2020年11月20日

カワサキがメグロK3を発表(2)

カワサキのニューモデルK3、その諸元をカワサキHPから拾ってみました。

出典は、<https://www.kawasaki-motors.com/mc/lineup/megurok3/> です。

よこに( )でカワサキW800の2020年モデルの諸元を入れてみました。
同じ数値は青、違う数値は赤、同じ場合数値を入れずに(同)と書いたところもあります。


写真出典は、Automotive media Response 『復活の「メグロ」2021年2月1日発売決定、カワサキプラザ東京等々力で11月20日より先行展示』

 メグロK3 諸元(カワサキW800諸元 抄)

車名(通称名)MEGURO K3

型式 2BL-EJ800B

全長×全幅×全高 2,190mm×925mm×1,130mm2,190mm×790mm×1,075mm

軸間距離 1,465mm 1,465mm)

最低地上高 125mm(125mm)

シート高 790mm(770mm)

キャスター/トレール 27.0°/ 108mm (27.0°/ 108mm)

エンジン種類/弁方式 空冷4ストローク並列2気筒/SOHC 4バルブ(同)

総排気量 773cm³ (同)

内径×行程/圧縮比 77.0mm×83.0mm/ 8.4:1(同)

最高出力 38kW(52PS)/6,500rpm(同)

最大トルク 62N・m(6.3kgf・m)/4,800rpm(同)

始動方式 セルフスターター(同)

点火方式 バッテリ&コイル(トランジスタ点火)(同)

潤滑方式 ウェットサンプ(同)

エンジンオイル容量 3.2L (3.2L

燃料供給方式 フューエルインジェクション (同)

トランスミッション形式 常噛5段リターン (同)

クラッチ形式 湿式多板(同)

ギヤ・レシオ1速 2.352 (40/17)(同)

2速 1.590 (35/22)(同)

3速 1.240 (31/25)(同)

4速 1.000 (28/28)(同)

5速 0.851 (23/27)(同)

一次減速比/二次減速比 2.095 (88/42) / 2.466(37/15)(同)

フレーム形式 ダブルクレードル(同)

懸架方式 テレスコピック(インナーチューブ径41mm)(同)

         スイングアーム(同)

ホイールトラベル 130mm 107mm(同)

タイヤサイズ 100/90-19M/C 57H(同)

                  130/80-18M/C 66H(同)

ホイールサイズ 19M/C×MT2.50(同)

         18M/C×MT3.00(同)

ブレーキ形式 シングルディスク 320mm (外径)(同)

         シングルディスク 270mm (外径)(同)

ステアリングアングル (左/右) 37°/ 37°(同)

車両重量 227kg(226kg)

使用燃料 無鉛レギュラーガソリン(同)

燃料タンク容量 15L(同)

乗車定員 2名(同)

燃料消費率(km/L)

        130.0km/L(国土交通省届出値:60km/h・定地燃費値、2名乗車時)(同)

221.1㎞/L(WMTCモード値 クラス3-2、1名乗車時)(同)

最小回転半径 2.7m(同)

カラー・メーカー希望小売価格

ミラーコートブラック×エボニー(メタリックオーシャンブルー)

1,276,000円(1,100,000円)

(本体価格1,160,000円、消費税116,000円)(本体価格1,000,000円、消費税100,000円)


写真出典は、Automotive media Response『カワサキ W800 シリーズ3車種、ニューグラフィックス登場 10月1日発売 6枚目の写真(全11枚)《写真提供 カワサキモータースジャパン》カワサキ W800』


カワサキさん、これは、W800ですよね。

エンジン、シャシー、サスペンション、ホイール、ブレーキは完全同一。
ギヤ比まで一緒。
ハンドルバーは違いますが、メーターまわり化粧以外は同一。
シートは違いますね。
ハンドルのスイッチボックスも同一。
ミラーも。
サイドカバーのエンブレム、タンクのエンブレム、
あと、全身の塗装。

