える。
ここにいると風はそんなに強くない。
波も静かな方だと思うが、望来の街の上に、白く潮が噴き上げられたように煙っているのが見える。
圧倒的な海風の空気層の厚さ。
風の音は、確か聞こえてくる。
ドド…というか、ゴーというか、海の鳴る音だ。
自分の影も、樹々の影と並んで長く見える。
わずか数分なのに、夕日の表情が太陽に出始めている。
空気がやさしくなっていく。
駐車場に下りていく。
車の数は少し減って、バイクも2、3台入れ替わっているようだ。
下りているうちに排気音がして、バイクが2台、入ってきた。
仲間のようだ。
談笑している。
左手には男女のカップル、切れているが右手には、今しがた着いたライダー2人。
夕方のやさしい時間の始まりだ。
ここで、このまま夕日を待つのもいい。
でも、僕は今日、日没を迎えたい場所があった。
そろそろ、時間が迫ってきた。
そう、夕焼けの頃は、ゆっくりした時と、あわただしい時とが、交差する。
ゆきかぜのエンジンを掛け、移動する。
どういう日の入りになるだろうか。
静かに、どきどきする。
しんみりと高揚する。
さあ、ちょっとだけ移動しよう。
(やさしい時間へ。 つづく)
OH! なんと!
返信削除この夕日がエンディングでは無かったと。
次の記事を、松。
tkjさん、こんにちは。
削除ふふふ…。
期待を裏切る男、樹生和人です。
次回、最終回(?)