2021年6月8日

赤井川村「雷音(ライオン)の滝」 

6月、北海道の緊急事態宣言は続き、今日本で一番感染状況、医療危機が大変なのは、沖縄、次いで北海道となっている。 

沖縄はおそらくGW頃に来訪した観光客による持ち込みが影響しているのだろう。
北海道も4月末から感染者が増えていたのに、まん延防止措置が取られたのはGW明け、5月6日からだった。5月5日には、オリンピックの準備大会である札幌マラソンがハーフになって行われた。北海道の感染の急拡大もGWによる人流の影響と見ることもできるだろう。

さて、僕は6月から人との接触を極力避けることを条件に、札幌市の外への日帰りツーリングを解禁した。

6月2日、午前中、赤井川村まで走ることにした。
家を出たのは朝6時。
赤井川の道の駅に着いたのは、7時40分くらいだった。
道の駅だから24時間トイレは空いているが、売店はすべて営業前。
車もまばら。バイクは僕ら1台だけ。

ゆきかぜを停め、ヘルメットを脱いで不織布のマスクを二重にし、自動ドアの押すを肘で押して、トイレを借りる。
手をかざすだけで洗面所の水が出るのは助かった。
持参したバンダナで手を拭き、出入り口に置いてあるボトルでアルコール消毒をし、また自動ドアを肘で押して外へでる。
トイレの中は僕だけだった。


道の駅から国道393号線を南に。
樺立トンネルで峠を越え、倶知安へと向かう「メープル街道」。

道の駅から5~6km南下したところから、道は傾斜を急にして一気に峠を上っていくのだが、その登り始めのところから今まで道に沿って流れていた白井川に沿い、川を遡っていく町道があり、そこを2kmくらい行ったところに「ライオンの滝」というのがあるらしく、そこを訪ねてみようと思ったのだった。

地図上でだいたいの位置を確かめていったのだが、案内の看板も標識もない。
村道で林道ではない感じだったが、やっぱりダートだった…。


ゆきかぜのダート走行能力は、まあ、標準的と言うか、昔のネイキッドバイクたちと同等のレベルと言っていいのではないだろうか。
フロント18インチ、リヤ17インチで、装備重量で198㎏。
重心が低めなこともあって、ダートでも扱いは普通。

それでも、転倒した時のダメージは(特に精神的なものと経済的なもの)、
かなり大きいものが想像できるので、慎重に、ゆっくり進んだ。


ところが、どこまで行っても滝がない。

結局4,5km行ったところで、ゲートが閉まっており、通行禁止の表示があった。

地図から言っても、事前情報の「村道の橋から見える」ということから言っても、今までに通ったところになければならない。

……、ということは、さっきの「あれ」か?
ちょっとした段差を流れ落ちるところを橋から見下ろすところがあった。
どうやら、それだったようだ。

引き返していく。


入り口から2kmくらい?こういうのが道端にあったが、これではなさそう。
そのすぐそばの橋から見える瀬…。


どうやら、これだ。
たしかに、水音が響き、細かな水滴が飛んで、気持ちいい場所だ。


雪解け水がまだ豊富な時期だから、流量も多い。

でも、「雷音」(ライオン)の滝という名前から来る想像とはちょっと違った。


向こう岸には、地層が露頭している崖の峰。


若葉の森の中の道は、確かに気持ちよかった。
ただ。熊と遭遇する恐れもあるので(北海道では本当に注意だ)、あんまり油断もできないのだが。


滝の音を聞きながら、持参したアンパンを頬張り、缶コーヒーを飲んだ。
少し、気持ちを緩めることができたような気がする。



ダートは水たまりが多くて、ゆきかぜはまた泥だらけ。

もう、あきらめてね、ゆきかぜ。
帰ったらきれいにするから。


少し休んでから、ライオンの滝を後にした。
家についてから確認したら、やっぱりそこがライオンの滝だったらしい。


帰り道。
道の駅には寄らず、通過しただけだが、午前9時ごろか。
「道の駅あかいがわ」はバイクの駐輪場は建物から一番遠い、一番奥にある。
ところが、中央の車用のところに、10数台のバイクが並べて停めてあり、まわりにはヘルメットを脱ぎ、マスクをしないまま大声で談笑しているバイク乗りたちの姿が。

ああ…、これは近寄りたくもない。
さっき寄っておいてよかった。



赤井川から毛無峠を通り、展望台にちょっと立ち寄る。
僕の他に一台の車と一台のバイクがいただけだった。

天気がよくて、小樽の街並みや石狩湾の向こうの山並みも見えていた。



これなら、朝里峠から定山渓を経由しても昼前には余裕をもって帰れそうだ。

久しぶりに札幌市を出た、ショートツーリング。

何気ない道を何気なく走るだけでも、バイクツーリングは楽しく、自分が解放されていくのを感じる。
たいしたことがなくてもいい。
走ること、ゆっくりでも、走ることを、渇望していたんだと、改めて感じた日だった。

2 件のコメント:

  1. 樹生さん、こんばんは。

    >走ること、ゆっくりでも、走ることを、渇望していたんだ
    この乾きを抑えるのが、自分もちょっと苦しかった日々でした。

    雷音の滝、
    居心地良さそうです。
    樹生さんが耳にした、水の音までも聴こえてくるようです。

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    1. selenさん、今晩は。
      森の中、涼しく、水音気持ちよく、行ってよかったです。
      次回はもう少し、足を伸ばそうかと思っています。

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