コンビニ軒先のツーリング飯。

バイクツーリングの趣味も時代とともにあり方が変わっていきます。

もちろん、一人ひとりの違いの方が大きいのでしょうが、

ここ10年、いや、ここ5年は、また若い人がバイクに帰ってきている感じです。

そしてその若い人たちは、人生を豊かにするために、前向きにバイクに乗っている感じがします。

楽しいツーリング。

仲間との語らい。

キャンプツーリングの楽しみ。

挨拶「ヤエー」。

ベテランの人たちも、グループツーリングが増えたように思います。

よく見かけるのが、朝集合、みんなで気持ちい道を走って、昼はグルメ。

ゆっくり食事と会話を楽しみ、またみんなで走って帰ってきて解散。

誤解を恐れずに言えば、バイクウェアは一種のコスプレ。

つまり、コスプレ集合、パレード。グルメ。パレ―ド。解散。

バイクツーリングは、立派な今日的イベントになりました。

もちろん、一方では一人でさすらうように走ったり、ひたすら走りに徹したりする人たちもいます。

僕はと言えば、だいたいは一人で、朝早く立って走り回って昼過ぎに帰って来る…というパターンが多いです。

一人でいくのは、一人が好きというのもありますが、まず予定が立てられないから。

忙しすぎて、休日がどうなるか、直前までわからない。

だから誰かと行く約束ができない。

そういうのが多いです。

早く立つのは、混むのが嫌いだから。

走る目的は、特に目的地がないことが最近は多くて、ただ「脱出」したいから。

道の上を走っていることに意義があるというか、喜びがあるというか、

とにかく、走っていたい。「移動」していたい。

現実の生活や仕事から遠い場所にいたい。

そうして走り続けることになります。

だから、昼飯をゆっくり優雅に摂ることはまずありません。

夕方遅くなると道が混んでしまい、せっかくの走りが渋滞走行で疲れてしまう。また、翌日からの生活に、疲れを残したまま入ってしまう。

だから、昼は結構あわただしいのです。

いきおい、コンビニで軽食を買い、軒下をお借りして地べたに座って食べ、直ぐに出発することになります。

この昼飯スタイル。

ツーリングの性格上、やむなくそうなっているものではありますが、実はかなり気に入っています。

何と言っても、「旅」の雰囲気がする。

こんなことを思うのはおかしいかもしれませんが、「ちゃんとしたところで食べない」ということが、いかにも自分は今、日常から離れて旅の途中なのだという感じを掻き立ててくれるのです。

食堂で食べる飯も、旅情はあるのですが、すっかり腰を落ち着けて、さあお昼を楽しもうと思うと、そこに僕の感覚としては旅のリズムが切れてしまう感じがある。

そういう、リッチな場面はあまり欲していない場合が多くて。

地べたに座る。

外で食べる。

これは、雨の中を合羽着て走るのと同じくらい、

ツーリングでないとない状況。

車なら車の中で食べるし、旅行なら食堂・レストランでいただくことが殆どです。

「外の解放感。」

アウトドアというのとはちょっと違う、外（そと）の感じ。

それをどうやら僕は愛しているようです。

いや、絶対に食堂に寄らないとかそういうのではありません。

訪ねた街で、ラーメン屋さんに寄ってみるとか、たまには何かを食べる目的でバイクで走っていくことも、ないわけではありません。（滅多にないけど）

それでもねえ、地べたに座って愛車を眺めながら急いで掻き込む、昼飯に勝る旅飯って、そうそうないような気がするのです。

自宅から弁当を持って行くと、さらにいいのかもしれません。

例えば、飲み物なんかは、飲みたいときに飲みたいものを飲みたい。

自販機を探すのも楽しいのですが、気に入ったところでバイクを停めて、水筒に入れてきた飲料を飲む…。

これもなかなかですね。

ご飯系に関しては、現地調達っていうのも、旅心をくすぐってくれます。

どこかで調達しなきゃ…というのは、縛りでもあり、楽しみでもあります。

北海道と言えども、１００ｋｍも走れば、どこかで店はあるもの。（これが、裏道をつないでいくと、無い場合もあったりして、さすが！と思ったりもするのですが）

ここらで体にエネルギー補給しておくか…、という感覚も、また、好きです。

おにぎりやサンドイッチ、ブリトーのようなものが多いのですが、セイコーマートのカツ丼は美味しくてびっくりしました。

ちょっと甘すぎるのですが、これが、バイクツーリングの栄養補給にはちょうどよくて、普通のよりおいしく感じるのでした。

どんな飯にするか。

そこからも、どんなツーリングにするかのテイストが知られて、面白い気がします。

来年もいっぱい走りたいです。