カワサキW800は、一度生産中止になり、先にカフェとストリートが復活。かなり改良してきたみたいで、フレームも新作、フロントフォークもインナーφ39㎜からφ41㎜へと太くなり、タイヤも変わり、値段も高くなりましたが、かなり完成度が上がっていたといいます。

そこにこのメグロK3バージョンが加わった。

そういうことだと思います。

ハンドルポジションによる乗車姿勢は、長い間走ることを考えると、W800とメグロK3とでは、疲労度にしても、姿勢から来る視野、上体姿勢からくる風を切る感覚、等、だいぶ違ったものになるでしょう。どちらが疲労しにくいかは、実際に長い間、長い距離をいろんなペースで走ってみないとわからない。状態が立っていれば疲れないというものでもないし、シートの出来しだいで、お尻の痛みが変わってきたりしますので。


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ここからは完全に私の私見です。

客観性はありません。また、私は素人です。他の人の好みをそれで否定する意図はありません。あくまで、一個人としての考えを書きますが、

僕はカワサキが大好きで、とても信用しているメーカーです。

1980年代、空前のバイクブーム、400cc激戦区で過激なマシンが売り上げを伸ばしていく中で、カワサキのミラーはちゃんと後ろが見え、シート下には荷掛フックがついていた。実用面を捨てない、ライダーが実際に使う面を考えた姿勢があったからでした。

他者とは違うアプローチで作り上げた名車、GPz900R(Ninja)。世界最速車でした。

ZZR1100。メガスポーツで再び世界最速を奪還したこのマシンも、ツーリングでの使い勝手が考えられ、タンデムでの旅も可能、荷掛フックもありました。

そうかと思うと、マッハ750みたいな、破天荒なマシンも世に送り、

最近のH2、H2Rも、なんじゃこれは!というぶっ飛んだマシン。カワサキにしか作れないマシンでした。

1999年のW650は、メグロを吸収したカワサキが出したW1やW3をモチーフとしたネオクラシック路線。これは世界に先鞭をつけ、W650の成功から今日に続くネオレトロ、ネオクラシックが始まったのです。

しかも、ただの復元版でなく、カムを回すのにベベルギアを使用。これは特殊なギアになるために専用の工作機械を作らねばならず、売れる台数を考えれば、10年は元をとれないと言われた代物。そんなことしなくても、カムチェーン駆動でもよかった(本家はそれだった)のに。

ただ回顧しない。かならず、他社にできないもの、他社にないものをぶち込んで新しいセグメント自体を創り出す。

それがカワサキでした。



カワサキさん、メグロK3はメグロじゃない、W800メグロK3バージョンでしょう。

「メグロ」の看板って、そんなに軽い物じゃない。

確かに、W650自体、元をたどっていけば、国内ではメグロだったから、これはW650~800シリーズの由緒正しい名前ともいえる。(さらにたどればトライアンフになってしまうけど、それはまあいいとして)
しかし、その復活時にカワサキはメグロと言わず、W650で出してしまった。

あのW3系列を、メグロではなく、カワサキWのブランドで出したのなら、
「メグロ」の復活には、もっとそれにふさわしい「中身」が必要だったのではないかと、
私は一個人として勝手に思うのです。

メグロは当時、小排気量の小気味よいコミューターというか、使い勝手のいいマシンが性能を上げ、売り上げもメインストリームとなっていくなかで大排気量のスポーツモデルにこだわったメーカーだった。


ならば、W800が既にあって、メグロを復活させるのなら、やり方は二つしかない。

1 最大排気量、圧倒的パフォーマンス、しかし、見事な実用性。

 ZX14-Rの後継機種。H2とは違う、自然吸気のハイパフォーマンスエンジン。浅間のレースで活躍した、あの頃の、無差別級チャンピオンとしての風格。それは巨大恐竜のような、もしかしてZ1300のような、ホンダでいうとCBX1000のような、一見時代錯誤のナンセンスなマシン。しかし、その存在に必然性を宿らせるところまで、カワサキは魂を込めた!


2 パラツイン大排気量公道スポーツバイクの革新。

スーパーチャージド、850㏄水冷パラツインエンジン。
ネイキッドスタイル。最新電子制御。
右手とリヤタイヤの直結。いや、脳とリヤタイヤの直結。
究極のライディングプレジャー。
操ることの実感!
「バイクは地上の飛行機だ。」その本当の意味を教えよう。カワサキ・メグロK7


なんて愚かな夢を、見させてくれよ、カワサキ。

でなければ、

2016年発表、2027年世界で発売。カワサキ初の全電動スポーツバイク。
超軽量カセットバッテリー。総重量185kg
実用航続距離300km。
ライダーの意志に応える、カワサキAI=「サムライ7」搭載。
目黒川崎「飛燕」

なんて風にしてくれないか。


メグロK3のデザインは、とてもバランスがいいと思う。
W800よりも、僕の目にはカッコよく映る。
色遣いやタンクエンブレムの大きさなどが、全体のバランスをよく見せているのだと思う。
W800もいい。
しかし、この造形の本来の美しさに、メグロK3の外装はたどり着いたのだと思う。
だったら!これは「W800メグロ」だろう!

もし、今ゆきかぜ(僕のMOTOGUZZI V7Special)を手離さなくてはならないことになったとしたら、K3を買ってハンドルをW800に換えるかもしれない。
それくらいこの外装は魅力的だ。
でも、これはW800なんだ。

メグロにはメグロにしかない伝統と誇りがある。
でも、20年が過ぎて、W650~W800には、それに負けない伝統と誇りがあるはずなんだ。
そこを大切にしてほしかったなあ、カサワキさん……。


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…てなことを、つらつらと、考えるのでした。


【注意】
客観性はありません。また、私は素人です。他の人の好みを私の考えでで否定する意図はありません。あくまで、一個人としての好みを述べただけです。
また、もちろん、ただの素人の戯言ですので、認識の間違いなども含まれている可能性があります。
お読みになった方はどうぞ、鵜呑みにせず、ご自分のご判断を大切になさってください。

4 件のコメント:

  1. メグロ出ましたね!楽しみに諸元とスタイルを見てました。
    樹生さんの云う通り、これはW800メグロですね~。
    惜しい!メグロの名前を使うなら昔を彷彿させる様なマシンを出して欲しかった。

    スタイルはW800ベースなのは一目瞭然。
    殆んどのパーツが流用。何かトヨタのマークⅡ三兄弟を思い出してしまいました(笑)
    趣味性の高いオートバイにコレは無いでしょ。
    先に出したZ900RSと同じ手法。小さくて軽く、エキゾーストチューニングをしたマシンのところは気に入ってますが、果たしてメグロはそこまでこだわっているか?

    樹生さんらしい改造案が出てますが、裏返すとカワサキ愛を感じさせるモノですね。
    今のバイクが売れない時代に、二番煎じみたいな事をカワサキはやっていると、ライダーに捨てられるよね~。
    SSマシンに乗っている方々の鼻をくすぐるようなマシンで無いとね~。

    そこまでやって、その先は細部の出来となるのですよ。(ブランド化)

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    1. いちさん、こんにちは。
      マークⅡ三兄弟! ありましたね。
      カサワキは、新しいセグメント自体をつくりだすような、
      そういうマシンを世に放ってきたメーカーですので、
      売るためだけにブランド名を使うとか、してほしくなかったです。
      しかも、メグロ。
      本社由来のH2は、革新的マシンにつかい、
      化粧だけ直して売らんかなの製品に吸収合併したメグロをつかうなんて、
      僕の僻み目からすると、メグロに対する敬意と愛が、足りないんじゃないかと、
      特にここ10年くらい、カワサキはとてもよかったので、
      がっかりしてしまいました。
      あくまで個人的な感想ですけれど。

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  2. まったく同感! K3を買ってハンドルをW800に換えるまで…��

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    1. kei3さん、こんにちは!
      おお、kei3さんもそうですか。デザイン、いいですよね。

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